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フラットパネルディスプレイ(FPD)は、すでに携帯電話やコンピュータのモニターなど広く使用されているが、特に大型液晶カラーテレビ向けの需要増加が著しい。それに伴って、FPDメーカー間の競争は年々激化し、各メーカーは製造コストの削減と品質の向上に注力している。
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このため、製造工程の一部であるTFTアレイ工程の歩留まりや生産性の向上が重要な課題になり、TFTアレイ工程の検査が以前にも増して重要になってきている。また、ガラス基板の大型化に伴い、高速かつ低コストにテストを行なわなければならない。正確に欠陥を検出し、パネル品質とプロセスの歩留まりを向上させることが必要不可欠になってきており、ますます難しくなってきている。
このような状況の中、オー・エイチ・ティー(OHT)は、2005年4月20日からの3日間、東京ビックサイトで開催された「第15回フラットパネルディスプレイ研究開発・製造技術展(ファインテックジャパン)」(囲み記事参照)で、TFTアレイ工程の検査におけるトータルソリューションを発表した。同社のソリューションは、非接触式電気検査と画像検査の2通りの方法で電気配線のオープン/ショートの検査を行い、その配線パターンのリペア(修復)および再検査を行うことで、歩留まりを限りなく100%に近づけるというものである。
非接触式検査
非接触式検査方法には、イスラエルのOrbotech「EPI/InVision」のような光学式パターン検査や、島津製作所「PixelScope」や米AKT社「EBT」シリーズのような電子ビームを使った検査方法があるが、OHTのTFTアレイテスタ「GX-3」では(図1)、静電容量センサを使用した電気的な検査とカメラを使って画像による検査を行う。
非接触式検査は、ピン−ピンのようなプローブを使用した接触式電気検査と比較して検出感度は高くないが、基板にダメージを与えることなく高速に検査することが可能だ。100〜150m秒と短時間で検査することが可能であるため、従来の接触式電気検査を比較して検査時間が最大1/10に短縮できる。このため、抜き取り検査ではなく、全数検査が行える。センサの位置制御は、レーザー変位計もしくはエアー浮上方式で行い、センサと基板の距離が100〜150μmになるように設置させる。1組の静電容量センサを配線の両端に移動し、一方から交流電源で200Vの電圧をかけると静電容量センサを介して数μA以下の微小な電流が配線上を流れ、他方にある静電容量センサを介して電圧を検出するという仕組みになっている(図2)。この電気的な検査を全ての配線で行い、同社の独自のアルゴリズムで正常/異常の判定をする。もしこの時に検出した電圧に異常が見られれば、その配線に戻り欠陥の発生位置と種類を特定する。
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図1 オー・エイチ・ティーのTFTアレイテスタ「GX-3」 |
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図2 非接触式電気検査の構成と等価回路 |
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図3 欠陥/不良発生位置の検出 |
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まず、カメラを使った画像による検査を行う。AOI(Automated Optical Inspection)エンジンを搭載し、自動パターン認識技術で欠陥/不良の発生位置の特定を行う。小型カメラを異常と判定した配線の全体をスキャンさせる。この画像検査では、配線パターン欠けや位置ずれの検出、線幅測定、配線上の表面形状の観察などが行えるが(図3のケース1)、全ての欠陥/不良検出が行えるわけではない。画像検査では、配線中のマイクロオープンや隣接する配線間でのマイクロショートが検出できない場合がある(図3のケース2)。そこで、画像検査で検出できなかった配線に静電容量センサを移動させ、再度電気検査を行う。この時、片方の静電容量センサを配線の端からもう一方の端まで移動させて導通検査を行い、欠陥/不良の発生位置を特定する。このように2通りの方法で検査することにより欠陥検出率を向上させている。GX-3で検出した欠陥/不良の種類や発生位置の情報はレーザーCVDリペア装置に送られる。
例えば、レーザーフロントテクノロジーズのレーザーCVDリペア装置「SL465」シリーズには、OHTが開発したセンサ技術が搭載されているため情報の共有化も可能で、リペア直後に同様の光学式検査と静電容量センサによる電気検査が行える。SL465シリーズでは、リペア機能と検査機能の統合化により全体のスループットだけでなく、品質や信頼性の向上を実現させている。
FPD検査・リペア市場のゆくえ
米国の市場調査会社DisplaySearch社は、2004年にLCD製造工場に巨額の投資が行われたため、2005年から2006年にかけての投資が減少するだろうと予想している。こうした状況で、FPDメーカーは、競走力を保つために限られたリソースで歩留まりや生産性を上げることが重要になる。特に、2005年には第7世代(1950×2200mm)、2006年には第8世代(2200×2400mm)のガラス基板での生産が開始される。基板の大型化が急速に進む一方で、新規施設やプロセス導入に伴う欠陥の増加は避けられない。しかし、製造プロセスの上流工程で欠陥/不良検出し、可能な限りリペアすることができれば、下流工程に流れる不良パネルを低減させることができ、不要なコスト発生を抑えることができる。このため、さらなる高速化や低コスト化、検出感度・精度の向上といった厳しい要求が、検査装置メーカーに対して増えていくだろう。
しかし、検査装置の性能を上げるだけでは高い歩留まりを維持することは難しい。その意味で、OHTが提唱したように、検査装置とリペア装置の間の連携を強化し、さらに情報の共有化を図ることが重要になり、リペア後に再度検査を行うことが、今後主流になっていくだろう。
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