独Infineon Technologies社の科学者らは、finFETトランジスタで世界最小のフラッシュメモリーを作製した。ゲート寸法はわずか20nmとなり、2〜3年中にこのメモリーセルで32Gbの不揮発性メモリーチップが製造されるようになる。これは現在市販されているフラッシュメモリーの8倍の容量に当たる。
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Infineonはゲート長20nmのfinFETベースの不揮発性フラッシュメモリを発表した。フィンの幅はわずか8.5nmしかない。 |
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フラッシュメモリーは、デジタルカメラやポータブルビデオカメラ、USBスティック向けなどの大容量保存メディアとして普及してきた。現在手に入れられる最先端のフラッシュメモリーなら、一つのメモリーセル当たりに1〜2bitの情報を永久に保存することができる。
ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductor)によれば、データストレージ向けの高密度フラッシュメモリーは、最小サイズ(F)が50nmよりも小さくなると言う。これを達成するため、Infineonの研究者らはfinFETと呼ばれる三次元構造のトランジスタデバイスを使用した。その構造がサメのフィン(fin)のように上に立っているためそのように呼ばれている(図)。ゲート絶縁膜周辺にゲート電極を包み込むような構造になっているため、キャリア流量やリーク電流をこれまで以上に制御することが可能である。Infineonのようにメモリーとして使用する場合、電荷を蓄積させる層にONO膜が採用される。チャネル領域の静電制御性が改善できるため、微細化への対応もしやすいと2004年12月に開催されたIEDM(International Electron Device Meeting)で報告されている。
Infineonは、finFET構造にすると電気特性が著しく改善され、かつ寿命が非常に長くなると言う。例えば、現在市販されている最先端メモリーでは1bitの情報を記憶するには1000個程度の電子が必要である。しかし、Infineonが開発したメモリーセルでは1bitの情報を記憶するのにわずか100個の電子しか使わない。もう100個の電子があれば同一トランジスタ内にもう1bit記憶することができる。
窒化膜中の情報を伝達する電子は、Siのフィンとゲート電極の間で電気的に絶縁されて存在している。わずか8nmの厚さであるが、フィン部分はゲート長20nmのゲート電極で制御されている。最短のゲートに対してもワード線やビット線の間隔を2〜3Fに保つためには、ONO膜だけでなく非常に薄いTEOSスペーサー(12nm)を適用する必要がある。必要最低限の膜厚で十分なしきい値電圧とデータ保持能力を確保することができる。
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Infineonの研究者らはIEDMで、8.5nm未満の非常に薄いフィンを用いれば、少なくともONOメモリーセルを20nmのゲート長まで縮小することができると発表している。Siフィンは、Eltan OIウェーハから電子ビームリソグラフィで描画され、TEOSハードマスク、レジストトリミング、ドライエッチングなどの工程を経て形成される。犠牲酸化後にN2/O2雰囲気中でRTA(Rapid Thermal Annealing)を行うとトンネル酸化膜が3.2nm位まで成長する。電荷を蓄積させるSiN膜はLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)で成膜され、その膜厚はおよそ6.5nmとなる。その後、5.5nm程度のブロック酸化膜を熱成長させる。最後に、PをドープしたPoly-SiゲートとTEOSハードマスクを堆積させ、電子ビームリソグラフィとドライエッチングでゲートを形成する。TEOSスペーサー(12nm)を堆積した後に、ソース/ドレイン領域にAsを5×1015/cm2で注入してRTP(Rapid Thermal Process)アニールを行う。
finFETだけでなくOmega FETや米Intel社のトライゲートのような他の三次元構造を持つトランジスタの有効性については、数年前から認識されていた。2002年のIEDMで、米IBM社や米AMD社、台湾TSMC社が三次元構造のトランジスタの構造の開発について報告している。CMOSデバイスが同一平面で形成されることから考えれば、finFETのような三次元構造はかなり革新的なものである。非常に小さな寸法で高くかつ狭いフィンの形成にまだ困難な課題を残しているものの、半導体メーカーは標準的なCMOSデバイスからわずかな変更でfinFETのようなデバイスを製造する方法を開発している。
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