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2005年5月号
Emerging Technologies
NISTが原子連鎖のエネルギー状態を解明
Peter Singer
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 最新のSTM(Scanning Tunneling Microscope)では、一つの原子または原子連鎖が観察できるようになったため、米National Institute of Standards and Technology(NIST)の研究者らは、自己結合させた原子連鎖の終端にある原子が、連鎖に‘連結’しているというより、むしろ低いエネルギー準位で‘いかり’のような振る舞いをしていると発表した。原子連鎖の終端の状態が今回初めて解明されたことになる。これにより、科学者らは、ワイヤーのようなナノ構造を原子レベルで設計できるようになるだろう。
 雑誌Scienceに掲載されているNISTの実験では、Si表面に付けたAuの小さな連鎖の電気的な特性を測定し比較を行っている。
図 3連鎖の原子のエネルギー準位(縦軸)と位置(横軸)。計算結果を上図に、測定結果を下図に示す。赤色の領域は電子が多く存在しているところで、青色の領域は電子がほとんど存在しないところ。計算結果と測定結果の両方とも、終端原子のエネルギー準位がバルク原子のエネルギー準位よりも低い。

連鎖の終端にある原子の電子エネルギー準位は、バルク中の原子の電子エネルギー準位よりも低いということが判明した。終端では構造的または化学的、電子的なバランスが崩れるためエネルギーが上がるが、終端原子の電子が低いエネルギーに再分配されるためだ。

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原子連鎖の電子構造は、バルク結晶の電子構造とほぼ同じだ。つまり、表層原子とバルク原子は異なる特性を持っている。
「この30年間、結晶の表面状態の研究が世界中でさかんに行われてきた」とScienceに寄稿したJason Crain氏は語っている。「我々の研究で初めて一つの原始連鎖の終端の局所的な状態を解明することができた。終端状態の存在が明らかになったことが、一次元ナノ構造の今後の研究に影響を与えるであろう」。
 NISTの実験は、STMとSi基板に自己結合させたAu原子を使って行われた。単原子の連鎖の研究に使われていた金属とは異なり、Si表面が絶縁物として振舞っているため、科学者らはこれまでよりも連鎖をよく分離することができた。またこれらの原子の電子エネルギー準位の測定も改善することができた。

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