米Applied Materials (AMAT)社のThin Film Product Business Group、Corporate Foundation Engineeringのシニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャであるFarhad Moghadam氏は、Low-k膜は良好な機械的特性を確保し主な問題は解決されていると指摘する。90nm/65nmプロセスでは、ほとんどのメーカーがカーボンドープ酸化膜(CDO:Carbon-Doped Oxide)のLow-k材料を採用すると述べた。
次世代Low-k材料では、Low-k膜の微細空孔の制御技術に進展が見られる。多孔質Low-k材料は機械的、熱的、化学的な性質のさらなる改善が必要とされるが、これらの問題は成膜後のキュア処理によって解決できるとも考えられている。
ファウンドリは積極的にLow-k膜を受け入れているわけではない。130nm、そして90nmへの切り替えには費用がかかる。半導体メーカーは、大量生産できる製品がなければ先端プロセスに移行する余裕はない。新しいLow-k材料を使って90nmから65nmへ移行する方法を開発することと、経済的に成り立つかは別の問題だ。努力と出費を惜しまなければk=2.0は可能だが、これで実効誘電率(keff)が2.5ではメリットは半減する。現在、90nmで採用されているLow-k膜のkeffは通常2.9〜3.0だ。その特性はSiO2と類似しており、バリア層の成膜後はkeffが3.2から3.1の範囲に上昇する。
現在の生産技術で、Low-k膜を採用する上で技術的な障害はない。その一方で、Low-k膜はすべての層で採用されているわけでもない。実装工程に対応するため、チップの上部2層に通常FSGまたはUSGを導入して機械的強度を上げている。これによりはんだバンプを使ったフリップチップ実装が可能となるため、Low-k膜に対する耐性が高い。
米Novellus Systems社CTOWilbert van den Hoek氏は、主要な半導体メーカーは90nmに取り組んでおり、そのうち一部はすでに65nmに着手していると指摘した。「どちらのノードでも主流はkeffが3.0未満の膜となる。これらの膜を90nmで作製する方法を解明したら、65nmノードでk=2.7に低減できるからといって作業をやり直したい者などいない」と述べる。
k値が2.7以上のLow-k膜は「密度の高い」膜、2.5以下では「多孔質」になると考えられる(図2)。多孔質膜の場合、問題は空孔が接続されている、つまり通気しているか、密閉されているかとなる。前者は「密度の高い」膜と比べて全く新しいインテグレーションの手法が必要となるが、k=2.7〜3.0のPECVD OSG膜を分析すると、多孔質膜は直径が1〜1.5nmの範囲にある密閉された空孔であることが分かった。PECVDでk= 2.2〜2.5の膜では、2.7〜3.0のPECVD OSG膜と類似した密閉空孔構造を持つ膜ができた。これらの空孔はk値を下げるために密度が上昇している。また、空孔密度の上昇によって生じる機械的特性の劣化を抑えるため、後処理にUVによる熱処理が使われる。