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2005年9月号

米SEMATECH社
社長兼CEO
Michael Polari氏

[プロフィール]Michael Polari
2003年2月にSEMATECHの社長兼CEOに就任した。 2つの子会社、ATDFおよびInternational SEMATECH Manufacturing Initiative(ISMI)を立ち上げ、同社とテキサス大学の共同研究所Advanced Materials ResearchCenter(AMRC)を監督する。SEMATECH以前は、米IBM社に30年近く勤務した。IBMにおいてサプライヤー品質管理部門のバイスプレジデントなどを歴任した。米スティーブンス工科大学を卒業し博士号を取得。米メリーランド大学では物理学の研究を行い、米ノートルダム大学も卒業している。米Semiconductor Research(SRC)社の理事会議長、Physical Society、Electrochemical Society、Society of Photo-Optical Instrumentation EngineersおよびElectrical and Electronics Engineersのメンバーである。
* * * *
Semiconductor International (以下SI):あなたがSEMATECH社長兼CEOへの就任後に達成した成果は?
Michael Polcari:私たちには、いくつかの挑戦と成功があった。技術的なプログラムでは、いくつか非常に良い結果が報告されている。特に先端トランジスタ技術ではHigh-kメタルゲートの形成で素晴らしい成果を得た。電子移動度の劣化の原因を理解することができ、解決方法が分かった。膜の特性や信頼性の評価では良好な結果がでている。液浸リソグラフィ技術の開発も好調だ。業界が直面している液浸技術についての課題は、いくつかのワークショップで解決できそうだ。多くの人々が今液浸技術の開発に注力しており、SEMATECHでは液浸リソの技術センターを開設し、この技術がどこまで延命できるのかを調べている。また、EUVリソグラフィ技術のプログラムはSEMATECHの米ニューヨーク州アルバーニで進められている。マスクブランクスの欠陥レベルでは大きな進捗があったようだ。EUV露光ではマイクロステッパを稼働させており、メンバー企業やサプライヤーが同技術を学べる体制が整っている。
SI:最近SEMATECHは何か変わったのか?
Polcari:組織的により柔軟になり、量産技術の開発に注力したりスタートアップ企業や装置メーカーの技術革新を加速することができるようになった。これらは今までもSEMATECHがやってきたことだが、よりそのペースを速めている。
SI:SEMATECHの工場はオンライン化が進んでいる。
Polcari:業界に向けて開かれている。人々は新しい種類の考えを、私たちが持っている半導体製造インフラを利用し、それらの新しい考えを市場で実現することができる。 また、製造技術と製造のし易さに着目した新しいプログラムを開設した。そのプログラムに参加する新しいメンバーがもうじき発表されるだろう。
SI:あなたの仕事で最も難しい局面とは?または、何が思ったよりも簡単であったか?
Polcari:たぶん最も難しいのは、私たちが正しい方向の技術に焦点を合わせているのかを確実に知ることである。
SI:SEMATECHの存在理由の1つとして、研究開発負担の高騰によりパートナーシップが重要になったことが挙げられる。しかし、パートナーシップを保つことは簡単ではない。
Polcari:これができるのは、SEMATECHの偉大なる遺産であり、長所の1つである。私たちはおよそ18年間、新技術と新プロセスを見いだしてきた。誤解しないで欲しいが、これはいつも挑戦であったが、一貫して結果には満足することができたのだ。最も低いハードルは、参加メンバーの興味がオーバラップする領域がどこにあるか、そして、すべてのメンバーに何が最も有益であるかを特定することだ。これが分かれば、後は組織の問題で、課題を克服するだけだった。我々には課題を特定するための一連のプロセスがある。例えば、毎年メンバーに10の技術的な挑戦を投票してもらい、その情報を基にミーティングでわれわれの行うべき活動を決定している。問題を解決するための計画を立て、メンバーに規定されたプロジェクトのゴールが正しいものかを考えてもらう。この方法ならば共通点を探すのは難しくない。
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SI:プロセスは容赦なく複雑になり、製造装置はより高価となり、歩留まりに関する問題も多くなっている。あなたはどのようにムーアの法則の未来を見るか?
Polcari:企業の大部分はまだこのペースを維持するつもりだろう。私はまだ2〜3年サイクルは続くと考えている。そうは見えないかもしれないが、世代の変化は我々がもともと計画したものよりは強引に進んではいない。微細化は続いていくだろう。
 技術は計画より遅れたかのように見えるが、必ず実現する。SEMATECHが継続して注力しているのはコストだ。コストの問題は近い将来もっと強調しなければならないかもしれない。18カ月サイクルは続くと見ており、これがすぐに変わるとは思えない。
SI:業界が保守的になっている。もしITRSに従うならばもうUltra Low-k膜を使っていていい頃だ。
Polcari:それこそ私の意味するところだ。材料の変更には積極的だが、何らかの影響で遅れてしまう。しかし、密度の変化で考えるとほぼ予定通りだ。
次善策の選択はより難しくなっているが、
私たちにはかじ取りするだけの
スペースは残されている。
SI:我々は挑戦的過ぎて原理的な壁にぶつかっている。
Polcari:いくつかの問題では、その通りだろう。何事にも限界がある。しかし、多くの場合、新しい形が登場した時の問題は、予想以上に難しいものだ。コスト対効果が検討され、回避策により一世代は遅れるかもしれない。これがLow-kの導入に際して起こったことだった。Low-k膜の時は配線の多層化が替わりに選択された。効果的ではないかもしれないが、コスト効果は高かった。
SI:45nmプロセスでは回避する方法が尽きてしまった?
Polcari:可能性はある。しかし、次善策もあるだろう。時には部屋を飛び出し、全く違ったことをしなければならない。しかしながら、多くの場合、新しい次善策は生じるものだ。これが、ロードマップの存在を可能にした。1μmプロセスの導入時に戻って、当時の予測を読めば分かる。予測されていた技術の多くは、実現すらしなかった。結局、私たちはそれが何であっても、費用対効果に優れたことならば実行するつもりである。これがLow-k膜であるなら、私たちはそれを採用する。次善策の選択はより難しくなっているが、私たちには、かじ取りするだけのスペースは残されている。
SI:液浸リソグラフィ技術とナノテクノロジーによるハイブリット回路は、45nm以降の問題を解決する万能薬と見られている。
Polcari:液浸技術の拡張性については積極的に追求している。いくつかの重要なものがあるが、これは私たちが装置を受け取ってから点検すべきものである。本当の拡張性、解決されるべき問題は何か?ナノテクノロジーとのハイブリット化については、45nm、32nm以降でも実現するかどうかは分からない。個人的には、Siをベースにした技術は少なくとも32nm以降、22nmまではあると思う。22nm以降に突入するまで、カーボンナノチューブのようなものは登場しないだろう。
SI:近年の企業のバイアウトと合併により業界の基盤自体が小さくなり、R&Dで結果を出すのが難しくなっていないか?
Polcari:始めから産業界は変化し続けているもの。人々は去り、現在IDMはファブレスになった。確かに、最近はプレーヤーが少なく、参加する企業や人々も減少している。しかし、研究開発が必要な時に業界はいつも何とかして運営し続けてきた。
SI:SEMATECHの短期的および長期的な計画を教えてください。
Polcari:我々は良い組織構造を確立し、技術の商業化を早めることに寄与してきた。また、イノベーションを創出する機会を提供している。これから未来に向けての我々の役割は、新材料やリソグラフィ技術などの個々の分野でイノベーションと製造の容易性に注目し次の技術革命を加速することである。
(聞き手:Alexander E. Braun)

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