近年、携帯電話などのデジタル・モバイル機器に使用されるSiP(System in Package)の普及に伴い、100μm以下のチップ厚みの製品が実用化されている。また被加工物であるSiウェーハの直径は300mmに移行してきており、ウェーハの大口径化と薄化要求とが相まってウェーハ薄化の難易度はますます上がっている。そのため、薄ウェーハおよびチップの組み立て工程での歩留まりを向上させる技術が重要となっている。ここでは今後の更なるパッケージの高集積化・薄化を見据えたウェーハ薄化技術、ストレスリリーフ技術など、次世代デジタル・モバイル機器向け半導体デバイスの薄化ソリューションを紹介する。
バックグラインド工程でウェーハの薄化に対応するためには、研削装置仕様・研削砥石・研削アプリケーションの三つの要素の最適化が重要となる。装置仕様として具体的には、研削水の加工点への供給方法を従来の研削砥石から供給する方法ではなく、ノズルを使用して加工点へピンポイントで供給する仕様を採用することなどが挙げられる。また特に搬送系においては、粗研削加工が終了したウェーハを仕上げ研削加工室に移載する際、深いダメージが入ったウェーハを破損させないようにするため吸着テーブルから外さず、ターンテーブルの回転によって仕上げ研削加工室に運ぶ方式が採用されている。他にも薄化後のウェーハの搬送のために大口径バキュームパッドの採用、加工後の吸着テーブルからの受け渡しタイミングの最適化などを行う必要がある。また、装置内での搬送以外にも次工程へ安全に搬送することも考慮しなければならず、人の手を極力介在させないインラインシステム(写真2)なども有効な解決手段となっている。装置間搬送用カセットに、ウェーハが挿入されるスロット間隔を広げたダブルスロットカセットの採用も進んでいる。このような装置仕様の改善以外にもウェーハの強度低下や反りに対しては、デバイス回路面保護テープのサポート性の向上や、WSS(Wafer Support System)と呼ぶ硬質支持体にウェーハを貼り合わせる手法などもある。
粗研削用砥石においては、デバイス形成工程である前工程で、ウェーハの裏面側に回り込んだ酸化膜や窒化膜ごとSiを研削することが重要になっている。研削除去量の大部分を担い、装置の処理能力に影響するため高速研削加工性を維持し、さらには低ダメージ化をも考慮する必要がある。例えば、従来のセラミック系ボンドから樹脂系のボンドに変更することで低ダメージ化を図り、エッジチッピングが抑制できる砥石が採用されている(図2)。