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2006年02月23日

日立プラント、超低露点空気供給設備を開発
低コスト化を実現、さらには製造装置内のN2の置きかえも可能に
 日立プラントは、低湿度空気の供給が可能な「ドライキューブ」シリーズを開発したと発表した。露点温度-100℃レベルを達成した「クリーンドライキューブ」、露点温度-60℃レベルまで供給できる「エコドライキューブ」の2つのシステムをラインナップする。両製品とも、基本的には乾式除湿機の構造をとり除湿ロータのシリカゲルとゼオライトによる吸湿剤により、空気中の水分を除去する。ロータの水分を脱離させる再生エリアとパージエリア、そして除湿エリアの配分に「独自のノウハウ」を適用することで低消費エネルギー、高効率のシステムを完成したとしている。同シリーズは、半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)、リチウムイオン電池などの電子精密分野の製造プロセス向けに、低湿度環境とクリーン環境を提供でき、さらに従来方式に比べて大幅な省エネルギー化を実現するとしている。

「ドライキューブ」のフロー

 従来、半導体/FPDの製造工程では、高純度N2によりクリーンルーム(CR)内、ストッカ内、さらにはチャンバ内の除湿清浄化を行っていたが、基板の大型化に伴いN2の消費量が増大してしまっている。また、大量のN2はメンテナンス時に作業員に酸欠などの危険が生じることから「安全とはいえない」(日立プラント)状況であり、ストッカや搬送路などの大きな空間へのN2[2下付き]の供給は困難だった。「クリーンドライキューブ」は、露点温度−100℃レベルの超低露点空気を供給する。このシステムにより、1m3あたりの単価が窒素の約1/50と大幅なランニングコスト低減が可能となる。この超低露点空気は、水分濃度8.7ppb(重量濃度)以下となり、同じ水蒸気分圧で換算すると1.4×10-3Pa相当の真空チャンバに匹敵する。酸欠など危険が生じないため、ストッカ、搬送経路などのCR内の大きな空間への供給もできるようになる。チャンバ内などで空気がアクティブな反応を起こさないところであれば、パージの代替にも適用できるという。また、分子汚染の原因として懸念されている高沸点有機物などは親水性のため水分中に多く含まれているため、クリーンドライキューブを通した超低露点空気内では有機物は通常CRの1/10、10ppb程度にまで低減できるとしている。特に有機ELディスプレイ(OLED)の製造工程では、蛍光体の特性から水分を嫌う工程があり、日立プラントではOLED市場の拡大に応じて、クリーンドライキューブの適用範囲の拡大につながると見ている。

 一方、リチウムイオン電池の性能は、製造環境中の微量な水分が大きく影響を及ぼすため、リチウムイオン電池の製造環境には一般環境に比べて水分量が1/1000以下の低湿度空気(露点温度-60℃レベル)が供給されている。低湿度空気の供給には、除湿ロータと呼ばれる吸着材を担持した回転体で空気中の水分を除去する乾式除湿機が多用されているという。しかし、この方式では吸着材を乾燥した状態に保つために空気の一部を高温に加熱した「再生用空気」を常に除湿ロータに通風する必要があった。電気ヒータの消費エネルギー量は大きく、また、ランニングコストがかかるという問題に直面していた。エコドライキューブは、露点温度−60℃以下の超低露点空気を供給する。同社従来比50%の省エネルギーを実現した。

「ドライキューブ」の外観

 ドライキューブシリーズの開発は、同社松戸研究所内に床面積50m2のドライクリーンルーム設備を設置し行われた。乾式除湿機の詳細データを収集し、適切な再生用空気量の設定と排気流路の制御により、排気温度を低温化する熱の有効利用技術を確立した。現在は、さまざまなアプリケーションの開発を行っており、研究所内においてユーザーとの共同開発も進んでいるという。ドライクリーンルーム設備は、引き続き省エネルギーシステムの開発や顧客との共同研究の場として活用される。

 日立プラントでは、同シリーズを製造プロセス向け、「製造プロセスにまで入り込んだところ」(同社空調・プラントエンジニアリング事業本部 執行役 副本部長兼技術本部長 村山義治氏)への適用拡大を図り、年間10億円以上の受注を目指すとともに、同シリーズを核としたCRのトータル受注を狙う。

 同社は、2006年4月1日付で日立製作所の電機グループの一部を会社分割により承継する。日立プラントを存続会社として、日立機電工業および日立インダストリイズと合併する。商号は株式会社日立プラントテクノロジーに変更される。


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