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2006年7月号
リアルタイムモニタリングによる
リモートプラズマ洗浄の最適化
K. Heger, T. Grau, F. Weber
独Infineon Technologies社
S. Becher, J. Weber
米Novellus Systems社
A.D. Johnson, M.I. Sistern
米Air Products and Chemicals Inc.社
 W CVDチャンバ洗浄に使用されるNF3系プロセスが、ガス費用の削減や所要時間短縮のために最適化された。
米Air Products社のエレクトロニクス特殊ガス製造施設におけるISOチューブトレーラー充填エリア
(ペンシルベニア州ホームタウン)
* * * *
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 NF3は、半導体製造のチャンバ洗浄プロセスでよく用いられている安定した不燃性ガスである。我々は、W成膜後、米Novellus Systems社のCVDチャンバ「Altus Concept 3」の洗浄に使用されるNF3系プロセスを最適化するため、独Infineon Technologies社の300mmウェーハ製造施設で研究を行った。目標はCVDチャンバ洗浄に必要なガス費用の削減と時間短縮の両方またはいずれか一方を満たすことであった。
 FTIR(フーリエ変換赤外分光法)とQMS(四重極質量分析)で、プロセスポンプのチャンバ洗浄プロセス下流を監視した。これらの測定によって各チャンバ洗浄のプロセス排出や洗浄時間を決定した。我々の戦略は、NF3ガス流量、Ar/NF3比率, 圧力、温度の関数としてのPFC(パーフルオロ化合物)排出と洗浄時間に関して、応答曲面を構築することだった。これらの応答曲面を解析することで、洗浄時間を変えずにNF3ガス使用量を大幅に削減するプロセスを突き止めた。さらに、NF3ガス使用量を変えずにチャンバ洗浄を高速化することもできた。
 基本的な洗浄プロセスと同じ温度を維持することで、洗浄時間を変えずにNF3ガス使用量を22%削減することに成功した。PFC排出も28〜43%削減できた。チャンバ洗浄中にペデスタル温度を460℃に上昇させることで、洗浄の高速化とNF3ガス使用量削減が可能となった。基本的なチャンバ洗浄と比較して、高温洗浄ではエッチ速度が38%向上し、PFC排出は13%削減された。
図1 チャンバ洗浄中のFTIR測定による濃度プロファイル
図2 チャンバ洗浄中のQMS測定による濃度プロファイル
 チャンバから排出されたWF6の容積測定で示されているように、最適化されたチャンバ洗浄では、CVDチャンバからすべてのW残渣を取り除いた。

実験法

 W膜は300mmウェーハ対応のNovellusのCVD装置「Altus Concept 3」で成膜された。DOE(実験計画法)に基づき必要な時間を短縮するため、W膜を10μm堆積後、チャンバ洗浄した。その後、リモートNF3プラズマがチャンバ洗浄に使用された。基本プロセスは以下の通り。
 NF3(2000sccm)、 アルゴン(3000sccm)、3.0Torr、415℃、終点+10%光学終点(OE)
 DOEによって確認された最適化プロセスは、引き続き50μmW膜でも評価された。
 排出測定はプロセスポンプ下流でFTIRとQMSを用い行われた。プロセスポンプ排気部でサンプリングされたので、プロセス排出はN2ポンプパージによって希釈される。サンプルガスはFTIRセル、そしてQMS注入口へ供給され、毒性/腐食排出物に戻された。サンプル圧力(〜750Torr)は測定バルブで制御され、キャパシタンスマノメータで測定された。

NF3とWF6のFTIR測定

 NF3とWF6の濃度はオンライン・マルチガスFTIR分光計を用いて決定された。これによりリアルタイムの量的排出監視が可能である。ガスセルの温度と圧力は150℃、1.0気圧で制御された。報告濃度は測定中の温度と圧力による誤差を補正される。
 NF3濃度を確定するために使われた吸光度領域は870〜930/cmで、分析法で用いられた基準スペクトル濃度は100ppm.mである。FTIR装置はInfineonで1%NF3ガスを基準としてNF3に対して校正された。検量線は、濃度< 10,000ppmにするため動的希釈法で測定された。NF3校正はレンジ0〜10,000ppmで線形である。
 WF6測定に使用された吸光度領域は690〜729/cmで、分析法で用いられた基準スペクトル濃度は227、465、899、1324、1755、2640、3786 ppm.mである。
表1 最適化チャンバ洗浄プロセス
50μm堆積
インフィニオン
低速1
低速2
高速
NF3(sccm)
2000
1600
1600
2200
Ar(sccm)
3000
650
1600
1100
P(Torr)
3.0
1.0
1.0
2.0
温度(℃)
415
415
415
460
WF6排出(scc/μm)
2647
2643
2824
2580
エッチ速度(Å /min)
(変化)
3279
(-)
3367
(+3%)
3375
(+3%)
4512
(+38%)
洗浄時間(秒)
(変化)
152
(-)
148
(-3%)
148
(-3%)
111
(-27%)
PFC排出(MMTCE)
262×10-9
(-)
149×10-9
(-43%)
188×10-9
(-28%)
229×10-9
(-13%)
ガス使用量(L)
(削減)
335
(-)
261
(-22%)
261
(-22%)
268
(-20%)

NF3とWF6のQMS測定

 チャンバ洗浄は300 amuマスフィルタを備えた差動排気UTI Qualitrace QMSで監視された。QMSは主にF2排出の監視とNF3排出の検証に使われた。
 QMS装置は1%ガスを基準としてNF3に対して校正された。検量線は、濃度< 10,000 ppmにするため動的希釈法で測定された。NF3校正はレンジ0〜10,000 ppmで線形である。QMS装置はいかなる感度変化にも対応するため毎日校正された。
図3 チャンバ洗浄中に測定された赤外線吸光度スペクトル
図4 チャンバ洗浄中に測定された質量スペクトル
QMSはF2に対して校正されなかったので、F2排出容積(scc)は確定できない。しかし、F2プロファイルを用いると終点がよく検知でき、洗浄時間測定に使用できる。

洗浄時間測定

 チャンバ洗浄の目的はWF6のようなW残渣を揮発させることである(図1)。それゆえ、WF6の総排出量が分かれば終点監視に役立てられる。WF6濃度はFTIRで測定された。FTIR終点の定義は、チャンバ洗浄中に排出されたWF6の95%が除去される時間とした(すなわち、WF6総排出量が計算され、この値の95%に達したときがFTIR終点である)。
 洗浄時間はQMSを使用しても決定できる。フッ素F2排出は38 amuでチャンバ洗浄中に監視され、洗浄時間は濃度プロファイル(図2)から得られる。チャンバ洗浄の開始はグラフ中NF3線が急増しているところである。チャンバが洗浄されている間、WエッチングにFが使われるのでF2はほとんど排出されない。しかし、CVD残渣が除去されるので、F2濃度が上昇する。終点はF2濃度がオーバーエッチング値の95%に達する時と定義される。
 洗浄時間の測定にはFTIR(WF6)とQMS(F6)が使われた。これら2方法では終点基準が異なるので洗浄時間も微妙に異なるが、それぞれの測定の間には優れた整合性がある。もし各終点基準に微小な変化が起これば、洗浄時間値は完全に一致する可能性もある。
 プロセスポンプの下流で測定が行われるので、プロセス副生成物はN2ポンプパージによって希釈される。排出容積(scc)を確定するため総ガス流量を知ることは重要である。ポンプパージは、ガスパネルからNF3(2000、1500、1000、500 sccm)を流しポンプ排出物中のNF3濃度を測定することで決定された。希釈係数(50、340 sccm)はNF3濃度vs.NF3ガス流量の傾きから得られる。
表2 基本チャンバ洗浄のプロセス排出と洗浄時間
W堆積
10μm
53μm
NF3(scc)
8008
37,819
WF6(scc)
30,926
155,155
PFC(MMTCE)
44×10-9
262×10-9
洗浄時間(秒)
1989
9728
エッチ速度(Å/min)
3089
3279

排出容積と環境への影響

 NF3洗浄の副産物は未使用のNF3、WF6、F2、HFである。FTIR(図1)とQMS(図2)のプロファイルはWチャンバ基本洗浄中のNF3、WF6、HF、F2の濃度を示している。NF3測定にはQMSとFTIRの両方が使用でき、これらの間に優れた一致がみられる。
 排出物中のNF3を観察するとチャンバ洗浄の開始が示されている。一度電力が供給されるとチャンバが洗浄されるのでWF6濃度が急激に上昇する。終点でWF6濃度は基本レベルに戻る。F2もNF3プラズマエッチの副生成物として発生する。終点でF2濃度はオーバーエッチング値に達する。
 排出容積は濃度プロファイル(例:図1図2)の下で統合し、N2ポンプパージで増加させることによって得られる。NF3とWF6の排出容積はFTIR濃度測定から計算される。グラム/ウェーハベースのプロセス排出はNF3の分子量(71 amu)を使って排出容積から得られる。PFC排出はMMTCE(100万炭素換算トン)として報告される。
表3 DOE結果
NF3
(sccm)
Ar/NF3
圧力
(Torr)
温度
(℃)
堆積
(Å)
洗浄時間
(秒)
NF3ガス使用量
(scc)
エッチ速度
(Å/分)
1800
1.0
4
445
97,405
1714
51,420
3410
1800
1.0
3
415
99,260
2175
65,250
2738
1300
1.5
2
415
100,450
2526
54,730
2386
2300
0.5
2
475
96,040
1237
47,418
4658
1800
1.0
3
475
100,625
1666
49,980
3624
1800
0.5
3
445
97,265
1642
49,260
3554
1300
1.5
4
475
88,165
1936
41,947
2732
1800
1.0
3
445
98,210
1691
50,730
3485
1800
1.0
2
445
95,025
1594
47,820
3577
2300
1.5
4
475
99,435
1360
52,133
4387
1300
0.5
2
475
97,195
2003
43,398
2911
1800
1.5
3
445
105,000
1903
57,090
3311
2000