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2005年6月号
Lithography
第2世代液浸リソに向け高屈折率液体の開発が進む
Aaron Hand
* * * *

 液浸リソグラフィ技術の量産導入第1世代目は、まさに始まらんとするばかりだが、研究者たちはその次の世代に注目し始めている。次世代では露光装置の開口数(NA)が高くなり、液体には高屈折率の材料が採用される。

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 液浸リソグラフィ技術ではレンズ後玉とウェーハ間を空気より屈折率の高い液体で満たす。レーザー光を通しても転写されるパターンそのものの解像度は向上しないが、高NAのレンズを使用することが可能になり、高NA光学系により解像度を向上することができる。大気中のNAの上限は1.0未満であるが、脱イオン化された純水の屈折率は1.44であるため、NAは1.4まで上げられる。純水で65nmノードの対応をすることが可能だ。しかし、EUVなどの次世代リソグラフィ技術の開発が遅れているため、液浸技術を45nmノード以降にまで延命する「味付きの水」と呼ばれる高屈折率の液体が必要となる。
 高NAを実現するには高屈折率の液体が必須だ。研究者は液浸第2世代の液体として屈折率1.6を目標としている。このレベルの屈折率を持った材料を確保できれば、ArF(193nm)露光装置の実効的な波長は116nmと同程度となる。さらに第3世代では、屈折率は1.8、実行波長は107nm以下が必要だ。
図 JSRは屈折率1.64の液体を使用した液浸技術で32nmライン&スペースの形成に成功した。このレベルの屈折率は第2世代の液浸技術で使用される。
 JSRは2004年、ArF露光装置と同社独自の「SOLOnX」技術により32nmライン&スペース()の形成に成功した。同技術の詳細を2005年2月に開催された「SPIE Microlithography 2005」で明らかにしている。複数の液体が屈折率1.6の目標をクリアーし、最高で1.664を達成したという。しかし、それ以降では屈折率のみならず193nm波長に対する液体の吸収度など多くの問題が懸念される()。
 JSRは、Microlithography で多くの反響があったため、次世代高屈折率液体の開発を加速したという。高屈折率を持つ材料の候補は十分あったが、中には簡単にレジストと反応したり、レジストに多量に吸収されてしまったものもあった。塩や酸を添加した水も高屈折率液体として検討されたが、それらの材料は透過率が低く、塩はレジストやトップコート膜と反応しそれらを破壊してしまった。酸は、装置や光学系を傷つけてしまう。アルコールやグリセロールのようなアルコール誘導体も高屈折率材料だが、透過率が低く粘度が高い。炭化水素系の溶剤は193nmに対して高い屈折率を持つが、十分ではなかった。そのため、JSRは有機系の液体にも注目し始めた。
 JSRの「HIF-001」は吸収度も安定しており、トップコートの有無に関係なくフォトレジストに対して優れた特性を示した。波長193nmでは、屈折率は1.64で透過率は98%/mm以上になった。温度や薬液に対しても安定しており、光学系や装置部材へのダメージもないという。キヤノンの協力のもと2光束干渉計にArFレジストを使用し露光テストを行ったところ、トップコートなしで32nmライン&スぺースの形成に成功した。この場合のNAは1.5相当となった。
 しかし、この液体の量産にはまだ数年はかかりそうだ。それまでの間は、65/45nmノードでは純水とNAの小さな光学系だけでも対応できる十分な理由がある。
表 高屈折率液体の課題(出展:JSR)
課題
詳細
フォトレジストへの影響
レジスト膜との相互作用がないこと
透過率(T)
≧90%/mm(193.4nm)
屈折率(n)
≧1.6(193.4nm)
安定性
熱および薬液に対する安定性が必要
装置へのダメージ
レンズやその他の装置部材へのダメージがないこと
粘度
低いこと(純水に近いレベルが必要)
表面エネルギー
レジストへの適切な接面角
空気への溶解度
純水以下ではならない
安全性
人や雰囲気への影響
供給とコスト
適切なコストでの量産が可能なこと

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