半導体回路技術とシステムオンチップの学会である「ISSCC(International Solid-State Circuit Conference:国際固体素子回路会議)2006」が2006年2月5日から2月9日の5日間、米国サンフランシスコで開催される。これに先駆けISSCC委員会は東京都内で会見を行い、ISSCC2006のハイライトを発表した。
ISSCCで発表される論文は、「Analog & RF」、「Data Converters」、「Digital」、「Imagers, MEMS, Medical & Display」、「Memory」、「Signal Processing」、「Technology Direction」、「Wireless Communications」、「Wireline Communications」の9つのカテゴリに分類される。アナログ、ワイヤレス関連の投稿論文数の増加が著しい事を受けて、従来1つのカテゴリであった「Analog & Wireless」を今回より「Analog & RF」、「Data Converters」、「Wireless Communications」の3つに分けた。
「Analog & RF」のカテゴリでは、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校が、5GHz帯で位相雑音が-130dBを下回るという、低ノイズのLC VCOをCMOS回路で実現した技術について発表する。また、米Intel社は低価格アプリケーション向けのUWB用5GHz帯のCMOS LNAについて発表する。米Texas Instruments(TI)社は、チョッパを使ったオペアンプにスイッチト・キャパシタを搭載し、消費電力がμWレベルと低い回路技術について発表する。同社は、出力パワーが240Wと高いD級アンプや、出力段からのノイズを低減したD級アンプについても発表する。
「Data Converter」のカテゴリで、米Analog Devices社は中心周波数が44MHzで帯域幅が8.5MHzと広い信号をデジタルに直接変換するΣΔA-Dコンバータについて発表する。ユニバーサルテレビ受信機向けに開発した。ダイナミックレンジは90dB。また蘭Philips社などが、ナイキストA-Dコンバータの電力効率を従来の1から0.5pJ/コンバージョン以下に改善した回路技術について発表する。ポルトガルのChipidea社と東芝は共同で、6ビットの2ステップタイプのA-Dコンバータについて発表する。変換速度が1Gサンプル/秒と速い90nmプロセス採用のCMOS回路で、55mWと低い消費電力を実現した。
「Wireless Communications」のカテゴリでは、無線処理を行うブロックとデジタル処理を行うブロックを1チップに組み込む技術の投稿が増えた。NECは、3.1〜9.5GHz全域に対応できるMB-OFDM方式のUWBトランシーバについて発表する。また台湾のRealtek社は、デジタル部まで集積化したMB-ODFM方式のSoCを発表する。UWB分野でワンチップ化したのはこの発表が初めてとなる。
世界各国から寄せられた論文の投稿数は680件と過去最高で、そのうち255件が採択された。地域別の採択論文数は、米国が119件と一番多く、アジア地域が81件、ヨーロッパ地域が55件と続く。アジア地域の中では、台湾からの投稿数が増えている。台湾の採択論文件数は日本の40件に続き、韓国を抜いて18件である。また、大学/研究機関からの投稿も増えている。この背景について、ISSCCアジア地域委員長の飯塚邦彦氏は「LSIを学べる環境が整ってきていることの現れである。また、台湾など政府主導のもとでLSIの設計開発に力を国があることも影響している」と述べた。なお、同学会ではアジア地域を代表してソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役社長 久多良木健氏が「将来のエンタテインメントシステムシステムへ向けて」と題しリアルタイムコンピューティングに関する基調講演を行う。
(EDN Japan)