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2006年2月号
最新プロセス制御技術で
高歩留まりとコスト削減を実現
Becky Pinto
米KLA-Tencor社
www.kla-tencor.com
 先進的なプロセス制御の最初の目的は1つの工場での1つの製品の歩留りを最大にすることである。メンテナンスやアップグレード、定期的なプロセス改善をコピーしながら複数の工場で同じ装置構成や性能を実現しなければならない。
* * * *
 半導体製造プロセスが複雑になってきているため、ハードウエアやソフトウエアでプロセスをモニターするようになっている。以前は高価な研究用の“おもちゃ”としてしか使用されなかった分光エリプソメトリなどの技術が一般的に薄膜の評価手法として用いられるようになった。これまでプロセスデータを管理するためしか使われなかった表計算が、ニューラルネットワークや多変量解析、自動分類化技術により増加している。技術者が歩留り原因やプロセス改善方法を特定することができれば、Run-to-Run制御やレシピのフィードフォーワード/フィードバック、その他同様なソフトウエアを実装し変更したプロセスのモニターが可能になる。 
 このプロセス計測・解析やハードウエア/ソフトウエア制御が占めるコストは、工場全体の中で大きくなってきており、ますます工場の運営において重要な役割を担ってきている。スクラップウェーハを継続して処理することを防ぐのは重要だ。しかし生産性という観点から、以前まで計測や検査は時間と資源の損失、いわば「税金」と考えられていた。現在ではプロセス制御装置はかなり強力になってきたが、一方プロセス装置は以前に比べ複雑で制御が困難になり、高価なものになってきている。リソグラフィや汚染の制御と同様にプロセス制御は工場を成功に導くためには必須なものとなっている。十分にプロセス制御を行えば、コストと歩留りを大幅に改善できる。
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 ここで言う「プロセス制御」には、半導体工場で使用されるプロセスの情報収集や情報の解析、解析に基づくアクションなどすべての方法が含まれている。つまり、Run-to-Run制御やフィードフォーワード/フィードバック制御のようなAPC(Advanced Process Control)だけでなく、計測・検査や統計解析、プロセスモデリングが含まれている。
 データ収集や解釈、プロセス診断は同時に機能しなければいけないので、このような幅広い定義が重要になる。プロセスで何を行っているかという十分なデータがなければ、どのように変更すべきか決定することはできない。詳細な解析装置やアルゴリズムがなければ、システマチックなアプローチをとることは困難もしくは不可能になる。リアルタイムにプロセスを変更できなければ、いくら解析で何が起こっているかがわかっても結果に反映させることができない。
 また、工場の投資を考える上でもプロセス制御の幅広い定義は重要だ。プロセス制御の幅広い定義はまた、工場の投資を考える上でも重要だ。最適な結果を達成するためには、これらの3つの要素(データ収集、解析、制御)に対して十分な投資をしなければならない。

データ収集

 プロセス制御はデータから始まる。ウェーハ状態に関するデータを見ればいつ問題が発生したか分かる。装置およびプロセスのデータを見ればどのように解決すべきか明らかになる。そして、データを見れば診断がうまくいったかどうか分かる。プロセス診断がより複雑になった場合には、ウェーハの入荷検査から最終電気特性試験までのすべての工場のデータを解析することが重要である。例えば、Cuの平坦化の結果は酸化膜のエッチングやバリアメタルの堆積、シード層の堆積、Cuの埋め込み工程などに依存している。工場では多くの情報を組み合わせることができるソフトウエアとデータフォーマットが必要になる。
 ウェーハ上の膜や構造を測定するウェーハ計測データは一般的に用いられる。電気的検査を行う代わりに、膜厚のばらつきやビア欠陥、配線工程で発生している不良を特定することができる。最先端プロセスの厳しい要求によりウェーハ計測システムに新たな能力が必要になる。米Freescale Semiconductor社で主席スタッフエンジニアを務めるJames Dougan氏は、微細な構造にはより小さな測定スポットが必要になると述べている。設計寸法の縮小化に伴って小さなばらつきが回路特性に影響する。このため、計測装置はこのばらつきを検出できなければならない。
 完全にプロセスの挙動を理解するためには、装置がレシピのパラメータを適切に設定しているかを検証する方法やウェーハ環境を測定するプロセス計測方法が必要になる。例えば、1枚のウェーハを処理するたびにチャンバ壁に付着するポリマーの量や組成が変化するため、プラズマエッチング装置の性能は変わっていく。ウェーハ表面における化学反応と温度がプロセスの状態を把握できる唯一の方法である。
 計測装置と計測時間には費用がかかる。工場ではプロセスの計測工程を増やしたがらない。米Sematechの工場生産性マネージャBrad Van Eck氏は、過剰なプロセスデータを得ることは生産性の観点から得策でないと指摘している。しかし多くのデータが利用できるようになれば歩留りやプロセス制御を改善することができる。重大なプロセス上の問題を解決するため、新しい測定装置やセンサーはコスト増となっても使用されてきている。
表 販売価格の減少率
(出典:米バークレー大学のRobert Leachman氏とShengwei Ding氏)
マイクロプロセッサ
メモリー
ファウンドリ
初年度
67.20%
52.10%
25.20%
最初の3年間
N/A
52.50%
15.60%
製品寿命
64.20%
27.00%
11.60%
製品寿命期間
2
10
15

データ解析

 データが収集されると、工場は欠陥の特定や分類を行うために多くの装置を使用している。時間や装置群、ロット内位置、他に役に立ちそうなものは何でもウェーハマップとしてまとめられる。これらのウェーハマップは、複数の測定と組み合わされ不良パターンを明らかにすることができる。多変量統計解析ソフトを使えばプロセスパラメータ間の相関を見つけ出すことが可能である。自動欠陥分類ソフトは画像認識アルゴリズムにより予想される原因と欠陥との関係を調べることができる。しかし、これらの装置は熟練技術者の手助けにはなっても置き換えるほどにはならない。
 しかし、これらのツールは熟練の技術者の手助けにはなっても置き換えるほどにはならない。人間が操作しなければソフトウエアツールも問題を見つけることができない。単にウェーハマップを積み上げただけでは、欠陥が発生したロット中の位置の特定やクラスタ装置のチャンバの特定を行うことはできない。多変量統計解析でも原因と相関を区別することはできない。物理的に結果をどのように説明するかは人間が判断して行わなければならない。解析装置の重要な役割は技術者を退屈な計算から解放し、技術者が問題を解決するために必要な情報を提供することである。

データに基づく不良対策

 欠陥に関する情報が収集され適切な分析が行われれば、工場は問題を根絶または軽減しなければならない。一般的に歩留り向上は、装置、プロセス、設計あるいはこれらの3つの組み合わせの改善で実現される。装置の不具合を直し、プロセス制御を改善することで歩留りを向上することができる。どちらの場合もプロセス間の相互作用や依存性を十分考慮して、どちらの改善方法がよいか決定しなければならない。
 米AMD社では、プロセス開発または装置開発の初期段階でプロセス相互作用の調査が行われている。2004年に米Sematechが主催したAEC/APCシンポジウムでAMDの技術スタッフメンバRobert Chong氏が、液浸リソグラフィの主要なパラメータについて講演している。1)水圧やステージ速度、水流特性が泡の形成に関係している。露光装置メーカーと共同でAMDは、効果的に液浸リソグラフィプロセスを制御することが可能な装置センサーとデータサンプリングレートを決定しようとしている。これにより変動の原因や欠陥となる条件、ウェーハの依存性をモニターすることができる。
 製造ラインに装置が設置されたら、歩留りの低下やプロセス変動が発生しないようにプロセス制御を行わなければならない。しかし、過剰な監視を行うと歩留りに影響しないような変動でも装置を停止させ、サイクルタイムを長くしてしまう。AMDで自動高精度製造部門ディレクタを務めるTom Sonderman氏は、最適な歩留まりと効率的な製造のバランスを保つにメンテナンス時期を予想して行うことが重要だと説明している。エッチングチャンバを例にとると、寿命が近づくにつれ徐々に性能が劣化してくる。予想メンテナンスのアルゴリズムによりエッチングの均一性や経時的なパーツの劣化などの測定できるパラメータとメンテナンススケジュールの関連付けを行うことができ、生産時間のロスを最小限にして歩留りを最大にすることが可能になる。
 歩留まり低下に対する一般的な対応は装置の専用化である。つまり、特に難しい構造の場合うまくいくと分かっている装置で処理を行うということである。ある特定のロットの歩留りを改善することができるかもしれないが、この方法は長期的な改善ではない。装置の専用化により製造ラインの柔軟性が損なわれ、スループットが減少するかもしれない。なぜ特定の装置だけしか処理ができないか、その理由を最終的に突き止めなければならない。改善されたプロセスが多くの装置でいい結果をもたらすかもしれない。AMDのSonderman氏は、プロセスを装置の能力に合わせる方が装置を改善するよりもしばしば効果的であると述べている。
図1 工場の建設や歩留りの迅速な改善、短いサイクルタイムで遅れをとると最先端技術の導入が遅れ、技術と収益の両面で大幅に立ち遅れる
(出典:米Gartner Dataquest社)

プロセス制御によるコスト削減と収益増加

 「時は金なり」という古いことわざにあるように、新鮮な花や新聞、半導体チップのようにすぐに価値が失われるようなものは、これが当てはまる。半導体チップが昨日の新聞ほど急速に価値を失うことは無いが、米バークレー大学のRobert Leachman氏とShengwei Ding氏は、一般的にDRAMの販売価格が1年間に52%低下すると述べている。2)大手のサプライヤが価格を巧みに操作しているマイクロプロセッサの場合でも、1年間に販売価格が67%低下するという。ファウンドリの販売価格は、古い技術を少量生産品のために使用しているためこれより安定しているが、それでも新しい技術が導入されると1年後には25%低下する()。
 急激に販売価格が低下するため、工場の短期建設、成熟歩留りへの急速な立ち上げおよび短いサイクルタイムが重要になっている。Leachman氏とDing氏は製品サイクルタイムを1日短縮できれば、その製品のライフタイム全体で収益が500万ドル増になると試算している。歩留り立ち上げ期間を1日短縮できれば、収益が100万ドル増になる。製品によっては、数日間の立ち上げ遅れがマーケットシェアを得られるかどうか左右するものもある。米国の調査会社Gartner Dataquest社のレポートによれば、最先端の技術を先に採用した工場は、遅れて採用した工場に比べて収益が2倍、ROIで2倍を達成しているという(図1)。
 このような時間による経済効果を考えて、工場は初期の歩留り学習レートを改善するために計測/検査装置や解析ソフトウエアに多大の投資を行ってきた。
 SematechのLeachman氏とNeil Berglund氏の研究によれば、180nm技術ノードの工場は350nmと250nmの工場に比べ、最初の3年間で歩留り低下が20%減少している。3)しかし、同じ期間で比較すると、初期と成熟期の歩留りは落ちている。歩留りの改善速度は速いが、到達歩留まりが低くなっている。最近のデータはないが、これまでの結果から100nmノード以降では厳しい歩留り問題に直面していると言える(図2)。
 低い歩留りが最先端プロセスへの投資に対する妨げになっている。工場建設と設備費用は増大し続けている。同時にGartner Dataquestの情報によれば、Siの単位面積当たり(1inch 2)の収益は一定かあるいは減少傾向にある。満足した投資の回収を行うためには、工場は収益を最大化して費用を最小にしなければならない。歩留まりの立ち上がり速度を上げることにより、工場は製品のライフサイクルで最も利益の大きい製品を多く売ることができる。同時に、歩留りの改善によりコストを下げることができ、販売価格が下がっても収益を上げることが可能になる。十分安定して制御されたプロセスは装置やモジュール寿命を延ばすことができ、高価な装置のアップグレードを遅らせることができる(図3)。
図2 ロジック製品の歩留り推移。180nm技術ノードの工場は350nmと250nmの工場に比べ、最初の3年間で歩留り低下を20%減少させているが、同じ期間で比較すると初期と成熟期の歩留りは落ちている(色の濃さで異なる工場を表している)。最近のデータはないが、これまでの結果から100nmノード以降では厳しい歩留り問題に直面していると言える
(出典:米Sematechと米バークレー大学)

最先端プロセス技術を可能に

 通常、歩留まりの低下の原因は複雑さの増大と小さなプロセスウィンドウによるものである。微細化の進んだ小さなデバイスは欠陥による歩留まりロスとパラメータのばらつきの影響を受けやすい。配線の欠陥やラインエッジの異常は大きなサイズでは大した問題とならないが小さなサイズでは致命的となる。ウェーハ上のパーティクルの数はプロセス工程数の関数になっている。工程が多くなると発生するパーティクルの数も多くなる。Cuダマシン配線プロセスは従来のAl配線と比べ工程数が少ない。理論的には、Cu配線の方が高歩留りになるはずである。しかしながら、Cu配線には本質的にパーティクルが発生しやすいCMPやCuの電解めっきなど半導体製造には新しい技術が使われている。比較的に成熟していないこれらのプロセスは新たに多くの欠陥を生じさせている。一方で配線層の数は増加し続けている。CMPが導入されてから6層以上の配線が可能になった。現在では回路な複雑なものでは10層以上の配線が使用されている。
 これまでパーティクルや他の欠陥が歩留り低下の原因となってきたが、パラメータ変動による歩留り低下は比較的新しい問題である。寸法が縮小されるにつれ、配線抵抗やゲート寸法の変動によって生じるタイミングの変化に適応できる設計マージンが少なくなっている。変動が大きいとチップの動作スピードを減少させる。信号が間違ったタイミングで到着するとチップの動作不良を引き起こしてしまう。
 プロセスの複雑さの増加に伴い、プロセス装置には小さなプロセス変動も許されなくなってきている。露光波長以下のリソグラフィが極端な例であるが、多くのプロセスは限界に達している。パラメータ空間全体の中で小さな点でしか厳しい寸法と均一性のスペックを満たすことはできない。プロセスウィンドウが狭くなるにつれ、装置をそのウィンドウの中に維持するためには、装置パラメータの正確なモニタリングやパラメータ変動に対する迅速な対応が必要である。

ランダム/システマチック欠陥

 歩留まり低下の原因の特定と改善の第1歩は、ランダム欠陥とシステマチック欠陥を分けることから始まる。ランダム欠陥とは文字通りランダムに発生する欠陥のことである。これらは空中に浮遊しているパーティクルやフォトレジストの泡に起因するものかもしれないが、すべてのウェーハに影響してくる。ランダム欠陥は通常の分布モデルに従う。しかしこれらは工場全体の欠陥の半分以下である。バークレー大学のLeachman氏とBerglund氏によれば、大部分の欠陥はシステマチックな欠陥であるという。搬送システムによりウェーハ外周部が傷ついたり、すべてのロットの最初のウェーハでプラズマ状態が異なったりする。時間や場所など特徴を持つこれらのシステマチック欠陥は、ウェーハ外周部に集中する傾向にある。Leachman氏とBerglund氏は、多くの「ランダム」欠陥はまだ傾向がつかめていないシステマチック欠陥ではないかと考えている。
 システマチック欠陥の分布をランダムにサンプリングすると誤解を与える統計結果になる。例えば、ウェーハ外周部にだけ影響を与える欠陥は、ウェーハ上の他の場所には発生しない。ランダムサンプリングは、システマチック欠陥の問題の大きさを過小評価してしまい、システマチック欠陥の特徴を捉えることができなくなる。システマチック欠陥に焦点を当てたサンプリング手法は、特に傷つきやすい場所で数多くの測定を行うものとなろう。ランダム欠陥を監視し、システマチック欠陥を見つけるサンプリング手法を開発するためには、工場は解析装置と熟練の技術者に頼らなければならない。統計計算ソフトを使用すれば人間より正確に欠陥パターンを見つけることができ、システマチック欠陥の特定や再発した欠陥の発見に役立つ。熟練した技術者はプロセスの知識を使って欠陥が発生しやすい場所や観察している欠陥の可能性の高い原因を見つけ出すことができる。
 Leachman氏とBerglund氏によれば、一般的に重大なシステマチック欠陥はプロセス開発の初期の段階で発見され、改善される。これらが除去されていくと、ランダム欠陥が全体の欠陥分布の大部分となる。しかしシステマチック欠陥による歩留り低下は、成熟した工場でさえも大きな問題として残っている。歩留り改善計画の多くがランダム欠陥に焦点が当てられているが、検査/計測装置はシステマチック欠陥を検出することができる。しかしこの場合、これらの欠陥は適切な場所で観察されなければならない。大部分の欠陥がランダム性でないということを確認しながらデータを収集することで、プロセスの品質を大幅に改善することができる。
図3 Siの単位面積当たり(1inch2)の収益は一定かあるいは減少傾向にある。歩留まりの立ち上がり速度を上げることにより、工場は製品のライフサイクルで最も利益の大きい製品を多く売ることができる

適応サンプリングと装置変移

 通常プロセスは安定した状態で行われる。しかし、新しいプロセスキットの導入時などの遷移期間にはどのプロセスでも不安定になる。正確に装置の遷移状態を確認することはプロセス制御にとって重要なことである。何百もの装置から構成されている製造ラインでは、常に変化点に近づきつつある装置が存在している。AMDのSonderman氏の説明によれば、AMDではプロセスの不確実性にサンプリングレートを合わせたモデルを使用しているという。高精度なモデルでは、遷移期間中のサンプリングレートは増大する。
 理想的には、工場のシステムがプロセス変動を発見し、装置の状態変化の信号を送信しなければならない。このデータを受け、ソフトウエアは装置のメンテナンスのスケジュールや担当エンジニアへの通知、適切な装置への製品の迂回、上流または下流のプロセスレシピの変更などを行わなければならない。迅速で効果的な対応をとるには、歩留り低下のリスクとプロセス特性の完全な理解が必要である。
 実質的な性能改善を行う上で、工場内で起こるすべての事を完全にモデル化することは必要ではない。AMDではすぐ結果が得られるような主要領域についてのみに焦点を絞ってモデル化を行っている。ゲートCDとリソグラフィが最も変動しやすいため、最初に考慮しなければならない。AMDは成膜工程の欠陥検出と並行して、リソグラフィとエッチング工程用にRun-to-Run制御システムを開発した。AMDのSonderman氏は、Run-to-Run制御と故障検出システムを1つに組み込む必要があると強調していた。そうしなければ、故障検出システムがRun-to-Run制御システムからのレシピの変更指示に対しても警告音を発してしまうかもしれないためだ。
 次に、AMDは配線の欠陥、特にCMPについて説明している。CMPはパッド材の磨耗や形状などによってダイナミックに変化する複雑なプロセスである。Sonderman氏は、すべての欠陥には原因があると述べている。置内で何が起こっているかが分かれば、欠陥の原因を突き止めることができる。

性能比較評価がより迅速な意思決定を促す

 APCの最初の目的は、1つの工場で1つの製品の歩留りを最大にすることである。しかし、デバイスメーカーはしばしば別々に設計された複数の製品の歩留りを維持しなければならない。量産製品の場合には、他のデバイスメーカーを含めた複数の工場で同じ性能を実現しなければならない。その上、それぞれの工場でメンテナンスやアップグレード、定期的なプロセス改善によって、装置構成や性能を同じにしなければならない。装置と工場間のプロセス結果を比較することは難しい。膜厚測定1つ例にとっても、レシピや装置構成、試料位置と装置状態などの説明が必要になる。入力されたパラメータがあるシステムにとっては重大な故障となるかもしれないが、他のシステムでは完全に許容できる場合もある。
 Sematech主催のAEC/APCシンポジウムでSeungjun Lee氏は、韓国Samsung Electronics社の課題は新規の装置をできるだけ早く立ち上げて使用できるようにすることであったと説明している。4)Samsungはそれぞれの装置に入力パラメータモデルを作成し、過去の故障データと処理したウェーハの評価データに統計アルゴリズムを適用させた。これにより、技術者は新しい装置の測定と過去の測定例との比較が可能になり、装置の検証を簡略化することが可能になった。
 65nm以降のデバイスを考えた場合、工場の管理者と技術者はさらに厳しい制御を必要とするような複雑なプロセスにしたくないと考えている。うまく機能すればプロセス制御は効果的に能力を増大させる手段になり、製品を市場へ投入するまでの時間を短縮することが可能になる。先端プロセスについてはもはや選択的なものでなくなり、工場の経済的な成功を実現するための主要な手段となっている。

謝辞
 
 著者はKLA-Tencor社のArun Chatterjee氏、Murali Narashimhan氏とKevin Monahan氏に感謝する。
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Becky Pintoは、米KLA-Tencor社のコーポレートマーケティンググループのシニアディレクタを務めている。1993年に入社以来、ウェーハ検査や表面計測、膜計測部門でアプリケーションやマーケティング、エンジニアリングの各部署で活躍している。同氏は米スタンフォード大学応用物理分野での博士号を取得し、半導体装置や装置産業の分野で多くの論文発表や口頭発表を行ってきている。
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参考文献
1. J.S.O. Hewett, C.A. Bode and R.J. Chong,“Design for Controllability: Immersion Lithography,”AEC/APC Symp., Sept. 18-23, 2004.
2. R.C. Leachman and S. Ding, “Integration of Speed Economics Into Decision-Making for Manufacturing Management,”unpublished draft, UC Berkeley, 2004.
3. R.C. Leachman and C.N. Berglund, “Systematic Mechanisms-Limited Yield Assessment Survey,”Competitive Semiconductor Manufacturing Program, UC Berkeley, 2003.
4. S. Lee, Y. Jang, C. Park and H. Kim, “An Application of FDC for the Rapid Equipment Set-Up of New Mass Production Line,”AEC/APC Symp., Sept. 18-23, 2004.

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