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2005年7月号
Emerging Technologies
微細化が進む不揮発性メモリー
Peter Singer
* * * *
図 相転移メモリーの性能測定
(出展:蘭Philips社研究所)
 蘭Philips社研究所の科学者らは、処理速度や密度、低電圧、低消費電力などの点で最先端のSiチップに匹敵する相変化メモリーを開発した。フラッシュメモリーのような従来の不揮発性メモリー技術と異なり、このメモリーの特長は小さく作るほど性能が向上する。
 アモルファスまたは結晶によって物性が変化する相変化物質は、DVD-RやDVD-RWディスクなどの光媒体データ記憶メディアに広く使われている。これらの記憶メディアでは物質の反射率が変化する。温度を上げて物質をアモルファス/結晶で相を変化させるのと、反射率の変化を検出するのにレーザーが使われている。同社の新しい固体メモリーセルにはこれと同じような相変化物質がSiチップ表面上に非常に薄い膜として堆積されており、電流でアモルファス/結晶で相状態を切り替えたり、電気抵抗から相状態の検出を行っている。これと類似したメモリーデバイスは以前から研究されてきたが、新しいラインセルと呼ばれる相変化メモリーならば、将来のナノスケールのSiチップでも性能や微細化の要求を満たせる可能性があると同社は言う。
 十分な電流をメモリーセルに流し温度を上げるため、比較的高い電圧をかけなければならないという問題があった。しかし、最先端CMOSプロセス技術で製造されたSiチップには電圧が高すぎて使えない。この問題を解消するために、同社はSb/Teドープした相変化物質を開発した。これにより14V/μm未満の低い電界強度でもアモルファス−結晶間で相変化が可能になった。
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 ラインセル中の相変化素子は比較的に熱容量が低いSiO2で囲まれているため、界面反応が起こることはなく電極材料の選択に自由度が高い。同社が試作したデバイスでは、相転移が30ns以内という極めて短時間で起きるため、左右対称性のプログラムパルスが使用できるという利点もある。これはフラッシュメモリーセルへの書き込み時間の100〜200倍高速で、あるアプリケーションではDRAMに代替できるメモリーとして魅力がある。
 「エンベデットメモリー業界における究極の目標はいわゆるユニバーサルメモリーだ。相変化ラインセル技術は、この目標への大きなステップと言える」と同研究所プロジェクトリーダーを務めるKaren Attenborough氏は述べている。

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