図1 Georgia Institute of Technologyの流体配線冷却システム。マイクロ流体チャンネル(右)とSi貫通ホール(論文番号8.4)
半導体先端テクノロジーズ(Selete)は、Low-k膜の機械的強度を増すUV光によるキュア技術を開発した(論文番号11.2)。Low-k膜には多孔質SiCOH(k<2.4)を使用し65nmノードの2層Cu配線を形成し検証した。45nmへの拡張も可能としている。UVキュアによりLow-k膜は少し縮んだことが確認されたが、硬度は大幅に向上しリーク電流も低減できたようだ。Low-k膜の界面処理にはプラズマキュアやアニールなどのいくつかの方法が提案されているが、UVキュアは簡単で膜へのダメージがないとしている。
Low-k膜の脆弱性が懸念されるのはワイヤボンディング工程だけではない。前工程では特にCMP(Chemical Mechanical Planarization)工程がCu配線構造にダメージを与える可能性が大きい。SeleteはカーボンのCMPパッドを適用した新しい電解CMP(e-CMP:Electro CMP)技術を開発した。従来のe-CMP技術ではプラテン下にカソード電極を設置していたが、Seleteはパッド表面の柔らかいカーボン層をアノード電極にし、中間層を設けてカソード電極シートをその下に設置した。この3層構造の中に100以上の電子セルがあり、従来方法ではウェーハにスクラッチ傷を発生させていたが、この方式ではウェーハに触れることなくCu膜を除去できる(論文番号10.1)。
配線の信頼性および性能は、動作温度に大きく影響される。米Georgia Institute of Technologyは、CMOSプロセスと互換性を持つチップに搭載可能な配線冷却システムを開発した(図1)。ダイシング前の配線構造形成後にウェーハ裏面をエッチングしトレンチを形成、犠牲ポリマー膜が充填され多孔質材料が塗布される。犠牲ポリマー膜はウェーハが加熱されることで除去されマイクロチャンネルを形成する。オーバーコートが塗布されシールおよび強度が補強される。貫通ホールはウェーハ表面に形成される感光性ポリマーの液体入出口と接続される。同研究チームは2つのアレイデザインを調査し、熱除去性能を比較した。2気圧以下の流れで100W/cm2の熱除去が可能としている(論文番号8.4)。65nmプロセスについては、その他にも、米IBMによるCoWPキャップ膜に関する発表(論文番号6.5)や台湾TSMCの超臨界CO2洗浄技術に関する発表(論文番号7.17)が注目される。