米Agere Systems社は、3G/UMTS携帯電話機向けプロセッサの開発で高い技術力をもつイスラエルのModem-Art社を買収すると発表した。Agereは、第3世代携帯電話市場の拡大と高速パケット伝送技術であるHSDPA(High-Speed
Downlink Packet Access)の需要を見越して万全の体制を整えようとしている。
Agereによると今回の買収の目的は3つあるという。1つは、同社の製品ラインアップを拡充すること、2つ目は、急速に進歩する携帯電話技術に向けて半導体チップとソフトウエアを統合した技術力を強化すること、3つ目は、両社が3G/UMTS技術を確立して、携帯電話機やPCカードに向けた無線チップメーカーとして主導的な地位を築くことである。Modem-Artは買収金額として現金と株式で1億4510万米ドルを受け取ることになっている。Agereは、「現金で3050万米ドルを支払い、残りはクラスA普通株を約7030万米ドル発行して支払う予定である。当社の7030万米ドルのクラスA普通株は2005年3月7日の終値で計算すると1億1460万米ドル相当になる」と説明した。
さらに、Agereのモバイル部門のバイスプレジデントLuc Seraphin氏は発表の中で、「Modem-Art社のUMTSの物理レイヤで最高の技術が当社の製品ラインアップに加わり、技術の進歩に柔軟に対応できるようになった。今後もネットワーク技術の進歩に従って、信頼性の高い製品を提供していきたい」と述べている。
2005年2月にAgereは、デュアルモードUMTS/EDGEソリューションである「W-EDGE」に向けて、同社初となる3G標準化ソリューション「Sceptre
HPU」の試作を開始した。W-EDGEは、Agereの実績のあるデュアルモード・プロトコルスタックと、Modem-Artのプログラマブルプロセッサ技術を採用したEDGE方式を組み合わせて実現した。両社は、「今回の買収によって、Modem-Art社のプログラマブルプロセッサ技術がAgereのW-EDGEに広く導入できるようになる。さらに、ネットワークが最大14Mビット/秒のデータ伝送速度を実現するHSDPA方式に移行した場合にも迅速に対応できる」としている。Modem-Art社の従業員40人はすべてAgere社(イスラエルのRaanana
)に移る予定だという。