低コストのため、パッケージ基板に有機材料を使い続けられるように、多くのことが成されてきた。しかし、配線密度が高くなり、Low-k絶縁膜が多く使われるようになると、パッケージ基版の有機材料に替わる新たな材料が必要になっている。米Geogia Institute of Technologyと米Starfire Systems社の研究者が、コストを抑えながら信頼性と熱機械的な要求を満たすことができるC-SiC化合物について発表した。
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有機基板の熱膨張係数(CTE : Coefficient of Thermal Expansion)は約18ppm/℃であるのに対し、SiのCTEは約3ppm/℃である。チップと基板の間で起こるストレスを緩和させるためにアンダーフィルが使用されるが、アンダーフィルは、チップやバンプ、パッケージ基板に大きな剥離ストレスを与える。Low-k絶縁膜を使用するチップでは、この剥離ストレスが問題になってくる。一般的に、Low-k絶縁膜は酸化物よりも柔らかく、密着特性が弱い。層の剥離が起こしやすくなる。Siと同じ熱膨張係数を持つ基板を使えば、アンダーフィルの有無と関係なく、この問題は解決する。
液体状のポリカルボシランのポリマー前駆体に浸された繊維状の予備成形物にポリマーを浸透せて熱分解処理を行う。(PIP:Polymer Infiltration and Pyrolysis)処理を使用する。ポリセルボシランの前駆対は850℃で熱分解するとセラミックになる。この処理により、C-SiC複合材料が数セント/cm2程度の低価格で製造できるはずである。
しかし、所望する空隙率によってコストが変わってくる。Georgia Techの研究によれば基板の空隙率を5%に下げるには浸透-熱分解の工程を数回繰り返す必要がある。
この材料のCTEは、SiのCTEに近い範囲で可変だと言う。ヤング率はAlN(窒化アルミニウム)のヤング率と同等で、熱伝導率は20〜200W/m・Kの範囲で可変である。
2mm厚のC-SiCボード上でフリップチップの信頼性の試験を行なった。この試験には3種類の金属絶縁膜配線が使用された。Cu薄板に樹脂をコーティングしてたもの。BCB上にTi/Cu/Ti配線したもの。PPE上にTi/Cu/Ti配線したものの3種である。直径50μm程度の細かいBCBへの積層処理で起こるマイクロバイアスについてもテストした。熱衝撃テストでは、-55℃〜125℃の数回で行われた。厚さ10μm未満のBCB積層ボードと約30μm厚のPPE積層ボードで、1000サイクル以上テストしても絶縁膜のクラックが最小限に留まった。厚いエポキシ樹脂絶縁膜のボードは、500サイクル以下で駄目になった。
ボードのCTEの最適な値は約2ppm/℃と分かった。これはSiのCTEよりも若干小さい値になる。これが強度とCTEのトレードオフである。強度を十分なレベルに上げるには、炭素繊維をさらに入れる必要があるが、するとSiよりもCTEが小さくなる。これによりCTEがSi以下に低下した。