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2006年8月号
Emerging Technologies
1つのカーボンナノチューブに組み込まれた
リングオシレータが完成
Peter Singer
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 米IBM社の研究チームが世界で初めて、1つのカーボンナノチューブ(CNT)分子を中心とした完全なICを構築した。これは複数のナノチューブを使用し以前実証された速度より100万倍近く高速化した。まだ今日のSiチップで得られる速度よりは遅いが、将来的にはCNT素子が持つ優れた性能の可能性が開かれるとしている。「CNTトランジスタの性能は最新のSiデバイスを凌ぐ可能性を秘めている」とIBMリサーチのサイエンス&テクノロジー担当バイスプレジデントT.C. Chen氏は述べた。「これまではCNTトランジスタを製造・最適化することに注力してきた。今や完全な回路でCNT素子の可能性を評価できるようになり、これは既存のチップ製造技術との統合へ向けた重要な一歩である」。
図 CMOS型5段ナノチューブ・リングオシレータ拡大図。右上挿入図は半径〜2 nmのナノチューブ
 同研究チームは、Science誌において単層CNT(SWCNT)は室温で数百nmを超える弾道伝導など優れた電子特性を示したと報告した。個々のチューブから作られた電界効果トランジスタ(FET) は、最新のSiデバイスに匹敵するDC性能仕様を示している。研究チームは、合わせて12個のFETを各18μmのCNT長に沿って並べたもので構成された5段リングオシレータを製作した。
 同じSWCNT上でp型n型の両方を得るため、FETの極性は異なる機能を持つ金属をゲートとして用いて制御された。Pdがp-FETに、Alがn-FETのそれぞれメタルゲートとして選択された。
 同研究チームは一つのSWCNT上に5個のインバータ(10個のFET)を並べることで、CMOS構造を1つの分子にうまく適用し、リングオシレータ回路()を実現させた。測定設定とオシレータ動作間の干渉を取り除く追加のインバータステージ(2個のFET)は、スペクトルアナライザで信号を読み取れるように、このリングオシレータ部分の後に続く。SWCNT FETには、かなり高速なスイッチング速度が期待され、それによりテラヘルツのデバイスやアプリケーションが実現すると予測されている。

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