東芝とNECは、次世代不揮発メモリー(MRAM: magnetoresistive random access)を共同で開発したと発表した。今回両社が開発したMRAMは、書き込み電流を半分以下に低減させ誤書き込みを防止した磁気抵抗素子(MTJ素子)と縮小したセル面積で250ナノ秒という高速でデータ読み出しを実現する高速クロスポイントセル構造をもつ。
MRAMは、高速・高密度で無限大に書き換えできるDRAMの特長と電源を切っても情報を保持するフラッシュメモリーの特長をもち、次世代のメモリーとして期待されている。しかし、実用化にあたり微細化したときの電流低減技術の確立や高速性を維持しながらセル面積を抑えなければならないという課題があった。
そこで両社は、電流を低減させるために情報を蓄積するMTJ素子の形状について検討し、従来の長方形から長方形の長辺に半円形の膨らみを持たせた形状に変更した。これにより、書き込み電流を半分以下に低減できるようになり、メモリーセルごとの特性に多少のばらつきがあっても誤書き込みを防止できるようになった。また、読み出し速度を高めるために、4個のMTJ素子に対して1個のトランジスタを配置する高速クロスポイント構造を開発した。これにより、1トランジスタ+1 MTJ素子構造で30F2程度必要だったセル面積をクロスポイント構造と同じ6F2に縮小し大容量化が可能になった。
さらに、素子4個をトランジスタで分離して読み出すことで、クロスポイント構造では読み出し1マイクロ秒かかっていたが、今回開発した高速クロスポイント構造では読み出し時間が250nsecに短縮できた。両社は、2005年度中に250nmルールのMTJ素子作製技術と130〜180nmルールのCMOS作製技術を用いて、256MビットMRAMの作製に必要な技術を確立する予定としている。