無償購読申込・変更
Email Newsletter登録
記事検索

検索方法の詳細



2006年2月号
65nm以降のFEOLにおける欠陥検査の課題を
3Dレーザー明視野検査で克服
Ariel Ben-Porath
Nurit Raccah
米Applied Materials社
www.appliedmaterials.com
 微細化に伴い欠陥サイズも小さくなってきている。65nmでは30nmの欠陥が歩留まりに致命的な影響を与えるようになっており、半導体業界は生産性を落とさず十分な検出感度の両立という新たな課題に直面している。3Dレーザー明視野検査のような新しい技術を適用すると、スキャンと同時に画像化することができ、広範囲にわたって致命的欠陥を検出することができる。
* * * *
図1 PMT検出器は低い光量でも非常に効果的に検出することが可能で、微小な欠陥に対して高い感度を持っている。に示したようにPMT検出器はCCD検出器の検出限界以下の信号を検出することが可能で、ノイズフリーで最大百万倍(利得)の増幅を行うことができる
図2 明視野モードと3次元モードを同時に行うと1回のスキャンであらゆる欠陥種を検出することができる。平面的な欠陥は光をよく反射するため明視野チャンネルで検出される。一方、微小な残渣欠陥はレーザー光を散乱するため、3次元チャンネルで検出される
 65nmノードへの移行はかなり進められてきたが、半導体業界は歩留まり低下の原因となる欠陥に関していまだに多くの新たな課題に直面している。プロセスステップの変更だけではなく、RET (Resolution Enhancement Technology のはず)への依存度が大きくなる中、FEOLのプロセスステップの中には欠陥密度の低減が最優先となっているものもある。これらのプロセスステップの中にはSTI(Shallow Trench Isolation)やポリゲート形成がある。この2つのプロセスは65nmへの移行に伴いプロセスウィンドウがさらに狭くなり、新しい欠陥メカニズムの発生という2重の影響を受けている。このため、これらのプロセスレイヤーに対してこれまで以上に高感度な検査が必要になっており、従来の光学式検査装置は必要な感度を得るために検出能力を上げることが要求されている。多くの欠陥タイプは30nm程度の大きさで、低い誤検出率で検出されなければならない。さらに、量産段階だけでなく立ち上げ段階においても、より多くのサンプリングができるように検査装置は効率的に使用されなければならない。

明視野検査と3D高解像度検査

 65nm以降ではウェーハ1枚あたりの検査コストを増加させずに、現状のトレードオフとなっている感度とスループットの関係を克服すべく、迅速な欠陥密度の低減が可能なウェーハ検査ソリューションが、DRAMやフラッシュメモリー、ロジックなどを製造する全てのデバイスメーカーから求められている。このため、高解像度にて、シングルスキャンの検査で複数の欠陥種を捕捉できる、新しい検査技術の導入が進められている。この新しい検査技術は高解像度により微細な欠陥を検出することができる能力を備えているだけでなく、明視野検査による平面的な(浅いパターン)欠陥と3次元検出による立体的な欠陥を同時に行えるため、従来の光学検査装置よりも検査能力が非常に高い。
Advertisement
 明視野検査の特徴である微小ピクセルサイズと高い開口数(NA)を保持するために、立体的な欠陥検出する能力に加え複数の新しい技術が適用されている。遠紫外線(DUV)レーザー光源を用いることによりこれまで得られなかった輝度レベルを得ることが可能となり、光電子増倍管(PMT)検出器により明視野および3次元検出の両方に必要な感度を確保することができる(図1)。高輝度レーザー源は十分な照明能力を備えているため、反射光と散乱光の両方を集光することが可能となるため、複数の欠陥種を検出することができる(図2)。

図3 ゲートエッチ(GE)のパターン欠陥。ポリラインの細り(左のSEM写真)とポリラインの断線(右のSEM写真)の光学的特長は全く異なる。平面的なライン細りの場合反射光であるが、断線ラインの端部では多くの光散乱が生じる。したがって、この2つの欠陥を検出するためには明視野と3次元検出の両方が必要となる
図4 65nmノードのSTI構造は、明視野または3次元チャネルでパターンとして観察することができる。右端の写真に示すように、干渉光パターンをブロックすることで実質的にパターン無しウェーハと見做すことが出来、30nm程度のボイド欠陥を高感度で検出できる。このようなボイド欠陥が後のプロセスに影響し致命的なショートを引き起こす原因となっている
ゲート形成工程への適用例

 同時検出アプローチの重要な適用例の1つにゲートエッチング(GE)レイヤーである。このレイヤーではポリラインの断線や細りは歩留まりに大きく影響するためモニターしなければならない2大欠陥である。このレイヤーは最も厳しいパターニングの1つであるため、感度に関して熟慮した明視野検査を行うことが要求されている。図3に示した2つの欠陥は同じ欠陥メカニズムにもかかわらず光学的な信号は異なる。この2つの欠陥に対して高いキャプチャレートを達成するために、従来の方法ではマルチスキャンや複数の検査装置を使って検査が行われていた。これら欠陥をシングルスキャン(1回の検査)で同時に検出することが可能になれば、ウェーハ1枚あたりの検査コストを50%削減することができ、さらに結果を得るまでの時間も50%短縮させることが可能になる。

STI形成工程への適用例

 致命的欠陥の検出が極めて困難なもう1つの例として、65nmノードにおけるSTIレイヤーがある。高密度プラズマ(HDP)プロセスによって30nm程度のボイドが発生すると後のプロセスステップに影響し、その結果トランジスタ間でショートが発生することがある。HDPプロセスの安定性に起因するこのボイドは、後のCMP(Chemical Mechanical Planarization)工程で表面に出てきて見えるが、その大きさは設計ルールに比べて非常に小さい。従来の明視野検査の物理的な検出限界以下の欠陥に対しても、STI構造に起因する検出光干渉パターンをブロックすることにより散乱光の検出感度を非常に高くすることが可能になった。この干渉パターン(Lobe)をブロックする事により、いかに微小な致命欠陥を検出することができるかを図4に示した。

検出感度と生産性の両立
図5 65nmノードの反射防止層(DARC)は、300nm以下の波長で下層への透過光を最小限にするという光学的特性を持っている

 これまでに挙げた例で、全てのデバイスのFEOLにおいて高感度検査の重要性を説明してきた。検査結果を短時間に得ることができれば、低歩留まりによる経済的な損失を最小限に抑えることができる。ウェーハやウェーハプロセスにかかるコストの増加に伴ってもう1つの傾向に、露光後の検査の増加がある。具体的に致命的欠陥が検出され、ウェーハもしくはロット全体を修正するためにリソグラフィ工程のやり直しを行う場合である。フォトレジストの検査はかなり難しいため、以前はリソグラフィモジュールのモニタリングや特定の改善プロジェクトなど限られた場合のみ検査が行われていた。
 65nmノードでは、欠陥のあるウェーハを再処理できるように製造フローの1部として露光後の検査(ADI(After-Develop Inspection)と呼ばれることもある)を行っているデバイスメーカーも数多くある。この検査ではブリッジ(短絡)や突起、ラインの倒壊、コンタクト未開口など、致命的なリソグラフィ欠陥の検出を目的にしている。フォトレジスト表面は反射率が低いため十分な照明量が必要になるが、敏感な膜にダメージを与えないように厳しく管理する必要がある。
 しかし、内部に高いゲインを持つ高感度の検出器を適用することにより、低い光量でも感度を犠牲にすることなく30nmレベルの致命的な欠陥を検出することができる。これには反射防止層の特性も考慮に入れなければならない。
 また、図5に示したように適切な波長を使用することにより、フォトレジストの下層からの反射を最低限にすることができる。典型的な2種類のレジストにおける欠陥検出例を図6に示した。
図6 フォトレジストの検査で、2種類の典型的な欠陥が検出された。ウェーハの再処理が可能になるので、この検査工程が経済的な効果を上げることができる。KrFフォトレジスト上の30nmの突起欠陥(左図)とArFレジストにおける40nmのブリッジ欠陥(右図)が検出された例を示している

まとめ

 65nmノードへの移行に伴って生じた欠陥検出や欠陥低減は、軽視すべきでない課題である。最新の高解像度検査は、平面的な欠陥検出に明視野検査と立体的な欠陥検出に3次元検査を組み合わせ、必要な感度を得るために、特殊な検出器だけでなく波長の短いDUV光源を使用している。30nmレベルの欠陥は歩留まりに致命的な影響を与えるため、高歩留まりを実現させるためには必ず検出しなければならない。
 ポリゲートやSTIのようなFEOLプロセスにおいて3Dレーザー明視野検査を行うと、1回のスキャンで同時に画像化することができ、幅広い欠陥種にわたって致命的欠陥を検出することが可能である。最新の3D集光チャンネルを適用したことにより解像度は改善され、最先端のフォトレジストの場合でも最小30nmのリソグラフィ欠陥を効率よく検出することができる。
 65nm以降でも光学検査技術が高歩留まりと迅速な製品立ち上げを実現させる上で重要な役割を担っていくことは間違いない。また、3Dレーザー明視野検査のような新しいコンセプトが、Mooreの法則に従って継続的に縮小化を進めていく上で必要になっている。
* * * *
Ariel Ben-Porathは、米Applied Materials(AMAT)社のProcess Diagnostic and Control(PDC)ビジネスグループの戦略マーケティングディレクタを務めている。同氏はイスラエルWeizmann Instituteでコンピュータサイエンス/ブレインリサーチの修士号を取得している。
Nurit Raccahは、AMATのProcess Diagnostic and Control(PDC)ビジネスグループのウェーハ検査部門プロダクトマーケティングマネージャを務めている。同氏はイスラエルHebrew大学でテクノロジマネージメントの修士号を取得している。

HOME | SI(日本版)について | 無償配付申込・変更 | サイトマップ | お問い合わせ | 広告掲載について | 関連サイト