ArF(193nm)リソグラフィへの移行に伴って、110nmプロセスから65nmプロセスへの移行がほぼ完了しつつある。ArFリソグラフィにおける新しいレジスト、マスク、露光装置の組み合わせは、新しい欠陥を発生させる可能性があり、この変化は大きく歩留まりに影響を与える。適切な欠陥検出プロセスがArFリソグラフィへの移行には不可欠だ。
特に、半導体メーカーは、先端プロセスでは高解像な明視野検査装置に頼るところが大きくなり、高感度と高スループットのトレードオフの問題に直面している。高感度を求めるとスループットは低下し、検査装置の所有コストを著しく増加させてしまう。求められているのは、検査コストを下げながらも高いスループットを確保し、全ての欠陥を検出できる性能となる。
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| 図1 サブ波長リソグラフィ(左)と光学ウェーハ検査(右)の傾向 |
ここ数年にわたって、イスラエルNegevtech社は独Infineon Technologies社のユニットプロセス開発グループ(UPD)と共同で、明視野、暗視野、どちらの光源からでも明視野画像化を生み出す、新しい検査方式の開発に取り組んでいる。Infineonは、現行のプロセス技術から90nmノードプロセスのレジスト現像後のウェーハ検査で、この新手法の能力を評価している。この検証では歩留まりに影響する欠陥の検出率と検査スピードに注目した。
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ArFリソグラフィの採用に伴い、従来とは異なるレジスト、マスク、そして露光装置が使用される。これらは今まで見たことのない欠陥を発生させる可能性があり、欠陥検査装置はこれらの新しい要求に応えなければならない。 |
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レジストテストウェーハの採用
現在のレジスト現像後検査(After-Development Inspection:ADI)工程では、一般的にレジストテスト手法が用いられている。レジストテストが導入されたころは、ADIの検査対象を製品ウェーハからテストウェーハ(シンプルで最低限の構造を持ったウェーハ上または酸化膜上のレジスト)に転換し、高度な明視野検査システムの採用を拡大していった(図1)。レジストテストウェーハのシンプルな構造は検出感度を高めるが、線幅が減少するにつれて従来の検査装置はスループットを低下させてしまい、検査コストを増加させている。
レジストテストウェーハは欠陥のコントラストが大きいため、歩留まり低下の要因とならない欠陥を減らし、結果的に欠陥検出率を上昇させる。酸化膜上にレジストが塗られたウェーハでは、検査光源の波長に合わせて酸化膜層の厚さを最適化し設計することもできる。
Infineonはレジストテストウェーハを2001年に使用し始めた。このテストウェーハの目標は、170nmプロセスで、単層レジストのブリッジ欠陥をより有効に監視することであった。レジストテストウェーハはInfineonのDRAMウェーハに合うように設計され、明視野検査の反射率を増加するように最適化された。この検査技術を使ってターゲットにしている欠陥を検出できることがわかった。
その後も、Infineonのエンジニアはレジストテストウェーハの使用を140nmノードの類似した目的で使用し、110nmノードでArFリソグラフィの導入の際にも適用した。現在、レジストテストウェーハは、Infineonの200/300o工場で、110nmプロセスのモニタリングと、90nmプロセスのリソグラフィ工程開発用に使用されている。
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しかし、ArFリソグラフィと90nmプロセスは、レジストテストウェーハ検査方法をさらに複雑なものにしてしまった。例えば、低トポグラフィと不十分なコントラストを伴った100nm以下の極小ブリッジ欠陥を、従来検査方法と同等のスループットで行わなければならない。欠陥検出感度を向上させながら、イメージコントラストを増加できる高解像、高スループットの明視野検査技術が求められている。
検査波長以下の欠陥を検出する
光学検査技術が歩んでいる道程は、基本的にリソグラフィ技術そのものが過去に達成してきたものに類似している。現在、超解像、光近接効果補正、位相シフトマスクなど様々な技術が、露光装置の最小パターン寸法を向上させるために適用されている。露光波長より小さなパターンを形成する「サブ波長リソグラフィ」が、1997年ごろからKrF(248nm)リソグラフィで180nmプロセスに適用されている。例えば193nmのリソグラフィが65nmの線幅加工に使われるように、ウェーハの線幅がそれを露光する光源波長よりもずっと微細であることは周知の事実となっている。
検査技術の光波長は、常にリソグラフィ技術に遅れをとる傾向がある。加えて、光学検査装置で用いられる光学系の開口数(NA)は露光装置で設定されるものよりも小さい。しかし、線幅よりも微細な欠陥、できれば線幅の半分ほどの欠陥を検出できる検査装置がますます必要になってきている。サブ波長リソグラフィで達成されたものと同じように、最大の欠陥検出感度に達するために検知感度を高める技術を駆使する必要があった。このようにしてサブ波長検査技術へと辿り着く。サブ波長検査技術が最初に適用された例として、レジストテストウェーハの使用があった。レジストテストウェーハへの適用は、欠陥と背景のコントラストを明確にすることで検査波長よりも微細な欠陥を検知することを可能にした。
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| 図2.様々な種類の100nm以下のレジストテストウェーハに発生した欠陥と、それらの歩留まりに対する影響度(出典:独Infineon Technlogies社) |
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検査光源の波長より小さな欠陥を検出する
検査装置内に搭載されているサブ波長検査機能の更なる改良が必要だ。TDI(Time Delay Integration)CCDにより光画像化で明視野検査装置は、UV光源と高NAを適用できるまで発展した。しかし、これらのシステムは、十分に大きなS/N比を確保できないため性能が律則されており、明視野検査装置の光源出力が不足しているため非常に高度なTDI(96ステージ以下)が使われている。このため、従来の明視野検査装置に欠陥コントラスト強調技術を取り入れるのは難しい。近年、この高解像度・明視野でコントラストを上げるために、エッジコントラスト光源による改善方法が加わった。 一般的に、レーザースキャン暗視野検査装置の場合、欠陥が黒い背景上に明るい点となって現れ、鮮明な欠陥コントラストが実現されている。しかし、これらの暗視野システムは非画像化装置であり、基本的に解像度の低いレーザースポットを使用したダイ比較検査に過ぎない。この暗視野検査装置では、比較的大きなレーザースポットとピクセルサイズで、小さな欠陥を検知することができる。レーザースキャン暗視野技術はTDI CCD明視野技術よりも低いピクセル率である暗視野技術は、CMPや成膜工程の検査工程でコストを低く抑えながら、高いスループットで達成できる。
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| 図3. レジストテストウェーハでのInfineonの欠陥パレート図、140nmプロセス(右)と110nmプロセス(左) |
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暗視野検査装置は100nm以下の欠陥検査で多用されている。しかし、さらに小さな欠陥を検出するためには検査装置は解像度を増強し、より小さなレーザースポットを使用しなければならない。その上、小さな欠陥を検出するには、さらに短波長の強力なレーザーを取り入れなければならない。 全体的に見て、暗視野検査装置は130nm以降の検査で必要とされる解像度において明視野検査装置よりも遅れをとっている。検査装置に求められているものは、基本的に高解像度かつ高コントラストであり、高スループットを維持し、COOが低いことに変わりはない。
Infineonによる評価
Infineonにおいて、Negevtechの高解像度ウェーハ検査装置が評価されている。プロセスエンジニアは、特に単層レジストブリッジ欠陥の検出とモニターを行っている。製品ウェーハでブリッジ欠陥が発生すると、歩留まりに最も重大な影響が及ぼされる(図2)。この検査作業は、170nmプロセスから始まり、140nm、110nmプロセスにも行われている。適切なプロセス調整が可能になり、欠陥がその後のエッチングプロセスまで広がるのを回避できるため、単層レジストのブリッジ欠陥がADIで検出できることは非常に有効だ。ブリッジ欠陥は、レジストの劣化、レジストポイズニングが原因で発生する。
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140nmプロセスの欠陥検出結果
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高倍率 |
中倍率 |
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スループット(wph)
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4.4 |
15.4 |
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ブリッジ欠陥の検出率(%)
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89 |
78 |
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突起欠陥の検出率(%)
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100 |
43 |
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110nmプロセスの欠陥検出結果
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高倍率 |
中倍率 |
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スループット(wph)
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4.7 |
16.0 |
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ブリッジ欠陥の検出率(%)
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89 |
74 |
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突起欠陥の検出率(%)
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100 |
40 |
検査方法のレシピセットアップでは、倍率、照度、明視野または暗視野光源の選択が可能だ。これらのパラメータは、レジストテストウェーハや他のアプリケーションで欠陥コントラストを最適化するために選択が可能となっている。この評価テストでは、検査は高倍率から中倍率で行われている。実際の倍率値は企業独自で管理される。 Infineonのテスト結果により、次の2つのことが明らかになった。・140nmと110nmプロセスで、同じ画像化条件の高解像・明視野画像化によりすべての欠陥種を検出することができた(図3)。ここでの結論は、選択した画像化条件は安定しており、プロセスや多層化構造の違いにも影響を受けなかった。・中倍率、高倍率の両方において、特殊なブリッジ欠陥の捕獲率は70%以上であった。このような欠陥検出で中倍率が高スループットを確保でき有効であったと結論付けることができる。これは、スループットを10倍以上に上げることとなる。
突起欠陥の捕獲率は中倍率では40%であった。プロセスを最適化する場合や新しいレジストを評価する場合にこの捕獲率は不十分だが、中倍率をインラインで設置し露光装置の状態をモニタするには有効であることを示している。Infineonでの一連の評価から高解像度・明視野検査技術が、ADI検査にかなりの利点があることがわかった。Christophe Fouquetは、Negevtechでマーケティング部門を指揮している。Negavtech以前には、米Applied Materials社PDC部門にてアプリケーション開発と自動欠陥検出分類技術分野のマネージャを務めた。その後、レビューSEM装置のグローバル・プロダクトマーケティングのマネージャを歴任した。仏Grandes Ecolesで物理の学位を取得し、英Imperial大学で物理学の学位を修得している。
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