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2005年6月号
Wafer Processing
Intelが標準プロセスで世界初Siレーザーを開発
Peter Singer
* * * *

 米Intel社の科学者が、通常のSi製造技術を用いて、世界で初めて連続発振が可能なSiレーザーの開発に成功したと報告した。外部の光源から光を当てると、試作チップが連続的に高品質なレーザービームを発振する。

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 「我々は普通のSiで光増幅デバイスを形成できるということを初めて立証した」と同社光通信技術研究所ディレクタMario Paniccia氏は言う。
 Intelの研究員たちは、同社の量産工場で使用している標準的なCMOS技術を使って試作デバイスを作製した。レーザーを発振させることを可能にしたのは、Si空洞式半導体レーザーの中にPIN(P-type/Intrinsic/N-type Device :PN接合間に真性半導体を挟み込んだデバイス)ダイオードを取り入れるという考えだった。これにより2光子吸収(TPA:Two-Photon Absorption)の問題を解決することができた。これは初期バージョンのデバイスで起きていた問題で、デバイスは1秒の何分の1という非常に短い時間しかレーザー発振することができなかった。1960年に初めて開発したレーザーと同じように、Intelのデバイスには初期エネルギーを供給する外部光源(レーザー)がある。PINデバイスをラマン効果として知られる現象と組み合わせると、新たな波長でレーザービームを連続的に発振することができる。
 2005年2月17日発行の科学雑誌「Nature」誌にも掲載されたように、Siの導波路内で刺激を受けたラマン散乱から利得を得て、レーザー発振の阻害していた主な要因は、2つの光子によって引き起こされる自由キャリア吸収(FCA:Free Carrier Absorption)である。高パワーで励起をさせると、キャリアの再結合寿命が比較的長くなるため、Si中でTPAにより大量の自由キャリアが生成される。これら光子によって生み出される自由キャリアは、自由電子プラズマ散乱効果またはFCAとして知られる効果により、さらに光損失をもたらす。このFCAには問題が多く、例えばラマン信号を得るためにポンプビームを減少させ、光損失を増加させる。
 このような効果を低減させるため、SOI(Silicon-on-Insulator)基板に低損失の導波路とPINダイオード構造を設計した。

図 米Intel社の研究員が開発した、世界初の連続発振可能なSiレーザービーム発振機能を持つSiチップ。8個のレーザーがSiチップ1個の中に搭載されている。(出典:米Intel社)

この導波路の角部は多層絶縁膜で覆われている。Siの導波路は、標準的なリソグラフィによるパターニングと反応性イオンエッチング(RIE)技術で、ドープしていないSOI基板の(100)面上に形成される。レーザー発振しきい値を得るために必要な光出力を最小限にするために、導波路の寸法は断面を小さくする。しかし、伝送損失が大きくなるほどに寸法が小さくならないように設計された。導波路には厚膜のSiに大量にドープされたP型とN型の領域がある。PドープとNドープの領域を隔てる距離は6μmである。ダイオードのP領域およびN領域には、それぞれBとPを注入して形成する。イオン注入や熱処理を行うと表面のドープ濃度は1020/cm3になり、光学モードとの相互作用を最小限にするために側方への拡散を抑える。PおよびNドープ領域表面にAl膜を堆積しオーミックコンタクトを形成した後、SiO2パッシベーション膜を形成する。PINダイオードに逆バイアスをかけると、Pドープ領域およびNドープ領域に電場がかかり、両領域間にあるSiの導波路からTPAによって生成された電子−正孔対を一掃することができる。このようにして、逆バイアス電圧により、キャリアの移動時間または有効キャリア寿命を調節する。
 研究員たちは、サイドモード抑圧が55dBより大きく、線幅が80mHz未満のシングルモードのレーザーが安定して出力されることを実証した。「Siの光通信プログラムにおける目標は、自社のSi半導体製造技術を使って低価格の光学デバイスを生産することだ。コンピュータから通信業界にいたるまで、広帯域幅の光通信デバイスの恩恵を受けることが出来るようになる」。

次のサイトで、連続発振するSiレーザーが動作する様子やチップの製造過程をアニメーションで見ることが出来ます。
www.intel.com/pressroom/kits/laser/index.htm

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