電子部品メーカーの82%はRoHS対応製品への移行時期を延ばす予定がないことが明らかになった。さらに、70%はRoHS製品の価格を高く設定する予定はないという。また、Pbフリー部品に対する需要が25%を超える部品メーカーは34%にすぎないことも明らかになった。この統計データは、米Technology Forecasters社が電子部品販売企業である米Avnet社に向けて行った調査結果の一部である。
Avnetの幹部は、環境に配慮した「グリーン製品」への切り替えに伴って部品が値上りしないことについて、「市場が価格の安定を望んでいるからだ」としている。Avnet Logisticsのシニアバイスプレジデントで世界的な卸売/販売事業を担当するJim Smith氏は、「価格の値上りを決めるのは市場である。今回、われわれがあれこれと予測するのは早計だ」という考えを示した。
一方で同氏は、Pbを含む製品が値上りする可能性があると考えている。その理由は、多くのメーカーはほとんどの製品を「グリーン製品」に切り替え、Pbを含む製品は少量しか生産されていない、あるいは生産が打ち切られたからである。同氏は、「少量しか製造・生産されなくなった一部のPbを含む製品に対して、市場はある時点で値上げに動くだろう」と見ていることを明かした。
電子部品メーカーは移行時期が延びることはないという。しかしSmith氏は、購買部門の責任者に対して、部品フローを保護するために慎重に行動するように忠告している。同氏は、「部品調達担当者は、リードタイムへの影響を考慮し、重要な部品については在庫を十分に確保しておくことを強く勧める」と語った。
Avnetは2004年、今回と同様の調査を依頼した。昨年の調査結果と大きく変わったことは、多くの部品が「グリーン製品」に新しい部品番号を割り当てる予定であることだという。これは、販売業者や業界団体であるNational Electronic Distributors Associationによる強い要求が背景にあるようだ。現時点で、部品メーカーの72%が、Pbフリー対応を明示するために新しい部品番号を割り当てている。この割合は2004年の調査では60%に満たなかった。さらに、Pbフリー製品であることを明示するメーカーの数は、2004年の調査では37%だったが、2005年は60%に増加した。
また、今回の調査で、具体的な物質の表示についてかなり混乱していることが明らかになった。部品購入者の48%以上は、販売業者からRoHS認定を取得するつもりでいる。しかし、販売業者は製造プロセスを管理できないため、認定書を発行することは不可能である。認定書の提示は部品メーカーが直接行う必要があるだろう。現在のところ、部品メーカーから有効な物質表示の入手に成功した購入者はごくわずかである。
今回の調査結果で、部品メーカーの68%がRoHS指令の期限である2006年7月1日までに完全に準拠する予定であることが明らかになった。その中のほとんどの部品メーカーが、対象製品を全世界に販売するとしている。RoHS指令の期限までに準拠しないとしたメーカーの多くは、対象外の製品を製造するか、もしくは製品を海外には販売しないとしている。
(Electronic News)