Semiconductor International 日本版(以下SIJ) :ASMLは後発ながら成長を続けている。
長谷真司 :ASMLは1984年の設立以来急峻に成長している。設立当時は、露光装置市場で多くのメーカーがしのぎを削っていた。それが現在では3社のみとなっている。装置開発には大きな資金が必要となっているのも確かだ。業界内では2社しか生き残れないのではないかという声もある。
SIJ :ASMLの近況は?
長谷 :2004年に市場シェアを伸ばし、トップの座を獲得した。日本を除くほとんどの大手半導体メーカーに納入している。2004年度は2000年のピーク時に近い売上を計上した。2001年から2002年、2003年と製造装置メーカーには厳しい時期にあった。今年は、キャッシュフローも含め財務体質の強化に力を入れていく。
SIJ :製品ではArF露光装置の比率が高まっている。
長谷 :ArF露光装置の導入も進んでいるが、量産対応の高スループットのKrF露光装置の採用も進んでいる。2000年に開発した当社の300mmウェーハ対応プラットフォーム「TWINSCAN」はフットプリントが大きかったため、小型化した新しい「XT」プラットフォームを製品化した。このプラットフォームに急速に移行している。TWINSCAN は現在までに200台近い出荷実績を持っている。
SIJ :液浸露光装置の開発を積極化している。
長谷 :2004年末にアジア市場、米国市場および欧州市場に液浸露光装置を出荷した。研究機関だけではなく、台湾TSMC社を含めて半導体メーカーに3台出荷し、受注残が8台ある。液浸技術では2003年の実験から約1年で実際のデバイスを液浸露光で製造するところまでたどり着いた。当社の露光装置で、米Albany Nanotechにおいて実デバイスの製造が検証されている。当社は常に量産を意識して装置を開発している。
SIJ :液浸技術の開発では露光装置メーカー各社がしのぎを削る。
長谷 :ASMLは露光装置メーカーとして、微細化に貢献していく。液浸技術のリーダーとして今後も最先端を走っていく意気込みだ。しかし、液浸の量産はまだ先の話。ArF露光装置では開口数(NA)0.93の「XT:1400」の出荷を始める予定だ。
SIJ :液浸技術による量産は可能か?
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長谷 : ASMLは量産に対応する装置を常に考えている。液浸技術自体は昔からある技術であり、当社は開発を始めたのも後発だ。しかし、オランダに設置された実際の液浸露光装置で2003年10月からデモを開始し、50社以上がウェーハ1万枚以上の露光を行っている。当社はNA0.93〜0.85の世代の露光装置から液浸の開発を行っている。2003年当時には、だれも液浸が本当にできるかどうか分からなかった。当社は当時F2 の開発も同時に行っていた。一方でユーザーに検証する場を提供する必要もあった。液浸の最大のメリットは解像力だが、直近のメリットは焦点深度が倍になることだった。液浸はまだまだ先の話だが、新しい技術、プロセスが出てきた時には検証して各ユーザーにあったプロセスを作り上げる必要がある。そういう未知の世界に入っていくために当社は装置を供給し協力していく。液浸技術が解像度で大きなメリットを出すのはNA1.0以上からだが、他社の計画に従えば今年の末まで装置を納入できないことになる。待っていればいいのかという議論が残る。NA1.0以上のプロセスは2006年から2007年以降の話だが、装置が突然出てきてもすぐに量産に使えるわけではない。