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2006年10月24日

iSuppli、DRAM、NAND型フラッシュの市況評価を引き下げ

 市場調査会社の米iSuppli社は、DRAMとNAND型フラッシュメモリー(以下、NANDフラッシュ)の両方について近い将来の市況評価を引き下げようとしている。評価を引き下げる背景はそれぞれ異なる。

 「高成長を続けるDRAM市場だが、2006年9月にサプライヤの状況は最高水準に達した。このためそれ以降のDRAM産業は下落しかなく、当社はサプライヤの評価をそれまでの『ポジティブ』から『ニュートラル』に引き下げることになった」と、iSuppli社のディレクタ兼プリンシパルアナリストであるNam Hyung Kim氏は説明した。さらに「苦闘しているNANDフラッシュの市場では、最近の価格の反騰がまもなく終わりを告げることから、当社は市場評価をこれまでの『ニュートラル』から『ネガティブ』に引き下げることになる」と付け加えた。

 市場価格や在庫、その他の市況動向を含むさまざまな要因を考慮した同社の「モーメンタムインジケータ」によると、DRAMの価格は9月にピークを迎え、底堅く上昇を続けた四半期に終わりを告げた。この指標からは、9月の全般的なDRAM市況は2004年4月以降で最高の水準にあったことも見て取れる。だが、最新のモーメンタムインジケータの推移を見ると、DRAMの価格はまもなく下がり始めるであろう、とiSuppli社では分析している。

 2006年度の第3四半期以降、メモリーメーカーは生産の一部をNANDフラッシュからDRAMに移行している。さらに、各サプライヤともDDR2 SDRAMの生産量を増やしており、まもなくDRAMは入手しやすくなる。そして第4四半期には全体としてDRAM平均販売価格(ASP)が、第3四半期に比べ7%下落すると予想される。

 iSuppli社がDRAMの市況予想を「ポジティブ」に引き上げたのはわずかひと月前のことで、DRAM市場が脚光を浴びた期間は短かった。iSuppli社が素早く市況の評価を変えたことは、この揮発性メモリー分野の市況の気まぐれさを反映しているにすぎない。それにもかかわらず、2006年はDRAM市場にとって予想されていたものより良くなりつつある。全世界のDRAM市場は2006年に24%と大きく増加し、2007年には16%の伸長が見込まれる。
 iSuppli社によるDRAM およびNANDフラッシュの売上高予想は図の通り。



 その一方で、NANDフラッシュの市況は需要を押し上げる要因がなくなり、iSuppli社では間もなく市況が悪化すると考えている。

 例年この時期には予想されることだが、クリスマス商戦向けの機器製造時期を迎えて、民生電子機器メーカーが部品の確保に走っている。このためNANDフラッシュの価格は今のところ反騰している。だがこの反騰は、クリスマス商戦に向けた部品購入の時期が終わる10月末までには次第に先細りしていくと、iSuppli社は予測している。

 さらに、NANDフラッシュのサプライヤは米Apple Computer社の「iPod」の新製品が9月に紹介されたとき、メモリーの需要を押し上げるような新規分野を開拓する製品が含まれることを期待していた。しかしApple社が発表したのは、既存のiPod製品を若干新しくした程度のもので、NANDフラッシュのサプライヤにとっては期待外れに終わった。

 短期間に新しいキラーアプリケーションがない状態で、2006年と2007年のNANDフラッシュ市況の伸びは限定的なものとなろう。iSuppli社は全世界のNANDフラッシュ市場の伸長率を2006年にはわずか17%、2007年には13%と予測している。iSuppli社は2006年6月に、NANDフラッシュサプライヤに対する短期市況の評価をそれまでの「ネガティブ」から「ニュートラル」へと引き上げていた。

 DRAMとNANDフラッシュの市況を決める最大の要因は、DRAMサプライヤがNANDフラッシュに割り当てる生産能力である。DRAMメーカーは世界のNANDフラッシュ生産能力の78%をコントロールしている。このため、入手の可否や価格設定、在庫水準についてとてつもなく大きな影響力を持っている。

 iSuppli社によれば、DRAMとNANDフラッシュの次の市況評価は、近い将来DRAMサプライヤが決断するDRAMとNANDフラッシュの生産比率で大きく左右されることになる。
(Electronics News)