2004年11月号
いたる所で進むCu配線の改善
Laura Peters
 例年、国際配線技術会議(IITC)では、low-k層間絶縁膜が話題をさらう。あるいは、エアギャップ技術や配線モデリング技術に参加者は刺激を受けて帰る。しかし今年は、Cuプロセスの改善方法の発表がひときわ目立った。その中の一つに、配線構造のCoWPによる金属キャップ膜があった。CoWPは選択めっきが可能で、低いCOO(Cost of Ownership)が魅力だ(P.59に関連記事)。

 Cu配線では散乱効果、ビア抵抗の増大、シード層の薄膜化、さらにオーム性コンタクト抵抗の増加に伴う端子効果などの問題が発生している。仏CEA-LETIのPaul Haumesser氏と蘭Philips Semiconductor社Crolles工場および伊仏合弁ST Microelectronics社の研究者達は、そのような問題に対し、中程度の酸性の薬液を用いたり、平坦なCu膜を成膜する電解めっき技術、PVD(Physical Vapor Deposition)に代わるバリア膜形成技術として不均一な電気化学反応を用いた方法、自己整合で形成できる無電解Cuキャップ膜などを提案する。その他に、Cuシードリペア技術や電解グラフティング技術の検討も進めている模様だ。端子効果は、中程度の酸性で高濃度のCuめっき液と専用のめっき槽を組み合わせ解決できる。厚さ40nmのCuシード層をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)で成膜し、米Semitool社のマルチアノード電極を採用しためっき槽「CFD」と米Rohm & Haas Electronic Materialsのめっき液「ST3100」を組み合わせて使用した。
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 平坦なCu成長のために、米NuTool社のECMD(Electrochemical Mechanical Deposition)を使った。バリア膜の形成はPVDからALD(Atomic Layer Deposition)に置き換え、Ultra Low-k層間絶縁膜(ULK膜、k=2.4)上に20nm厚のCoWP膜をめっきで形成した。CoWP膜には、高選択成長を促進するためPd触媒が用いられている。PdはCu抵抗を増大させてしまうため、バリア膜はPdフリーのCoWP/BやNiMoP/Bに置き換えられるだろう。

 PVDが適用できなくなった時には、Cuシード層にアルカリ性のめっき液による無電解ECD(Electrochemical Deposition)を使い、続いて電解めっきで厚く形成する。このプロセスでは、底部のボイドがPVDプロセスより少ないという結果が出ている。
 薄いバリアの成膜方法として、電気グラフティングが検討されている。電気グラフティングは、電極表面で有機種(モノマーが高分子化されたもの)を電気分解する方法だ。下地の凹凸に忠実に維持し、コンフォーマルで密着性の高い有機膜の成長ができる。
 NEC も、PdフリーのCoWPの研究を進めている。アルカリ金属フリーの無電解めっきは先端プロセスの汚染制御要求に対応できることが分った。洗浄後にSIMS(表1)とICP-MS(表2)でCoWP膜とウェーハ裏面のKとNaの除去量を測定し、生産で使えるレベルと確認した。その他の半導体メーカー数社も、金属キャップ膜を検討している理由は、Cuと絶縁膜界面のストレス・マイグレーションとエレクトロ・マイグレーション(EM)だ。エッチストッパ膜として使うため、絶縁膜キャップが依然必要と強く主張するメーカーが多い。台湾TSMC社は、Cuキャップ層にCoWPとALD TaNxを使用した実験結果を発表した。Hsien-Ming Lee氏は、ALD TaNxキャップ層により、EM寿命を3倍以上に、キャップ膜の膜厚を3nmと薄くすることによりRC遅延を5%改善した。

 米IBM社、ソニー、米AMD社、独Infineon Technologies社および米Applied Materials(AMAT)社は、従来のCMPより低圧(<0.3 psi)のECMP(Electrochemical Mechanical Polishing)法を利用した新しいCu平坦化プロセスを発表した。ULK膜のCMPプロセスで発生するディッシングや腐食の問題に対処する。ECMPでは、印加電圧に比例してCuはイオン化する。

 ECMPでは、CMPプロセスよりもディッシングのない平坦な形状が得られた。AMATは、従来のCu-CMPに比べ30%のコスト減が可能と見込む。

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