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2006年8月号
Semiconductor Packaging
デュアルアクションがマイクロポンプ性能を向上させる
John Baliga
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 ICの熱除去方法としてこれまで実験されているものの一つに、液体を満たしたマイクロチャネルを実装する方法がある。米Purdue大学のCooling Technologies Rsearch Center Suresh Garimella氏の研究グループが、その方法の鍵となるMEMSマイクロポンプを開発した。ITRS (International Technology Roadmap for Semiconductors)2005年版によると、予想されSoCの電力消費量は今後15年間で10倍とされ、チップ1個あたり数百Wに達すると言う。この熱量ではフィン型ヒートシンクでは不十分だ。
 現在、熱電クーラーから3次元ICの金属充填ビアまでさまざまな熱除去方法が調査されている。液体を満たしたマイクロチャネルはこれらすべての方法と両立可能だ。Garimella氏のグループが開発したものを含めてほとんどのマイクロポンプがそうであるように、マイクロチャネルはCMOSと互換性のあるプロセスを使って作成できる。
 チップにマイクロポンプを実装する利点はいくつかある。チップ上でポンプを冷却させることによって局所流量を最大限に制御することができ、よって熱除去も最大限コントロールできる。また、チップ上のフローループ全体に多くのマイクロポンプを実装すれば、外部ポンプへの圧力要求を下げることができる。外部ポンプの圧力が下がれば冷却システムの信頼性が向上する。外部ポンプが小型化もしくは排除できるメリットは大きい。
 現在多くのマイクロポンプ技術が研究されている。Garimella氏のグループが開発した技術では、2つのポンプ機構−ノズル拡散器付・弁無しダイヤフラムポンプと電気流体力学(EHD)ポンプ−を同時に使用する。同グループの研究では、これら2つを組み合わせたときの流量は、各ポンプ機構を個別に使用したときの流量の合計より大きくなることが分かった。
ノズル拡散器付・弁無しダイヤフラムポンプは実際のところ極めて非効率だ()。液体は圧縮中に両方のノズルから出て、拡張中に両方のノズルから入る。ポンプは、望ましい方向に正味流量を作りだせるかどうかをノズル形状に依存する。その利点はダイヤフラムが唯一の可動部だということ。この場合、ダイヤフラムは圧電アクチュエータとなっている。正しい方向に液体を流すための別の機構を使用すれば、両方のノズルからの逆流を減らすことができ、ダイヤフラムポンプの効率を著しく向上させる。
図 弁無しダイヤフラムポンプは、正味流量を得られるかどうかをノズル形状に依存している。一方、EHDポンプは液体中にイオンを生成し「ステッパーモータ」の要領でイオンを移動させる
 EHDポンプは多くの応用例が研究されてきた。もし、流れ方向に対して垂直の電気伝導勾配があれば、電界が発生し液体中にイオンを生成することができる。通常、伝導は温度依存性を持つので、液体温度の勾配は伝導の勾配を確実にする。これらの電界は一連の電極に電圧を印加させることで発生する。電極に印加する電圧を変えれば、ステッパーモータの動作と同じ要領でイオンを動かすことができ、イオンは粘性力で液体を引っ張ることができる。
 EHDを機能させる鍵の一つは、2つの電極間を移動するのに十分な長い時間、イオンを電離した状態にしておくことだ。イオンの寿命と粘性は液体の重要なパラメータである。この概念実証研究で、Garimella氏のグループはKClを注入した水を使用した。同グループのVishal Singhal氏とDan Schlitz氏が米Thorrn Micro Technologies社を共同で設立し、イオンによる駆動力を用いたエアの促進を図っている。液体の選択は十分議論の余地のある問題のようだ。
 ICにおける今後の熱除去要求は大変手ごわい。しかし、マイクロチャネルやマイクロポンプのような技術革新が省電力設計と相まって、そのような要求も将来満たされるだろうという希望を与えてくれる。

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