富士通研究所は、LSIの一時的誤作動であるソフトエラーの原因となっているアルファ線を、従来比30倍の感度で測定する手法を開発した。この手法によりソフトエラーの発生率の計算精度が向上し、アルファ線の放出がより少ない材料を選別することで、ソフトエラーの発生率が低いLSIを製造することが可能になった。
今回開発した手法は真空アルファ線トラッキング法という、より高感度でアルファ線の強度を測定する手法。アルファ線検出器にプラスティック板を使用し、さらに感度を下げる原因であるラドンガスを取り除くために真空中で測定することで、LSI材料が放出するアルファ線強度を、従来比30倍の感度で測定できるようになった。このため、従来測定限界値を下回っていた材料のアルファ線強度を正確に測定することが可能になった。
ソフトエラーは、LSI中のメモリや論理回路が一時的に誤作動する現象。高信頼性のLSIを製造するためにソフトエラーの発生率を正確に評価する必要がある。LSIの材料が放出するアルファ線が原因の一つになっているため、アルファ線の強度を高精度に測定することが求められていた。これまで、主にアルファ線の測定はガスフロー比例計数装置で行われてきたが、最近のLSI材料では測定限界値を下回っていることが多くなった。ソフトエラーの発生率の計算はこの測定限界値をもとに計算を行なわざるを得なかったため、正確な評価をすることが不可能になっていた。
なお、この技術詳細は、2005年4月17日から米国カリフォルニア州サンノゼで開催される IEEE 2005 International
Reliability Physics Symposiumで発表される。