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65nmプロセス量産に向けた準備が着々と整っている。65nmノードに対応したマスクは、光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)が多用され、修正が必要な欠陥サイズが非常に微小で複雑な形状になる。さらにArFリソグラフィの導入により、修正箇所の光学特性も非常に厳しく、ガラスへのダメージを数ナノの単位で減らさなければならなくなっている。
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SIR7000FIBは新しいプラットフォームを採用する |
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セイコーインスツルの子会社エスアイアイ・ナノテクノロジー(SIIナノテク)は、65nmノード対応のマスク欠陥修正装置「SIR7000FIB」を4月に発売する。SIR7000FIBは、半導体先端テクノロジーズ(Selete)、大日本印刷、凸版印刷、HOYAと共同研究をした成果をもとに開発された。SIR7000FIBは、集束イオンビーム(FIB)を用いてマスクの微細な欠陥の修正が可能。65nmノード世代で必要な60nm以下の微小な黒欠陥や白欠陥の両方を、10nm以下の精度で修正することができ、ガラスへのダメージを低減している。90nmノード対応の従来機「SIR5000」を継承しつつ、65nmノードの分解能、精度、低ダメージ化を実現した。修正精度は、従来の15nm(3σ)から、10nm(3σ)へと向上している。
微小な欠陥に対応するために新型イオンビーム光学系を採用した。イオンビーム照射位置安定性が向上したことに加え、ビームを細く絞ることによって、微小な欠陥形状も細部にわたって観察することができ、欠陥形状を忠実に捕らえ、修正することができるようになった。ビーム径は従来比半分、半値幅で30nmから18nmへと向上している。ビーム径を絞ることでイメージ解像度が向上し忠実なリペアが可能になったとしている。また、チャンバユニットに搭載している温調システムを改良し、温度変化を低減することによって温度依存によるドリフトを低減した。OPCへの対応としては、CADリンケージ機能を開発した。レイアウト設計後のマスク描画装置が使用する図形データから欠陥箇所の正常なパターンを抽出し、欠陥箇所と重ね合わせることによって、正常なパターンにできるだけ近い形状で修正することが可能となった。
SIIナノテクは、1985年にFIBによるマスク欠陥修正装置の販売を開始した。以後、国内市場で高いシェアを堅持している。90nmノード対応従来機に対して、65nmノード対応の装置は「90nm対応装置に細かな改善が施されたもの。65nmへの対応では大きな変更点はなく、従来の延長線上の技術で対応できた」(SIIナノテク 取締役 技術統括部長 八坂行人氏)と説明しているが、リペア後のマスクにはリペア前と同一の透過率が要求され、65nmではその要求値はさらに厳しくなっている。それは、いわゆる改善レベルのものではなく、ガスアシストエッチングを高精度な終点モニターなどの制御技術を駆使し、「完璧」な状態に戻すことが求められているようだ。
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そもそも、リペア箇所の透過率劣化の不安はFIBの使用に起因するところが大きい。FIBは微細加工能力では優れており、エッチングと成膜の両方に高精度に対応できる。しかし、FIBはGa液体金属イオン源を使用するためGaステインの発生が懸念されている。一方、電子ビーム(EB)は基板へのチャージアップの恐れがあり低電圧化が必須とされる。「将来的にはEBによるリペア装置への期待が高い」(八坂氏)ため、SIIナノテクでは年内にもEBによるマスク欠陥修正装置の製品化を目指しているという。しかし、同社の長年培ったFIB技術への信頼性の高さ、そしてスループットの速さは同社が胸を張る中核技術だ。65nmノード第2世代ではリソグラフィ工程にArF液浸技術が導入される。マスク側が液浸によりどのような影響を受けるのかは不透明だが、マスク欠陥修正装置は、「焦点深度が深く、複雑な位相シフトマスクを使う必要がないならば修正装置に大きな影響はない、時間的な余裕が生まれるかもしれない」。SIIナノテクのマスク欠陥修正装置は、業界に先駆けて早々と65nmノードへの対応を済ませた。
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