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2006年9月号
DFM、DFYそして
プロセス測定への要求
Erez Ravid
米Applied Materials社
www.appliedmaterials.com
 設計レイアウトやOPCがリソグラフィプロセスのばらつきを考慮していないと、それが原因でフォーカスと露光装置のばらつきが歩留まり損失を発生させることがある。リソグラフィを意識した設計および検査が必要だ。検証範囲も複数のフォーカス・露光の組み合わせにわたり徹底したプロセスウィンドウ全体の分析へと拡大されるべきであろう。
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はじめに

 設計ルールは日々複雑化しており、設計と製造の相互関係は大きく変化している。この傾向は65nmプロセス以降で、複数のDFM手法の導入により顕著になってきている。ファーストシリコンに取り組むにあたり、設計者に十分なプロセス・技術情報を提供することは、業界にとって重要な課題であり、設計者、EDAベンダー、工場、診断装置メーカーの一体化した努力が必要である。プロセス測定技術や診断技術は、設計者にプロセスへの見識を高める主要なパイプラインを構成し、さらに高歩留まりを保証するためにデバイス設計者により厳密にモニターすべき構造とクリティカル特性の情報を工場に提供する。
 既存の方法を変更せずに、このような情報共有を可能にするアプリケーションが開発されており、光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)や新しい技術開発の検証の際などに有効であることが明らかになっている。

製造歩留まりとDFM−モチベーション

 製造歩留まりの損失は2つの要因からなる。ランダム歩留まり損失(パーティクル、コンタミ、その他のランダムな自然現象)とシステマティック歩留まり損失(プロセス変化、設計プロセスの影響など)である。設計ルールが微細化するにつれてシステマティック歩留まり損失が増加している。1)この2つの合計が全体の歩留まり損失となる(図1)。
図1 システマティックな欠陥とランダムな欠陥の傾向
(提供:PDF Solutions社)
 ランダム歩留まり損失には、チップ全体を駄目にするサブミクロンのランダム欠陥を探すために、ウェーハ全体をカバーできるよう米Applied Materials社のレーザー3D明視野検査装置「Applied UVision」、暗視野検査装置「Applied ComPlus 3T」、欠陥レビュー装置「Applied SEMVision」などの検査・レビュー装置群が必要となる。
 加えて、さまざまなプロセスステップにおいて検査装置の配置には専門知識が必要とされ、それぞれに要求される感度がある。システマティック歩留まり損失はもともと測定技術に関連した領域の問題であった。この定義ではシステマティックな問題は前もって定められた場所で測定され、モニターされる。しかし、システマティックな問題のメカニズムがランダム化しますます変化している。通常そのメカニズムはランダム・ローカリゼーションを起こすいくつかのエラー原因が組み合わされている。これらの影響は主にCMP、エッチング、リソグラフィプロセス後に見られる。
 リソグラフィプロセスの複雑化がこの現象の主要な要因だ。光学リソグラフィは、K1ファクタ0.3前後、KrFにおいて100nm以下、ArFにおける70nm以下の理論上の限界に近づきつつある。
図2 テクノロジノードに対するRETの必要なレイヤー数
(提供:米Mentor Graphics社)
結果として、現在のCMOSプロセスは、ディストーションの大きなサブ波長リソグラフィが適用されている。この影響の一つの例として、マスクエラー増強要因(MEEF:Mask Error Enhancement Factor)がある。プロセスが故障モード近くで実行されている場合、マスクレイアウト内の小さな変化は、対応するウェーハの大きな欠陥に結びつく。ラインが近接している時に発生する光近接効果も予想ライン幅を変える故障メカニズムの一例である。3)結果として、設計変更によりクリティカルプロセス層を調整し、マスクが改良される。これらの超解像技術(RET:Resolution Enhancement Techniques)は微細化が進むにつれ導入が進んでいる。
 DFMとは、「Fabによって定められたルールに順守しているかを確認することで、ある設計の製造性を確実にする一組のツール」と定義されている。その一例としては、DRC(Design Rule Check)ツールが挙げられる。このツールは設計者にある設計レイアウトでSiがどのようにして機能的になるかを確認するための明確なガイドラインとなる。しかし、プロセスがますます複雑化するに従って、多数のハード面とソフト面のルールとその間の多義性が生まれ、その限界を設計ルールへと変換することが次第に困難になってきている。結果として、業界はルールベースからモデルベースへと変化し、それによってより良いレイアウト機能性の予測ができる。図3は、一対のワイヤーのルールベースとモデルベースの故障確率および実測値を示す。
 定義によればDFMは設計分野とプロセス分野の間の取り組み全体に及ぶ。この領域には、プロセス特性、モデル、シミュレーション、ポリゴン変換を含む。さらにDFMツールのメリットはチップのコストまたは生産歩留まりの分野にまで影響する。
図3 さまざまなDRC方法での故障確率
(提供:米Ponte社)
 高精度の電子ビーム(EB)描画装置による先端マスク製造技術、高開口数(NA)の光学系を搭載した露光装置、高解像度レジスト、EUVリソグラフィ技術、EBプロジェクションリソグラフィなどが今後の微細化において大きな役割を果たす。これらの先端リソグラフィ技術は結果としてマスクコストの増大を招くおそれがあり、当然CoO(Cost of Ownership)が各技術を導入する際の主要な検討材料となってきている。
 生産歩留まりをDFM導入時の評価基準として利用することの問題点は、生産歩留まりデータが設計決定を行う時点では分からないことにある。テストウェーハと優れたモデリングを使用してこのギャップを低減する必要がある。

DFMとDFY−その識別

 歩留まりモデルを理解するツールがDFYツールと分類される。これらのツールは、設計の製造性を保証するだけではなく、プロセス欠陥に対する脆弱性を評価することもできる。導入されれば、DFYツールはプロセスによって誘発される非線形効果に対して寛容な設計を得るために修正を行うことができる。65nm以降では、全てのプロセスレイヤーで歩留まりを確保するためにもDFYツールを導入する必要がでてきた。
 OPCモデリングと検証は最終歩留まりに直接影響を及ぼす非線形効果の対処をターゲットとしたツールの一つである(図4)。OPCモデリングは反復相で、非線形演算プロセスとなる。修正サイクルが新たに問題を起こしていないかを確認するために再度検証されなければならない。
図4 レイアウト転写時のOPCの効果
(提供:米Applied Materials社)
図5 OPC CheckによりGDSとSEM画像を重ね合わせた画像
(提供:米Applied Materials社)
 このモデルベースのOPCが90nmプロセスを実現するために、多くのプロセスレイヤーで適用された。DFYは、生産を可能にするソリューションでなければならない。このソリューションは、設計・ウェーハ間の厳しい座標変換、多数の測定ポイントを設定する高速で自動化された方法を提供し、さらに設計とプロセス間のデータ伝達をスムーズにする業界標準のプロトコルが含まれていなければならない。
 OPCの領域では、どのDFYソリューションも現在のEDAツールと製造装置のインテグレーションが必要であり、全てのデバイス構造にわたる実際のプロセスウィンドウの定義が可能なフルチップモデリング、何百何千もの構造を測定する能力があるオフラインSEMレシピ作成、リソグラフィプロセスウィンドウ分析のための素早いフィードバックが要求される。
 当社の「Applied OPC-Check」はDFYソリューションであり、設計とCD-SEMの接続性をもたらし、OPCモデルキャリブレーションに加えてプロセスウィンドウの分析もサポートする。OPC Checkは、実際のウェーハでGDSファイルから抽出したレイアウトターゲットを自動的に重ね合わせ高速で正確なCD測定を行うことができる(図5)。

DFYと測定技術
−ケーススタディ


 マスク製造のサイクルタイムの増加と製品化時間の制約は、素早いマスク認定試験とクリティカルレイヤーに対するリソグラフィプロセスウィンドウの確認を必要とする。現在の評価方法は、限定されたCD測定と、ドーズとフォーカスを経てのパターン付きウェーハの欠陥検査に依存している。もし致命的なホットスポットが確認されなかった場合、もしくは欠陥検査で検知できなかった場合、結果として歩留まり損失が発生する。最近では、高速でフルチップのRETシミュレーションとホットスポット識別が可能な新しい画像処理技術が開発されている。さらに、さまざまな測定アルゴリズムを用いて何千もの測定サイトでCD SEMレシピ作成の自動化ができる。これらの方法を組み合わせると、GDSファイルからの設計情報を使用することでリソグラフィプロセスを制御・最適化することが可能になる。
図6 プロセス制限ホットスポットを特定するシステムインテグレーションとデータフロー
(提供:米Freescale Semiconductor社)
 米Brion Technologies社の「Brion Tachyon RDS 1100」、Applied OPC Check、CD SEM「Applied VeritySEM」は、米Freescale Semiconductor社のローカルエリアネットワークにインテグレートされている。TachyonとOPC Checkはラインの外に設置されている。フルチップシミュレーション後、Tachyonはホットスポットレポートを行い、OPC Checkと共に使用するためにDBMプロファイル(業界標準プロトコル)へと変換される。GDSクリップ、測定アルゴリズム、ホットスポットの座標を含むDBMプロファイルはOPC Checkワークステーションへと送信される。一度ウェーハレイアウトが定義され、測定するマスク領域が選択されると、ウェーハパターン識別にシミュレートされた画像、オートフォーカス、CD測定などを含んだVerity SEMによる測定ジョブがオフラインで生成される。測定ジョブはVeritySEMに送信され、プロセスウィンドウを決定するためにVeritySEMによって収集されたCD測定値とウェーハ画像がオフラインで解析される(図6)。
 通常のCD測定用の構造を用いて計算されたプロセスウィンドウと比較すると、実際は少数の制限ホットスポットによってプロセスウィンドウが大幅に減少していたことが4層にわたって見られた(図7)。しかし、プロセスウィンドウの減少と修正するための対策はそれぞれのレイヤーで異なっていた。例えば、活性層の密パターンの最小ラインサイズを大きくするためにはDFMとRETの組み合わせが必要であった。同じように、DFMとルーティング最適化がメタル2層で必要とされた。ポリ層の場合は、OPC最適化が一定のレイアウトで描画スペースを広げるために必要であった。メタル1層では、DFMやOPC補正が制限されるため、厳しいリソグラフィ制御が必要とされた。
図7 20%のDOFと40%の露光寛容度減少
(提供:米Freescale Semiconductor社)

まとめ

 歩留まり改善の最大のチャンスは、形状、特性のサイズと位置がイメージングと膜処理に相互作用するリソグラフィ工程にある。レイアウトやOPCがプロセスのばらつきを考慮していないと、それが原因でフォーカスと露光装置のばらつきが歩留まり損失を発生させることがある。OPCが最適化されていない場合、フォーカスと露光のばらつきで歩留まり損失が予想され、ルールで解決することは不可能となり、プロセスウィンドウを狭める。マスクの特徴、空間像、レジストとエッチングプロセスをモデル化するためにはリソグラフィを意識した設計および検査が必要である。検証範囲も複数のフォーカス・露光の組み合わせにわたり徹底したプロセスウィンドウ全体の分析へと拡大されるべきであろう。全体的に見て、最適化されたプロセスウィンドウはオンウェーハ検証と組み合わせたモデルベースのシミュレーションを通して達成されるはずだ。
 ホットスポットのオンウェーハ検証はDFYツールの一つの特徴である。さまざまな歩留まり関連の設計・ウェーハ間の相互補完ツールにより設計やプロセス欠陥に対する全体的なアプローチが必要だ。
 歩留まりを向上する完全な設計を実現するためには、設計者はメトリクス間の同時トレードオフを可能にする、物理的で相互連結する総合的なソリューションを必要としている。これはDFYを実現する唯一の方法であり、歩留まりはRTL-to-GDSフロー内で新しい測定基準になる必要があり、さらに効果的なDFMソリューションは設計と密接にインテグレートされる必要がある。
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参考文献
1. “Old rules no longer apply”,Riko Radojcic and Mark Rencher, EETimes 2003
2. “OPC accuracy and process window verification methodology for sub-100nm node”,H. Yang et al, Hynix Semiconductor
3. “Why interconnect and Litho modeling impact yield”,Mark Rencher and Frank Schellenberg, EETimes 2004
4. “Model-based approach allows design for yield”, Ara Markosian and Mark Rencher, EETimes 2005
5. “Are there economic benefits in DFM?”, Nowak and Radojcic, DAC 2005

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