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2005年12月号
Emerging Technologies
らせん構造が新しいデバイス材料に応用
Peter Singer
* * * *
 これまでよく知られていなかったZnOのナノ構造であるがDNAのらせん構造に似ているため、ナノスケールのセンサーや変換器、共振器など電気機械的な接合が必要なデバイスを作製する際に新たな材料になる可能性があると米ジョージア工科大学の研究者はいう。
 超格子が交互単結晶の“縞模様”からなっており、それがたったの数ナノメーター幅()であることからすれば、“ナノらせん”構造はナノベルトの仲間の1つということになる。ナノベルトは小さなリボンのような構造で、半導体性とピエゾ電気特性を備えており、最初にこれが報告されたのは、2001年である。
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 ナノらせんは、縞模様の間のちょっとした不均衡から生じるねじり力を受けてその形を形成するが、製造するにあたっては気相−固相成長プロセスを高温下で行なう手法が用いられる。この新しい構造の成長法や解析法に関して、米国のScience誌に報告されている。「この構造はナノデバイスにとって新しい材料になる」と同大学の材料科学工程研究院理事教授、Zhong Lin Wang氏は言う。
 これらの超格子はほぼ平行の単結晶からなっており、それぞれの幅が約3.5nm、ズレが5°になっている。こうした構造を持つナノらせんは、2004年に同研究グループによってScienceに発表された、ZnOのナノスプリングやナノリングとは異なる。ナノスプリングは単結晶からなっており、その形は静電気力の均衡によって決定される。この静電気力は構造全体の弾性変形力と構造体の終端にある反対の電荷によって生じる。
 ナノらせんは最長100μmにまで達し、直径300〜700nm、幅100〜500nmである。右巻きのものと左巻きのもの両方があり、それぞれ約50/50の割合で存在する。
 「これは全く新しい構造で、ナノ材料の新しい成長モデルを示している。しかし、特性の観点から言えば、これらは初期のナノベルトのように半導体特性とピエゾ電気特性を有しているため、この構造は電気機械結合に適している」とWang氏は説明する。
 ナノらせん構造は、その他のナノベルトを形成する時に用いられるような簡単なプロセスで形成することができる。しかし、成長の条件を変えると全く異なる構造になる。アルミナのチューブを水平式高温炉の中に置き、そこにZnO粉末を入れる。真空中で1000℃近くまで熱し、Arガスを導入する。さらに加熱を続けて、炉の温度を1400℃にする。ナノらせん構造が炉の中では多結晶Al2O3基板上に形成される。
図 新しく発見されたナノらせん構造は、電気機械結合を利用してナノスケールのセンサーや変換器、共振器やその他のデバイスを形成する際に新たな材料になる可能性がある
 「ナノらせん構造と初期タイプのナノベルトの成長において大きな違いは、温度上昇と担体ガス導入のタイミングを制御している点である。初期構造ではキャリアガスを最初に導入していたが、ナノらせん構造の場合、あるレベルに温度が達したときだけガスの導入を行う。こうすることで真空中での形成が可能となり、らせん構造を制御する上で重要になっている」とWang氏は説明する。
 真空中でZnO粉末を加熱すると、極性をもった表面構造を形成することができる。担体ガスを導入すると、キャリアガスを導入すると極性表面を最小化するように成長状態が変わり、結晶で生じた不均衡によって超格子構造が形成される。ナノらせん構造は初めと終わりに、従来の単結晶ナノベルト構造を持つ。「キャリアガスが導入される頃には結晶配向は決まっているが、構造は成長し続けなければならない。キャリアガスを導入することにより超格子構造への転移が促進される」とWang氏は説明する。
 ナノらせん構造の形成は単結晶の硬いナノリボンから始まり、そのときは極性表面が優勢となっている。この単結晶のナノリボンが突如、構造転移を起こして超格子構造のナノベルトになりこれが構造変化を起こすため、均一なナノらせん構造の形成が促進されるとWang氏は説明する。
 この超格子ナノベルトは周期的で互いに密着しており結晶方向に成長した平行な集合体で、C軸に対して互いに垂直な2つのZnO結晶が交互に交じり合うように形成している。ナノらせん構造の成長は、表面に局所的な極性をもつナノベルトから極性を持たない単結晶ナノベルトに変わることによって終了する。

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