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2006年6月号
Inspection, Measurement and Test
スイスアーミーナイフ方式との決別?
Alexander E. Braun
* * * *
 スイスアーミーナイフにはさみやミニノコギリ、ドライバー、缶切り、コンパスなどいろいろな道具が付いているので、子供の頃、スイスアーミーナイフがあれば何でもできると思っていた。
 半導体計測装置にもスイスアーミーナイフのような時代があった。数年前の計測装置には、どうにかウェーハベースの測定ができる計測器がいくつも付いていた。このような計測器はラボに置かれ、開発部門と製造部門で共有されていた。1カ月のウェーハ計測量が数百枚から数千枚になると、計測装置は製造部門に占有され移管されていった。
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 1台の計測装置に反射光測定や偏光解析法を行える光学系や単一波長および広帯域(DUVやVUV)レーザーなど複数の機能が備えられているため、屈折率(n)や消衰係数(k)、の応力測定に使用されていた。また、光波散乱計測や3次元形状測定といった機能も備わっているかもしれない。このような計測装置は広範囲のパラメータを測定するため、1〜2台の装置で製造ライン全体をカバーできるように計測専用のエリアが作られる。しかし、スイスアーミーナイフと同じように、ほとんどの場合1〜2つの「刃」しか使われない。残りの「刃」はほとんど使用されることはない。
 スイスアーミーナイフ的な測定技術はサプライヤにとって大きな課題になっている。複数の技術や機能を搭載するのはメーカーに非常に困難なことである。透過性薄膜の計測分野で加速している企業合併はこれを裏付けている。これにより開発が促進され、低スループットで複雑な計測装置を改善することができる。一方、微細化に伴って必要なプロセス制御工程の稼働率が高くなり、1ベイ当たり装置1台になりつつある。ゲート酸化膜やゲート窒化膜の濃度測定には特別な機能が必要になる。
 製造現場では、ますます単一目的の「刃」しか使われなくなってきている。CMPでは、装置組込型の光学計測技術で膜厚と均一性を計測することができるようになり、閉ループ制御が可能になった。装置組込型計測器(IM)はもう1つの「刃」と言える。IM を使用すると1つのタスクを高精度かつ高感度で実行でき、少ないコストで組み込むことができるようになる。それは目的の制御パラメータと関係のないパラメータの計測能力の間でトレードオフがないためである。
 このアプローチはエッチングの終点検出で確立された手法だ。組込型計測およびin-situ測定技術の採用は、CVDの膜厚制御やCMPのパッド計測といった分野で加速している。IM膜厚モニターはカスタマイズされたアルゴリズムを備えたセンサーを使用し、CVDやPVD、エッチング、CMPなどの重要なプロセス制御に適用される。パターン認識と高精度ステージは、複数の膜を処理することが可能なデコンボリューションアルゴリズムを使った固定位置でのダイの形状測定に替わり消え去る運命にある。例えば、極薄の膜厚測定にはXRFやその他のX線分析法、つまり単一目的のソリューションがますます求められてきている。価格はスイスアーミーナイフ的な多機能の計測装置の10分の1という安価で、測定速度はウェーハ当たり2秒、平均故障間隔は数千時間という能力を備えている。
スイスアーミーナイフ的なアプローチの装置に代わり、単一測定のために設計された装置が、低価格で高速という理由で特に装置組込型計測器の分野でますます使われるようになっている
 多機能な装置が消え去ることはないだろう。しかし、そういう装置は単一目的の計測装置や装置組込型計測器と補完しあう存在となり、それら全て使用されるという状況になりつつある。

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