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2006年3月号
FIBのインライン欠陥解析で、
サイクルタイムが大幅に短縮
Jermy Zelenko
Ariel Ben-Porath
米Applied Materials社
www.appliedmaterials.com
 65nm以降になると欠陥もさらに微細になり、また新材料の導入に伴って新しい欠陥が発生するようになった。今日では欠陥の発生原因を迅速に特定し早急に歩留まりを上げることが要求されている。インラインの全自動レビューSEMにFIBをインテグレーションさせることで生産ラインに導入されるようになった。これにより解析のサイクルタイムの短縮や迅速な歩留まりの立ち上げが可能となり、現在では一般的に適用されるようになっている。同時に分析を行うために工場の外にウェーハを出すコストも削減することができる。
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 微細化が65nmへと進むにつれ高性能なデバイスを製造するだけでなく、歩留まりを迅速に立ち上げコスト効率を上げることが、一層難しくなっている。歩留まり低下の原因となる欠陥サイズが30nmと微細化され、これらの欠陥を検出するコストも同時に増加してきている。このため、効率よく欠陥解析や原因解析を行うことができる技術が注目されるようになってきた。
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 これまで技術ノードが変わるたびに欠陥モニタリングにおいても2つのパラダイムシフトが起こり、それぞれが画期的なことと思われていた。まず、最初のパラダイムシフトは(2番目の変化に比べれば大きな変化ではないが)インライン欠陥検査装置の導入である。それから10年も経たないうちに2番目の変化が起こった。それはインラインの欠陥レビューSEM装置が製造ラインの一部として導入されたことである。
 今現在、インライン欠陥分析において3番目の変化を迎えようとしている。FIBによる断面加工観察機能を搭載した全自動インラインSEMとホストの分析技術を組み合わせることにより、半導体製造工場は製造ラインで発生する全ての欠陥検知や特定、原因分析を行うことが可能なシステムを構築することができるようになる。製造工場で歩留まりや生産性への要求が大きくなっているため、欠陥検査装置にはインラインでの欠陥検知から特定、分析までのリアルタイム技術が必要不可欠になっている。
 長い間、全自動レビューとエンジニアリング機能を最適に組み合わせたインラインSEMが、欠陥観察や分類を行う上で標準的に使用されてきた。欠陥観察や分類は以前非常に骨の折れるような作業であったが、自動化や操作性の向上によりこれが可能になった。しかし、技術が進化し、コスト効率の良くプロセス異常を検知するためにタスクも複雑になったため、インラインSEMにもさらに進んだ分析機能が求められるようになった。多くの場合原因究明を行う上で、さまざまな角度から欠陥を観察し材料分析を行うことが最も重要になってきているため、インラインのレビューSEM装置にエンジニアリング用の分析機能が追加されるようになってきた。
図1 全自動SEMによるレビューや分析は、最先端工場で標準的な検査の一部である。FIBを統合させることで、表面下の欠陥の特性と分析を行うことが可能になる
 このような状況の中、米Applied Materials(AMAT)社は高性能インライン分析装置「Applied SEMVision」にFIB機能を組み込んだ。これにより、工場内で閉ループのプロセス異常の管理を行うことが可能になり、分析のサイクルタイムを短縮することができるようになった(図1)。迅速に修正をかけることが可能となるため、非常に大きなコスト効果が得られる。また、分析を行うために工場の外にウェーハを出すコストも同時に削減することができる。
図2 従来のデュアルビームSEM/FIBツールは同じ位置を指していたが(図2a)、性能が著しく性能が制限されていた(位置精度、SEM観察性能の低下やパーティクル汚染など)。これとは対照的に、ClearCutでは最新アライメント方式によりSEMとFIB間の分離を補いながら、SEMの性能を最大限に活かしパーティクル汚染を最小に抑えることができる(図2b)

インラインFIBの課題と解決策

 インラインFIBを導入するためには3つの問題を解決しなければならない。まず、FIBアプリケーションは既存のデータフローを変更することなく欠陥分析やプロセス異常解析に付加価値を付けながら、検査装置およびレビュー装置に完全に合わせなければならない。次に、エキスパートやエンジニアに頼ることなく、オペレータが十分にアプリケーションを使用できるように使いやすく、信頼性の高いものでなければならない。最後に、断面観察を行ったウェーハを生産ラインに戻せるように、FIB内に汚染物質(Gaなど)が無いことを証明しなくてはならない。インラインFIBではこれが必要不可欠になっている。断面作製には汚染物質が断面近傍のダイや、同じFIBで後から処理されるウェーハで発見されないように行われなければならない。
 デュアルビームSEM/FIBシステムは特有の問題を抱えていたため、これまで製造ラインに設置されることはなかった。しかし、これらの問題を解決することが可能となったため、FIBは業界標準となっているSEM検査装置と統合することができるようになった。
 まず、インラインFIBの導入を成功させるためには、異常検知やプロセス制御に使用されている検査装置やレビュー装置にうまく統合させることである。検査装置やレビュー装置は高度に自動化されており、歩留まり管理の方法の1つとして、欠陥の検出および分類を効率よく行うために製造ラインに複数設置されている。インラインFIBはこのフローにうまく合わせ即座に利用できるようにし、面倒な欠陥解析を効率よく補完できるようにしなければならない。
 ここで重要なのは、欠陥の種類や場所にかかわらずあらゆる欠陥も断面観察できる能力である。Applied SEMVision ClearCutはデュアルビーム装置の中でユニークな構造を採用しており、すべての欠陥を観察できるようになっている。従来の構造では、SEM観察とFIBの断面作製の両方を可能にするため、同じポイントを指していた(図2)。しかしこの方法ではSEMの能力を大幅に低減させてしまう。この構造ではウェーハを傾けなければならないため、ウェーハのナビゲーションが複雑で全体的に不正確になってしまう。また、多数のパーツを稼動させるためパーティクル汚染など高いリスクが伴う。さらに、SEMとFIBが近いため微細な構造の変化を識別する上で必要な複数の検出器を使用することができない。そのためSEMの性能が低下してしまう。
図3 上から見ると欠陥は同じように見えるが、FIB観察により発生メカニズムが異なることが明らかになった
図4 上記の3つのスタックバンプ異常では、FIBを適用することで製造プロセスのどこで異常が発生したか特定、または可能性のある範囲を絞ることが可能となった
 しかし、ClearCutの構造ではFIBとSEMを離して設置させているため、これらの制限を一切排除することが可能になり、鮮明に観察することができるようになった。オペレータにはSEMとFIBが実際に同じ箇所を指しているように見えるように、高度なナビゲーション技術と画像処理技術を使用してウェーハは自動的に2つのソース間を移動するようになっている。
 もう1つのインラインFIBの特徴として、断面近傍のダイへの汚染や、FIB内および後のプロセス装置のウェーハを汚染させることなく断面を作製することである。この点においてもClearCutの構造は最適化されており、生産ラインで証明されてきた。生産ラインに導入するためにどの技術でも、人的リソースがボトルネックや浪費にならないように一定レベルの使いやすさと自動化の能力を備えていなければならない。インラインSEMのオペレータがなじんでいる自動化のレベルにFIBの自動化を合わせることによって、最小限のオペレータトレーニングで、FIBを導入することが可能となった。

インラインFIBの適用

 AMATがFIBを導入するようになって、インラインFIBの実際の市場が明らかになった。現在では世界中の主要な最先端工場で使用されている。ユーザーの多くは、FIBで断面観察が行われたダイにだけマークをつけて、生産ラインにウェーハを戻すことを承認している。このような承認を得るには、FIB観察したウェーハだけでなく、FIBや後のプロセス装置で処理させる別のウェーハでも、ウェーハ表面および裏面のパーティクル試験や金属汚染試験で合格しなければならない。また、隣接するダイやウェーハ全体で影響を及ぼしていないことを確認するためにパラメトリック歩留まり試験も必要である。インラインFIBは、生産ラインで使用する上で障害となってきたものを着実に排除しながらウェーハを生産ラインに戻し、コスト削減と歩留まりの最適化に大きな役目を担ってきた。
図5 この欠陥は上から見るとは見落としがちだが、高価なEB検査装置で検出されなければ致命的な欠陥となる
 最も一般的なインラインFIBの使い方は、埋没している欠陥の根本的原因を特定することである。欠陥の原因自体は実際には表面下にあるが、これらの欠陥は上から見たときの構造の変化によって特徴づけられる。表面で同じように見える欠陥でも、埋没した欠陥は、実際は異なるメカニズムやレイヤー内で発生している可能性があるため(図3図4)、根本原因を行うことは非常に重要である。
 多くの場合、エッチング後にFIB検査を行うと次のプロセスへ進む前に潜在的なデバイス不良を発見することができる。従来までこれらの欠陥はプロセス後半で電子ビーム(EB)による検査できしか検出することができなかった(図5)。また、致命的欠陥の原因や推定原因を追究するために別の検査や分析が必要になっていた(図6)。
 インラインFIBは欠陥だけでなく、プロセスウィンドウが小さいため多くのモニタリングが必要なプロセスインテグレーションの作業やプロセス最適化、メンテナンスや定期較正後の簡易的な装置間差の確認にも使われている。
図6 EB検査後に電気的欠陥のSEM画像ではボルテージコントラスト像による観察が必要になる。これはラボにあるSEM/FIB装置では見ることができない。断面観察を行うと欠陥の発生源の特定や絞り込みができる。ビアホール中でエッチングが途中で止まる原因となったPRパーティクルの原因究明に、別の検査方法と比べて数時間から数日もの時間を節約できる

まとめ

 低コストで高性能のICを実現するために、以前分析室などのラボにあった分析機能が生産ラインに移動するようになった。増大する要求に応えるため、歩留まり/インテグレーショングループが次第に分析業務の主導権を握るようになった。
 最近組み込まれたインライン分析機能はFIBである。その前には高機能のSEMとX線ベースの材料分析の機能である。全自動のインラインSEMにFIBを統合させることで、工場のエンジニアのツールボックスの一部となり、現在使用している検査装置と非常にかみ合わせることが可能になった。さらに、FIB観察を行ったウェーハを生産ラインに戻す検証を行った結果、インラインでの適用が可能になり、サイクルタイムの短縮やコスト削減、高歩留まりという要求に応えている。
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Jermy Zelenkoは9年前に米Applied Materials社に入社し、現在はレチクル検査グループのアプリケーションおよびマーケティング担当している。1年前までは欠陥レビューSEM装置のマーケティングマネージャを務めFIB製品の開発に従事した。同氏はイスラエルのBen Gurion大学で材料工学の学士号、英Bradford大学でMBAを取得している。
Ariel Ben-PorathはAMATのPDCビジネスグループの戦略マーケティングディレクタを務めている。同氏はイスラエルWeizmann Insituteでコンピュータサイエンス/ブレインサーチの修士号を取得している。

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