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2006年8月号
装置組み込み型測定技術と
ウェーハレベル制御
Kevin Lensing
Broc Stirton
米AMD 社
www.amd.com
 米AMD社の最先端工場に導入された、自動調整製造(APM)を検証した。同工場における組み込み型測定機(IM:Integrated Metrology)とウェーハレベルの制御技術(WLC:Wafer Level Control)の役割について解説する。
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 0.25μmプロセス以降では、どのように、いつ、どこで、なぜ組み込み方測定機(IM)を導入するかについて途方もなく多くの憶測が業界で飛び交っている。主要な学会では、依然としてIMが議題となっているが(少数の例外はあるが)、業界は研究、技術開発、フィージビリティスタディ、パイロット試験計画、経営分析というサイクルから逃れられていない。半導体メーカーや測定機メーカーはIMの時代は目前であることを言明する多数の出版物を出し、業界誌の記事ではさまざまな技術ノードで重要な成功因子としてIMの長所を称えている。しかし、どこの半導体メーカーも数十億ドルの最新製造工場のどんなユニットブロックプロセスにもIMがスタンドアロン測定機の代わりに展開されているということを公式に発表していない。業界の注目、技術的な成果、技術を取り囲む動きがあるにもかかわらず、なぜ大規模に採用されないままなのであろうか?
 業界の従来の考え方ではIMの出現とウェーハレベルのプロセス制御の必要性とを結びつけていた。微細化するプロセスウィンドウがすでにロットレベル以下での変化を明らかにするコントロールシステムの開発を必要としているのは紛れも無い事実である。より綿密な制御が必要なウェーハレベルのデータ分解を可能にするために、1つのロットにつき1〜4枚のウェーハを抜き取るスタンドアロンの測定装置は、長いサイクルタイムを蓄積することなくそれぞれのウェーハを測定できるシステムへと代替されるという仮説を立てた。IMとウェーハレベルの高度なプロセス制御(APC:Advanced Process Control)のつながりについて、2005年9月号の弊誌記事「プロセスの複雑化に伴いIMの導入が加速」においてAlexander Braun氏がうまく集約している。「新しい材料やアーキテクチャの導入において、実際のAPCには組み込み測定機が必要である。特に65nm以降など、近年微細化するプロセスウィンドウにおいても必須の技術だ」と述べている。1)
 AMDの製造戦略は自動調整製造(APM:Automated Precision Manufacturing)と呼ばれている。APMの二本の柱とはAPCと高度測定技術にある。APMという傘の下でこれら二つのグループが並ぶことで、未来技術とAPC技術の関係を継続して評価することができる。この記事では、IMとウェーハレベルコントロールのディスカッションを明瞭にするために、APMのユニークな観点から意見を述べる。次に、工場効率、歩留まり向上、コストダウンのコントロールソリューションと成功因子の両方としてIMの状況を述べる。最後には、WLCに対する我々のアプローチを詳述し、それと同時に一般的な概念に対する興味深い代替案を提案する。

図1 処理のはじめにプロセスパラメータがプロセスツールへとダウンロードされる

変化とウェーハコントロール

 関連した用語を定義しておく。WLCとは、処理の始めに決定されるロットやバッチの各ウェーハの個別プロセス設定の使用を示す。言い換えると、処理中に得られる新しい情報は、プロセス設定をアップデート更新には全く使われない。全てのプロセスパラメータは処理の始めにプロセスツールへとダウンロードされる(図1)。ウェーハは個別設定できるという点を除いてはロットレベルのコントロールのシナリオと類似している。ウェーハ間(WtW)の制御では、単純に処理中のプロセス設定更新が可能になる。この場合、それぞれのウェーハのプロセス設定はウェーハが処理される前に決定もしくは更新される。WiW自動化シナリオには処理中の新しい情報のフィードバックやIMフィードフォワードシナリオが盛り込まれる。処理中に得られた新しい情報は、同一ロット内の先行ウェーハや、他のロットのスタンドアロン測定装置データによるIMデータから来ている。この記事においてこれらが仕様とされる。
 半導体プロセスにおける一般的な変化分析では、プロセス変化の構成要素を、ロット間、ウェーハ間、フラッシュ内(もしくはレチクル内)など、いくつかの個別の要素に分解すると分かりやすい。独立し、直線性のある変化量であるため、これらの個別の変化要因を合計してトータルの変化を求める。2)




WLCとWtW制御の技術は、まずWtW要因に対する取り組みに関係している。一般的に、いかなる変化にも積極的に制御するには、2つの要求に対応しなければならない。第1に、重要な出力変数が監視されなければならない。これは一般的にウェーハ状態測定で構成される。2番目に、コントロールノブが必要である。WLCを達成するには、ウェーハ1枚あたりのプロセス設定機能がなければならない。測定システムによって発生する付加的変化(σmeas)も明らかにこの式に含まれている。この項目は従来は測定機の精度を改善し、測定エラーの場合生データをフィルタリングすることによって対応してきた。
 前述のそれぞれの要因には規則的なものと不規則(ノイズ)なものがある。不規則変化のフィードバック制御は無意味なので、不規則変化のフィードフォワード制御と規則的変化のフィードバックに焦点を当てる。3)上流の規則的変化を傾向と解釈するフィードバックを行うと危険性が生じる。フィードバック制御を行うIMを装備したエッチング装置を使用するとしよう。もし連続した4枚のウェーハを最終エッチ終了のCD(FICD)で測定し、ある傾向が明らかになった場合、より最近のFICDへと制御移動が促される。しかし、もし蒸着チャンバ偏向による反射防止膜(BARC)の厚さの違いによって傾向が発生する場合、規則的変化は傾向として解釈される。間違ったデータ解釈に基づく制御移動を行うことによって、実際さらに変化が引き起こされる。従って、規則的変化の原因を特定する技術努力はWLC実現の必須条件でなる。規則的変化と不規則変化の割合がプロセス依存であるのに対し、我々の経験から改善への可能性は規則変化を明らかにし補うことにあると分かっている。これらの変化は目に付きにくいので明らかにする必要がある。後続プロセスステップの重複因子が重ね合わさっており、個別の影響をあいまいにし、不規則変化のように見せている。図2では、例えば累積誤差で不規則変化のように見えるものは実際は5つの研磨アームの規則的変化の組み合わせである。これらの規則的影響を発見するデータ分析技術の重要性は軽視できるものではない。
図2 スロットごとのエラーランダム分布に見えるが、実際は3つの規則的サブユニット要因の蓄積効果である
 プロセス変化の規則的な部分はチャンバ偏向やツールのドリフトなどの影響によるものである。ドリフトによってプロセスツールのプロセス条件変化によって起こる出力パラメータのウェーハ流れに着目する。ロット内の影響が大きいもしくはアイドリング時間に依存性がある(例、第一ウェーハ影響)ほとドリフトが早い場合、それに対応するためにWLCが必要になるだろう。ドリフトが遅いと、APCは単純なロット間の調整で影響を補正することができる。

IM要因

 業界は、複雑な制御問題のソリューションとしてIMに大きく注目している。前述の定義に関して、IMは、WtW制御をもたらす明らかに最良な測定媒体である。フィードフォワードWtW制御シナリオでは、それぞれのウェーハがIMユニットへと搬送され、プロセス前に測定される。ウェーハが生じる変化に対応し、処理中ロット内ウェーハの全て(または一部)で手順が繰り返されるようにレシピを変更する。このようにして使用した場合、測定データが二つとも同じほど正確であると仮定した場合、IMユニットはスタンドアロン測定によるWLCに対して制御面での付加価値がない。フィードフォワードの場合、WLCに対するIMの利点は、待機中に組み込みユニットでウェーハ測定するという効率のよさである。サイクルタイムやスタンドアロン機の容量が測定前別のステップで無駄になることがない。
 しかし一方でフィードバックWtW制御では、IMは一意の条件付きである。ロット内の傾向を修正するために時間内にフィードバックをするには、タイミングとロジスティックスはスタンドアロン測定ユニットへのウェーハ搬送を不可能にし、測定を行い、同じロットで調整するために時間内に結果を制御システムへと送信する。だが、これはIMであっても簡単ではない。まず、IMユニットは調整時間内にウェーハを測定し結果を出力できるほど早くなければならない。量産装置で行われる複雑な測定(リソグラフィセルなど)では、毎ウェーハと複数のサイトを測定しながらIMユニットがプロセス装置についてゆくのは不可能である。IM抜き取り方式(一枚おきのウェーハを測定するなど)のようなものを設けるという解決策もあるが、それではWtW制御システムの効果が制限されてしまう。通常、プロセスノイズと実用的な傾向を区別するには前後のウェーハのデータポイントが必要である。追加測定によって傾向がはっきりした場合、コントローラが作動するが、何枚のウェーハがウェーハレベル調整のメリットを受けるために現在のロットに処理されないまま残っているだろうか?測定機メーカーはこのスループット問題に対して敏感に察知しており、プロセスツールに遅れずついていくために大掛かりな技術開発を行っている。しかし、高スループットに伴って、文字どおりIMの価格決定において、もしくは比喩的にロット感度において支払うべき代価がある。IMユニットが同じプロセスステップでフィードフォワードWtW制御に使用される場合、測定ユニットの容量制約はさらに厳しくなる。これらのIMの搬送シナリオが一連のデータを強制的に妥協させるとWtW制御のメリットはたちまちノイズの中へと消えてしまう。
 ウェーハ制御が実施されていないとしても、IMはロットレベルのAPCシステムにメリットを提供しなければならない。プロセスツールに測定機を組み込むことによってフィードバックディレイの発生がゼロになり、更新されたステータスは処理待ちの次のロットへの準備が出来ている。これによって、変更後のロットが抽出されるのを待機する間に変更前の設定で処理されるという危険性に介在するロットがないことが確認され、状態変化と測定機検知の間の遅れがなくなる。スタンドアロン測定機を使用した場合の平均ディレイはプロセスの順序次第で1から5ロットの間である。指数荷重平均移動(EWMA)による推測と利敵媒体を適用した一般的なAPCアプリケーションでは、測定機ディレイを3から0ロットへと減らすことで全体的な変化は半分になる。
 制御要求のみがIMの要因ではない。IMによって生産されたデータ量は、ライン改善や歩留まり分類に適用される。もしAPC適用がないとしても、系統的工程管理や欠陥検知システムでモニターされたウェーハごとのデータをIMユニットが生み出すことが出来れば、逸脱が検知され、スクラップウェーハの危険性を最小限に抑えた装置を停止することができる。同様に、IMデータによって、微妙な装置もしくはプロセス起因の歩留まり痕跡の原因分析が可能になる。両方のケースとも理論上は理にかなっているが、正味の効果はある工場の特定ラインと分類歩留まり性能の関数であるため、有効投資収益率を割り出すのは難しい。半導体メーカーに対する売り込み口上で、IMメーカーはよく「2%のスクラップ減少」や「1%の分類歩留まり改善」など、数字を引き合いに出すが、これらの数字はせいぜいあいまいな推測による見積もりであり、大半の顧客に相手にされない。マネージメントが装置での特定のスクラップ問題に気づいている場合や、パラメータのウェーハレベル歩留まり損失が問題である場合、IMは解決策を提供することができるかもしれない。しかし、IMへの資本投資は歩留まりソリューションのコストの一部にしか過ぎないということを気に留めておかなければならない。スクラップウェーハを抑えるためインライン不良やSPCシステムはウェーハレベルで作動するよう環境を整えておかなければならない。広範囲のウェーハレベルパラメータデータを掘り起こし、実用的な痕跡を見つけるには歩留まり分析ツールが必要である。これらのシステムや分析ツールが無ければ、IMの結果はますます増加する工場データの墓場となってしまう。
 WtW制御を必要とするプロセスウィンドウ制約はさておき、IMにおいて最も差し迫った論議は、おそらく工場効率に関わることだろう。制御要因である厳しいプロセス要求はインライン測定負荷全体に広がっている。測定装置が生産の障害となることほど工場のマネージャを怒らせるものはない。しかし、それぞれの技術ノードで新しい要求が追加され静的測定性能や効率損失は仕方ないことだ。普及するFab規模のAPCによって、大きな製品ブロックの測定を抜かしてラインを単純に動かし続けることはもはやオプションではなくなった。測定機が無ければAPCも無く、プロセス装置は停まってしまう。測定がサイクルタイムによって工場に負荷がかかっている一方で、APC起因の中断によって乏しいデータやディレイなども工場に負荷をかけている。
 IM実施によって実際にスタンドアロンの容量を緩和する限りでは、測定やAPCによる工場の非効率性を最小限に抑えることが可能だ。もし一度IMが完全に展開され、あるシングルプロセスで特定されると、スタンドアロン測定ステップに関するサンプリングが大幅に減少可能、もしくは除外可能である。結果として、製品に対するサイクルタイムが改善され、使用可能となったスタンドアロン測定装置にかけていた時間を他の要求に充てることができる。装置に搭載することによって二つの最も大きなAPC起因工場阻害要因を排除できる。コントローラの危険性とパイロットウェーハである。測定の遅れをなくすことがどのように制御の改善へとつながるかはすでに述べたが、危険制約をなくすことで工場中断回数も減らすことが可能である。最新のコントローラ更新以来処理ロット数がユーザー定義の制限に達したとき危険制約が発生する。ロットが測定されるまで危険制約はプロセス装置の妨げになるが、全てのロットが処理中にIMを使用して測定された場合、危険性は常にゼロである。 APCの初期化は制御変数の状態がわかっていないときに起こる。一般例として、装置メンテナンス後、新製品導入時、データの有効期限終了時などである。25枚全てのウェーハを処理する前に正確な状態予測を行うため、初期化中には少数のウェーハが先頭ロットから流れて処理され測定される。パイロットロットが処理され、測定されている間、残りのウェーハ(とプロセスツール)は抑制されている。もし測定がプロセスフロー中に行われるならばパイロットウェーハ処理は必要ない。APCコントローラは先頭ウェーハをIM測定することによって状態を予測し、ディレイを最小限に留めて残りのロットを調整することができる。
 最終的には資本か原価の問題が残る。おそらく最も意見の分かれるIM要因であろう。メーカーは、IMはスタンドアロン測定機の価格の約半分であると主張してきた。1)しかし、どのようにして測定しているか?単体エッチングIMスキャトロメータ対単体CD-SEMのように、ひとつの装置をもうひとつと単純に比較しているだけか?それとも、単体CD-SEMは複数のエッチングプラットフォームを提供するため装置一組として全体の「制御に対する費用」を比較しているのか?資本コストとスループットの関係に基づいたCoOの比較はどうか?どの手法が公平か?装置間の比較は最も不当に思われる。工場は制御要求を満たすのに単体IMや単体スタンドアロン装置から選択するわけではない。単一システムによって制御されている個々のプロセス装置数によっては「制御に対する費用」の手法にはIMとスタンドアロンのコストの標準化が必要であるが、プロセスツールにIMが搭載されている場合、全てのロットの全てのウェーハ測定に伴ったプロセス制御と歩留まりに関して、このやり方は追加ウェーハ測定と関連した工場価値に対する釈明はできない。従って、結果的にはウェーハ一枚あたりのCoOアプローチとなる。これによって全てがウェーハ一枚あたりのコスト基準となるが、そうすることによって、ロット、ウェーハ、サイトサンプリングの点から言えばスタンドアロンユニットの柔軟性は軽視される。サンプリングと数値の関係は無限に比例するというのは誤った推測であり、これは間違っていることは分かっている。工場側は追加ウェーハ測定によって収益逓減を受け取る。ほとんど追加情報が得られなくなった後、飽和点に達し、それが測定抜き取り方式の全体基礎となる。
 IMのコストとスタンドアロンのコスト比較にどの方法が適用されたとしても、根本的にIMはスタンドアロン負荷に対する追加ではなく代替であるという仮定はそのままである。もし現在のリスクレベルがほとんどのIM展開に関与しているならば、この推測は妥当ではない。現在、IMの大半はIMをスタンドアロン測定装置の代わりに購入するほど製造適用可能であると未だに証明されていない。チップメーカーは制御ニーズを満たすスタンドアロンの性能を得たので、現在はIMをFabに持ち込んで評価を行っている。IMプロジェクトの成功によって将来のパターンやテクノロジノードにはインパクトを与えるかもしれないが、現在の生産には無関係である。なんとも残酷な運命のいたずらだが、IMデータを立証するためにスタンドアロン測定を必要とすることで、IMプロジェクトは全体の生産測定容量を減らしてきた。IMに関連するリスクレベルが追加コストに代わって置き換えられるとき、公正な比較などできなくなるだろう。

IMの現状

 いくつかの出版物でCMPは最もIMが広く採用される分野であると正確に述べていた。1,4,5)それはなぜか?まず、測定ソリューションが、他のプロセスモジュールのIMよりも技術的にローリスクだからである。CMPではスタンドアロンでは一般的な同じ光学膜厚測定ユニットが導入可能であり、研磨装置に組み込むことができる。IMユニットは光学デザインや測定メーカーによって若干の違いがあるが、技術原理は研磨プロセス制御として知られているものと類似している。測定機組み込みに伴う面倒な問題は残るが、測定技術自体の相続リスクは最小になる。測定技術の相対的な簡易性によってソリューションは製造可能になりコストパフォーマンスの高いものとなる。次に、OEMメーカーによる研磨装置、IMユニット、APCコントローラをひとつのパッケージに組み合わせる「ドロップイン」ソリューションの開発を許可するケースがある。膜厚測定ユニットを使用することでフィードフォワードWtW APCの実行が可能になり、従って各ウェーハの研磨時間を変えることで次の膜厚変化を修正することができる。総合的なAPCインフラがWtWソリューションを実行する必要はない。APCコントローラが処理の前後に存在しない場合、CMPのWtWコントロールはユニットプロセスの総合的変化を修正する手形交換所となる。 描画装置にはIMに関してまた違った話がある。パターン制限の歩留まり損失が今後の技術ノードを支配していく中、リソグラフィセルとエッチング装置から大量なデータが流れてくるのでエッチング装置は非常に魅力的である。スタンドアロンソリューションなど主要な分野で牽引し始めているスキャトロメトリ技術に伴って、光学CD-IM革命に対する準備が整っている。実際、これらのビジネス要因によって、過去5年間でリソグラフィとエッチングにおけるIMは著しく進歩した。しかし、CD-IMが主要生産に実施されるに至るには、しておくべきことがたくさんある。
図3 さまざまなハードウェア様式が存在するのでコスト、スループット、サイズ、感度の間での折衷が必要となる
 リソグラフィとエッチングでIMを実施する難しさを説明するには、CMPの状況と比較してみればよい。IM技術スキャトロメトリはまだ初期段階から抜け出したばかりである。半導体メーカーは理解を示し、長い間実施されてきたスタンドアロン技術をIMのスペースに入れるほどの余裕がある。かわりに、彼らはインテグレーションにおいて困難な問題を抱えている。プロセスツール構造に組み込む前にこの10年間でスキャトロメトリがスタンドアロン技術として成熟するのがベターであるが、CD-IMへの必要性は待ってくれない。ブロードバンドのスキャトロメトリが異なるハード構造をいくつか使用しても展開可能であるという事実によって状況が複雑になっている。さまざまなハードウェア様式が存在するのでコスト、スループット、サイズ、感度の間での折衷が必要となる(図3)。6)ハードウェアの最適な選択はスタンドアロン、組み込みリソグラフィ、組み込みエッチングのケースで異なるだろう。開発と保持のために複数のメーカーからそれぞれのアプリケーションに最も適したハードウェアを選び、スキャトロメトリツールの網を広げてゆく価値はあるのか?もしくは全ての要求に対応するサプライヤ、もしくはハードウェアの折衷案があるのか?これは半導体メーカーが答えるべきもっとも難しい質問のうちの一つである。  オプションであるCMPの膜厚測定のように、スキャトロメトリはモデルベースの技術であるが、そのモデリングにおける問題はさらに複雑である。スキャトロメトリによって1次元が2次元へとモデルスペースが広がり、従来の膜厚ソリューションに加えて、回折格子を示す幾何学的図形パラメータが求められる。オプションであるCMPの膜厚測定のように、スキャトロメトリはモデルベースの技術であるが、そのモデリングにおける問題はさらに複雑である。スキャトロメトリによって1次元が2次元へとモデルスペースが広がり、従来の膜厚ソリューションに加えて、回折格子を示す幾何学的図形パラメータが求められる。結果として、新しいアプリケーションにはモデルを立ち上げる大幅な開発努力が必要で、重要なパラメータに対するモデルの感度は保証できない。測定結果の質は一般的に積層膜の構成と回折格子レイアウトの関数である。スタンドアロンアプリケーションではスキャトロメトリを適用し、無数のプロセス層を試し、インパクトが最も大きいプロセスに対して最良な結果をもたらす層を選ぶ意味がある。
 IMにおいて、測定の実用性は基本的にホストツールで処理している一連のプロセスと関連する。もしスキャトロメトリが新しい層や技術で実行可能でない場合、IMユニットは足止めを食らってしまう。新しい材料が65nm以降で使用されることによって、スキャトロメトリの性能に負担がかかり、測定が粗くなる。特にリソグラフィのIMが厄介で、反射防止膜(ARC)はCDやレジストプロファイル変化に対する感度としてスキャトロメトリが依存している反射率を除去しようとする。6)これらの不確実性をもってスキャトロメトリの開発と展開を運用することは簡単なことではない。
 技術諸経費が高くモデリングが不確実であるにもかかわらず、スキャトロメトリに潜在的なメリットがあるからこそほとんどの半導体メーカーが技術を追求しようとしている。スキャトロメトリがアプリケーションに適していると証明された場合、高速で、充実した、正確なCDやプロファイルのデータストリームは無敵である。スキャトロメトリは、量産に適したスループットで垂直もしくは凹部分のレジストプロファイルの側面情報を得ることができる唯一の技術であり(図4)、65nmノード以降でのリソグラフィパターン制御の主要な成功因子と成り得る。

図4 垂直レジストプロセスにおけるCD-SEMとスキャトロメトリのプロファイル測定比較

AMDの先端工場に導入されたWLC

 IMを模倣するのはコスト・リスクの両方において良い提案ではないと考えて、我々は代替的な戦略を開発した。先述のように、変化制御における一番目の要求は観察戦略である。十分なインラインウェーハ情報データは優れたプロセス制御の基礎となる。(SPC、APCのいずれかが必要であろうと)十分なデータ収集と測定要求を最小限に抑えるというトレードオフは、製造において一般的な懸念である。我々の目標はAPCアプリケーションに適用できる実用的な情報を極限まで増やすことである。データの量ももちろんその一部だが、何を測定するか(どのロット、ウェーハ、サイト など)を決定するのは極めて重要だと思っている。言い換えれば、測定対象を向上させるのであればそのデータは有益なのである。これを複雑にしているのは、何が有益なのかが時間と共に変化するということである。例えば、最近あるエッチング装置のチャンバAでウェーハを測定していなかったとしたら、つい数分前にチャンバAからサンプリングした場合よりもデータは有益となる。高度なサンプリングとスケジューリング機能を活用することで、時間依存の値を含むデータを得るために、利用可能な測定容量の適用を確実にすることが可能となった。静的サンプリングレートは、複数のエンジニア定義ルールのバランスを取ることができる動的システムへと置き換えられた。そのシステムは、測定容量の制約による満たされないルールの不利益を最小化することで機能している。7)このような最適化によって、測定ツールは制御システムに対するプロセスの情報をいつも最大限に提案できるように使われており、複数のサンプリング目標が満たされる。こういった意味で、我々はデータではなく情報を集めている。測定データ量の純増加はゼロで時間と共にウェーハ変化の規則的要因が観測され、特化される。
 一度変化が観測されると、制御アルゴリズムのジョブは、規則的な装置傾向をモニターし、全ての変化要因を切り離して、フィードフォワードWLCの偏差を補正することに切り替わる。WtWフィードフォワード制御で全てのウェーハを測定するためにIMを使用する代わりに、我々はスタンドアロン測定と動的サンプリングを使用して、規則的変化要因を特性化しWLCで補正するには十分な測定を行っている。

ウェーハレベルAPC時代が今始まる

 半導体製造の業界リーダーにとって、ウェーハレベルAPCの時代は到来しているのではなく、もはや今である。広まったロットレベルのAPCは早くからウェーハレベル変化を最前列へ位置させ、WLC開発は130nmテクノロジノードで始まった。90nmでWLC盛り込みポイントは複数あり、65nmでは大幅に普及すると見ている。業界がウェーハ制御に必要なデータをもたらす未熟なIMソリューションを奨励する一方で、我々は並行的な戦略が必要だという結論に達した。変化を詳しく調べることでプロセスはロット内の不安定性をほとんど示さないということと、ほとんどのウェーハレベルの変化は、実際のところ上流装置による規則的要因の組み合わせであることが分かった。狭いプロセスウィンドウを消費しているのは突入ノイズではなく、クラスタツールの個々のチャンバ、リソセルのベークプレートやコーターカップファーネスのゾーンなどの間における偏向であった。優れたウェーハサンプリングによって、フィードフォワードWLCを実行するために毎ウェーハを測定する必要なく、変化の原因を特化するには一枚をサンプルするだけで十分である。これは望ましい戦略であると証明された。スタンドアロン測定と動的サンプリングの組み合わせで、IMによるWtWフィードフォワード制御に匹敵するWLCを行うことができる。この方法によって、IM評価と展開に対する慎重な取り組みが可能となった。90nmの生産でIMは全く使用しておらず、65nmではほんのわずかだけである。
 だからといって、我々はIMに興味が無いわけではない。前に述べたように、IMがウェーハレベルのAPCと関連していない適切な理由が他にもある。IMは、特に測定サンプリングに関連する不確実性を最小限に抑えて製品が流れる生産量の少ない製造にとって魅力的だ。今後のテクノロジノードでは、完全にフィードバックWtW制御が必要となり、それに伴ってIMへの要求は高まるだろう。しかし、IM技術の準備がその頃までに整っていなければならない。特に描画モジュールでのスタンドアロン測定に代わる組み込み方法など、現在はIMに関する議題が多すぎる。IMが代替費用だけでなく、コストを追加する限りは、スタンドアロン測定を用いた我々のWLCシステムがあれば十分待つ余裕がある。
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Kevin Lensingは、ADM社のAPM開発グループの技術員である。ダラス大学で化学の理学号を取得し、オースティンにあるテキサス大学で化学工学の理学号を取得した。
Broc Stirtonは、ADM社のAPM開発グループの技術員である。ダラス大学で物理学の理学号を取得している。
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参考文献
1. A. Braun,“Process Complexity Fuels Integrated Metrology ,”Semiconductor International, July 2005.
2. NIST/Sematech e-Handbook of Statistical Methods. Available at: www.itl.nist.gov/div898/handbook.
3. A. Toprac,“Dynamic Tuning Algorithm and Other Strategies for Handling Dead Time,”Proc. of AEC/APC Symp. XVII, September 2005.
4. L. Karuppiah, A. Ravid, B. Swedek and W.Y. Hsu,“Overview of CMP Process Control Strategies,”Proc. CMP-MIC, February 2006, p. 125.
5. J. Qian, D. Li, J. Jiang and A. Huang,“Using APC for Wafer-to-Wafer Control in CMP,”Solid State Technology, May 2004, p. 63.
6. K.R Lensing et al.,“A Comprehensive Comparison of Spectral Scatterometry Hardware,”Proc. SPIE Microlithography, March 1, 2005.
7. A. Holfeld, R. Good and R. Barlovic,“A Fab-wide APC Sampling Application,”Proc. 7th Euro. AEC/APC Conf., March 2006.

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