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2005年8月号
Emerging Technologies
ミクロ流体裏面冷却によりチップの熱を除去
Peter Singer
* * * *
 チップから大量の熱が発生すると知っている人は、誰もノートPCをひざの上に置いて実際に使おうとしないだろう。どのようにしてこの熱を除去するかが半導体業界で大きな課題の一つとなっている。
 現在、主要なMPUはフリップチップ技術でパッケージされている。熱除去には、主に放熱板やスプレッダが使用されSiの裏面から放熱している。ヒートスプレッダは、熱伝導ゲルやエポキシを使用してチップ裏面と接着されている。
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 しかし、ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductor)によれば2018年までに高性能チップは100W/cm2という高熱を発生するようになる。現在のICパッケージング技術でこのような高熱を除去する方法はない。
 2005年6月6〜8日に米国カリフォルニア州で開催されたIITC (International Interconnect Technology Conference)で発表された代替案では、冷却剤が流れるミクロ流体チャンネルと、ウェーハレベルパッケージングの配線の一部としてウェーハ処理段階で形成された熱パイプをつなげて熱を除去する。米ジョージア工科大学の研究者が開発したこの手法はコンパクトでシンプルなのが特徴だ。このプロセスは、ウェーハをチップにダイシングする前の配線工程で行われる。ウェーハ裏面には深いトレンチがエッチングされ、犠牲ポリマーが充填される。その上に多孔質材料が塗布される()。
 犠牲ポリマーはウェーハが加熱されると分解し、ミクロ流体チャンネルを残す。機械的強度を増加し、空孔をシールするため再び保護膜が塗布される。この保護膜にはスピン塗布ポリマー、高品質SiO2薄膜もしくは電解めっきされたメタル膜が使用される。その後ウェーハは標準的なC4バンププロセスが行われる。
 チップ貫通孔とポリマーパイプは、感光性の厚膜によってウェーハ表面に形成され、吸水口または排水口として使用される。ポリマーパイプは吸気口と排気口の位置を合わせなければならず、パイプ内の保護膜は流体の循環を可能にするようエッチングされている。
図 左図はプロセスフローを示している。図右上は、埋め込まれたミクロ流体チャンネル断面図である。右下の図は吸水口、排水口として使用されるSi貫通孔であり、これらはミクロチャンネルと位置合わせされている。研究者は圧力低下が2気圧以下で出力密度100W/cm2の熱を除去するのは可能であると結論を述べた
(出典:米ジョージア工科大学)
 洗浄・乾燥後、ウェーハはダイシングできる状態となる。チップは、フリップチップで液冷PWB基盤に実装される。液冷PWBには埋め込みミクロ流体チャンネルが搭載されており、流体は搭載されたポンプまたは外部ポンプから供給される。従来のアンダーフィルもにも応用できる。
 冷却システムでの圧力低下を決定し、熱除去性能を評価するため、複数の吸気口・排気口配置で2つの異なる配列設計を調査した。最初の設計では51の平行チャンネルがあり、3つのチャンネルごとに吸気口と排気口を共有する。2つ目の設計ではより均一の温度変化が得られるようチャンネルを蛇行曲線状に配置した。
 2つのデザインの全体の熱交換エリアは等しかったので、どの冷却水を使用した場合でも特定の全体流量での熱除去性能は変わりなかった。研究者は、純水で出力密度100W/cm2の熱を除去するには、吸気口と排気口に60度の温度差があるため最小0.4cc/secの全体流量が必要とされると述べている。圧力低下が2気圧以下で出力密度100W/cm2の熱を除去するのは可能であると結論付けた。

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