空間的な制約を考慮していなかったため、今回使用したイオン注入装置は、もともと最適な気圧差になるように設計されていない場所に設置されていた。5個の独立した空気循環装置(RAH:Recirculation Air Handler)ユニットは、図4に示されているように、イオン注入機#1を取りまく作業ベイ、サービスチェース、メイン通路を介して空気を供給する。図に示されてはいないが、各RAHに対する循環用のダクトはサービスチェース内に置かれている。加えて、空気循環用のベントはチェースとメイン通路を分離する壁に置かれていた。この特殊な配置にも拘わらず、イオン注入装置のパーティクル挙動は長期間にわたり規定値に収まり、エッジパターンの特徴は2年間稼動後に初めて観測された。
パーティクル問題の根本原因が特定されたため、次に相対的な気圧の測定を行った(表)。最初の観察と一致して、ミニエンバイロメントは作業ベイに対し負圧になっていることが分った。更に問題なのは、作業ベイが、往来の激しいメイン通路に対し、負圧になっていたことである。そのためウェーハを汚染する前に、パーティクルはロードポッドの底部を通って、通路から作業ベイへあるいはミニエンバイロメントに移動していたのだ。通路に対するベイの圧力差の改善は、リターンエアの通気を一部阻害し通路のRAHユニットの出力を減らしていたメンテナンス用品(机、工具箱、部品など)を取り除くことから行われた。ミニエンバイロメントから作業ベイへの分圧を変更するには、同時にさまざまな改善活動が必要になった。ミニエンバイロメント内の4つのファンのうち3つは欠陥があり取り替えが必要だった。さらに、このベイ用の共通の強制換気システムに接続されたULPAフィルタを通るのに必要な75ft/分の表面速度を維持するため、RAHユニット#63の出力を下げる一方、RAHユニット#64の出力を上げた。調整後の圧力を、表に示す。重要なことは、二度とエッジパターンは観測されず、またこの注入装置に対する基準ラインが減少傾向を示し、図5に示したように、ほぼ3ヶ月後にはついに許容レベルに達したことである。不良率の20%削減を実現した。
Ramon S. Santiestebanは、Agere Systemsテクニカルスタッフのシニアメンバーで、イオン注入工程およびRTPのプロセスエンジニア。テキサス大学El Paso校で修士を取得している。
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参考文献
1. T. Beatty, et al., “Particle Reduction Strategies for High Current
High Volume Manufacturing,” Proc. of the 14th International Ion Implant
Tech. Conf., September 2002, p. 319.
2. Richard V. Pavlotsky, “15 Factors that Influence Clean Room Design
and Construction Costs,” CleanRooms, July 2004, p. 22.