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2006年2月号
改良型デイジーチェーンテストダイによる
信頼性ストレス試験
Carlo Grilletto,
Jed Bayking
米LSI Logic社
www.lsilogic.com
 特殊な設計が施されたダイを使ってパッケージおよび組み立てを行うことで、加速ストレス試験によって生じる全ての熱および機械的な故障を捕らえることができる。製品チップの使用と同一結果が出せるため、ストレス試験や故障解析が容易になる。
* * * *
 パッケージング技術開発では、最も早い段階でストレス試験を行うことが不可欠だ。しかし、その試験には必ずダイを取り付けたパッケージが必要となる。特に、多様な有機材料を使ったフリップチップ技術では、ダイを取り付けることで独特な熱機械的な歪みをテストする必要がある。一般的には、デバイスを予定通り開発を完了にするために、パッケージ開発はデバイスの開発と同時またはそれ以前に完成していなければならない。
 米LSI Logic社は、加速信頼性ストレス試験の全ての段階において使用することができる改良型デイジーチェーンテスト(MDC:Modified Daisy Chain)ダイを開発した。このMDCを使用し過去6年間、デバイス開発、認定、そして信頼性モニターを行い成功を遂げている。
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MDCに対する要求

 テストダイは、容易に設計および製造ができ、さらに以下の条件も満たさなければならない。
●フルストレスおよびパッケージのテストを行えること
●全てのダイパッケージで相互作用的なストレスをテストできること
●全てのパッケージの金属的、機械的および化学的ストレスをテストできること
●標準的な自動検査装置(ATE)でテストできること
●故障解析が容易であること
●2次試験に適応できること
 パッケージ信頼性テストにはJESD47に記載されているJEDEC標準試験をだけでなく、ビア/湿度/温度や高度加速ストレス試験(HAST)、不偏ビアHAST、温度サイクル、高温保存寿命、構成温度サイクル、2次温度サイクル、温度衝撃などの試験も含まれている。
 デイジーチェーンチップの目的は、パッケージングと組み立て工程で、効率的にストレスおよび電気的なテストが行われることにある。故障部分は簡単に特定されなければならない。これらの条件を満たすために、MDCの設計には以下に挙げる基準が考慮されていなければならない。
●近接トレースの最大ペアに逆バイアスをかけられること
●全てのVssおよびVdd面に電気接点があること
●チップ割れを検知できる履歴機能があること
●ビアとメタルの接合の完全性と影響をモニターすること
●フリップチップのダイ再配線層へのストレス効果をモニターすること
●ダイ起因の歪みをモニターすること
●一般的な熱機械ストレス効果をモニターすること
●ダイおよびアンダーフィルの接着性をモニターすること

MDCのデザイン

 デイジーチェーンダイは、加速ストレス試験によって生じる全ての熱機械の故障を捕らえるように設計されている。この目的を果たすため、MDCが実デバイスと同じメタルおよびパッシベーションを適用した。必要であれば、ビア接合や再配線層を加えた。MDCダイのパッケージおよび組み立ては、実デバイスと同じ場所で同じ粘着性を持った材料を使用し、実デバイスと同じように行われた。
 図12は、ボンドパッド用のビアを複製する2層メタル配線構造を持ったMDCのボンドパッドの設計図で、チップがダイボンディングで生じた全てのボンディングストレスを受けるようになっている。また、ダイ割れのモニタートレースも表している。
 313デイジーチェーンダイは、メタル2層(M2)およびメタル3層(M3)で構成された2つのメタル層が設置されており、当社のSiメタル構造の1つを表している。サイズは9×9mm。2つのパッドが2つ1組になって連なった256個のボンドパッドがあり、トータルで128個のチェーンとなっている。
 チェーンは長さによって変わり、ビア試験用に交互パッドを接続している短いチェーンループから、ダイの中心を横切る長いチェーンループまである。長いチェーンはダイ割れの検知として機能している。これらは、4つ全ての部分を覆うようにダイの中心および角に配置されている。
 図3に1517個のボールと512個のディジーチェーンを持つフリップチップMDCを示す。ダイのサイズは10milパッドピッチの12.6×12.6mmである。全てのチェーンループは同一のサイズであり、ダイは一つのメタル層のみで構成されている。
図1 313 BGAワイヤボンド改良型デイジーチェーン(MDC)ダイ

加速ストレス試験

 MDCでの加速ストレス環境パラメータは、アクティブダイを使用した場合と全く同じである。
 バイアス/湿度/温度試験−バイアス/湿度/温度試験(HASTを含む)に関しては、MDCは高品質のテストとして有効だった。全てのパッケージトレースは両側に逆バイアストレースのバイアスがかけられている。これにより、イオン移動への最大表面積およびリーク電流経路の間接的に影響される。また、腐食しやすい全ての構造をテストできるようになっている。各グランドおよび出力面には、全ビアアイソレーションリングが、起こり得るであろうビア〜面間および面間のリークをテストできるようバイアスがかけられている。リーク回路もしくは樹状突起の融解を防ぐため、最大リーク電流には上限を設けることができる。一方、バイアス電圧は製品チップでは不可能であるレベルにまで増加できることになる。さらに、バイアスは続けてON状態にすることができ、可能性のあるリーク場所全てに絶え間なくストレスをかけることができる。デバイスはESD故障を被ることはない。
 回路が簡素な直接路によって構成されているため、リークまたはループ抵抗はストレスサイクル中継続的に監視できる。また、MDCには流れている電流がないことから、ケルビン自己発熱/乾燥はなく、すべてのパッケージ/組み立ては意図した湿気条件の影響下にある。このため、バイアスのかかったHAST試験中の不偏HASTと同様に、デバイスは同じストレス、関連の湿度と温度によって変わる。バイアスの有無に関係なく同じ温度でHASTのテストが行われるため、電気化学vs.ガルバニック作用もしくは直接化学分解の評価が行える。
 これらの理由によって、MDCは腐食・オープン故障、特に電気化学腐食に対して優れたテスト手段といえる。また、この構造は非バイアスHASTまたはオートクレーブでも効果的な構造である。
 温度サイクル− MDCは標準の熱サイクル試験でも使用可能。全ストレスポイントがテストされ、隔離できる。さらに、温度サイクル試験中に2次的試験または連続抵抗モニターを行なうことができる。全てのピンでの監視も行うことが可能である。
 MDCは以下の項目をモニターすることが可能である。
図2 313 BGA MDCにおける左上部分の拡大図
●ダイ取り付けまたは下地劣化
●複数方向でのダイ割れ
●基板劣化(トレースおよびビア)
●2次的劣化
 その他の長所は、ワイヤボンドのデバイスでは、特定パッケージ用にデザインされたものではなく、異なるボンドフットプリントのMDCが使用可能となっている。選択性のあるボンドパッドのみを選ぶこと、ワイヤボンド指示角度を変更することで適用でき、新しいダイを設計することなく異なるダイサイズで熱機械ストレス効果を求めることができる。
 高温保存寿命−高温保存寿命ストレス試験と関連する主要の故障メカニズムは、金属拡散および金属間化合物の形成によって発生する。全ての金属間の界面や接合部が実デバイスと同一仕様となっているため、アンダーバンプの金属化(UBM:Under Bump Metallization)やAu線/Alパッドのような全ての界面は効果的にテストされる。

電気的試験

 MDCは、手持ちのマルチメータからケルビンメータ、自動抵抗計またはATEまで広範囲の試験方法での試験を可能にしている。テストでは、基本的に抵抗の変化が測定される。
 基板もしくはダイ接続におけるパラメトリックの変化は、実デバイス試験の場合のようなしきい値故障ではなく、時間の経過による劣化の関数として監視される。MDCによって2次的TC試験で行われるようなリアルタイムの劣化監視という選択肢が与えられる。これによって、より効果的なパッケージの動作寿命予測が期待できる。

故障解析

 MDCは故障解析を非常に簡素化している。パッケージの信頼性評価で実デバイスを使用するにあたっての主要問題の1つは、ダイの故障なのかパッケージの故障なのかを見極めることである。これは特に、アンダーフィルのエポキシ材料にチップが下向きで組み込まれているフリップチップでいえる。MDCが必要最低限量のメタル層を持っていることから、赤外線反射顕微鏡による検査技術を使用してダイと基板の範囲を検査することが可能である。1)
図3 517フリップ・チップデイジーチェーンダイの左部分の断面図
 ワイヤボンドのオープンおよびショートは、始めに故障しているループピンのペアを特定し、その後封止膜を剥離することによってボンドワイヤを剥がし、ワイヤを切断し、以下に挙げる項目の抵抗を測定することで容易に特定できる。
●ピンと接続されているボンドワイヤ間
●ピンとピンの間
●ワイヤボンドとダイにまだ取り付けてあるワイヤボンドのワイヤセグメント間

結論
 
 MDCは、必要最低限のコストおよび最短の時間で、効果的に異なるパッケージデザインの信頼性評価を行うことができる。またLSI logicでは信頼性モニターにMDCを使用しており、簡素な電気回路であるため、さまざまなパッケージ組み立てにおいて容易に電気試験ができるようになった。
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Carlo Grillettoは、米LSI Logic社のCorporate Reliability担当プロジェクトマネージャ。信頼性テスト方法と先端パッケージ設計の寿命予測の責任者となっている。電子機器業界で25年以上の実績を持つ。
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参考文献
1. C. Grilletto et al., “Infra-Red Microscopy for Daisy Chain Flip-Chip Device Failure Analysis,”ISTFA, 2004.

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