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2005年4月号
トレンチ-ファーストBEOLで歩留まりを向上する
Laura Peters
* * * *
 半導体製造ラインの配線工程(BEOL:Back-End-of-Line)では、Low-k絶縁膜からさらに低い比誘電率(k)のUltra Low-k絶縁膜への移行や、配線寸法100nm以下のCu抵抗の非線形性の増加など重要な変化が起きている。伊仏合弁のSTMicroelectronics社、米Freescale Semiconductor社、蘭Philips Semiconductors社のジョイントベンチャーが進行している仏Crollesでは、ハードマスクによるトレンチ-ファースト(TFHM:Trench First with Hard Mask)のデュアルダマシン法による完全統合型の300mm/65nm BEOLプロセスを完成させた。Low-k膜との相性が良く、またリソグラフィのプロセスウインドウも改善できるため、この手法で行うと製造を早期に立ち上げることができる。同グループは、90nmから65nmに移行で製造の立ち上げ期間を18ヵ月から7ヵ月に短縮できた。Philips SemiconductorsとSTMicroelectronics、仏CEA LETIは、PVD(Physical Vapor Depositon)で成膜したTaN膜よりALD(Atomic Layer Deposition)で成膜したTaNバリア膜の方が、100nm以下で良好なRC遅延特性と信頼性が得られたという。

表 65nmBEOL設計ルールの概要
レイヤ名 金属/ビアのレベル 最小ピッチ:L/S(nm) 厚さ(Å) アスペクト比
M1 1 180:90/90 1800 2.0
Mx 2,3,4,5 200:100/100 2200 2.2
Vx 1,2,3,4 200:100/100 1600 3.8
My 6,7,8 400:200/200 5000 2.5
Vy 5,6,7 400:200/200 3000 4.0
Mz 9,10 800:400/400 9000 2.25
Vz 8,9 700:360/340 6000 4.17

 粒界や多孔質側壁での電子散乱による影響が大きくなるために起こるCu抵抗の非線形増加により、線幅100nm未満でCu抵抗2.2μΩ-cm未満を達成することがますます難しくなってきている。この抵抗の増加は、Low-k絶縁膜の導入による容量面での利点を完全に無効にしてしまう可能性がある。このため、最良なRC特性を得るために、適切な回路モデルを使ってトレンチとビアの比を最適化する必要がある()。TFHM手法では、OSG(Organic Silicate Glass、k=3.0)または多孔質OSG(k=2.5)の層間絶縁膜を使用し、SiO2やメタルハードマスクで覆い、有機BARC(Bottom Antireflective Coating)、ArFレジストで被覆した。

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 Low-k膜がSiO2で覆われているため、Low-k膜はレジストやBARCに触れることがなく、ビア-ファースト法で発生するレジスト汚染の問題を回避できる。この手法により、広範囲の表面処理やエッチング処理、剥離処理を施すことができる。また、標準的な酸化プラズマでリソグラフィのリワークも可能になる。有効な実効比誘電率(keff)は、OSGで3.3、多孔質OSGで2.7だった。90nmから65nmへの移行は容易だ。
 CVD(Chemical Vapor Deposition)で成膜したTiNハードマスクで多孔質SiOC(k=2.4)をエッチングし、Cuのシングルダマシン構造の形成から電子散乱効果についても明らかになっている。120nm以上のラインでパターンのばらつきが大きいため、パターン形成にはバイナリマスクが使われる。露光後、パターンがTiNハードマスクに転写される。次に、TiN CVDスペーサが絶縁保護のために蒸着され、TiNスペーサを残して一番上の層をエッチングする。その後多孔質OSGトレンチのエッチングを行う。エッチングと剥離ステップは空孔封止のために最適化されている。引き続いて、3.5nm ALD TaNバリア膜または15nm PVD TaNバリア膜が蒸着され、80nm Cuシード、電気メッキ、アニール、CMPと処理が続く。
 ALDで成膜したロットは、PVDで成膜したロットよりも、バリア膜の膜厚が薄かったためにライン抵抗が約5%小さかった。しかし、断面観察を行ったところCu断面での差は予想以上に小さかった。それはALDで処理されたロットでは過剰に研磨されていたため、Cu容量が小さくなっていたことがTEM(Transmission Electron Microscope)分析で確認できた。
 ALDは、EMやリーク電流、絶縁膜破壊、バイアス温度ストレス試験などのすべての試験で良好な結果を示した。これは、ALDが100nm以下のラインとビアでライン抵抗を低く抑える重要な役目を果たしていることを示している。


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