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2006年9月号
Yield Management
バリア絶縁膜でCu配線の性能を向上
Laura Peters
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 Cuエレクトロマイグレーション(EM)においてしばしば悪の根源となるのは、Cuラインとそれを覆うバリア絶縁膜間の界面の弱さである。新しい自己整合CuSiNプロセスは、この界面を向上させるために開発された。仏Crolles2 Alliance社やNECは2006年6月、カリフォルニア州で行われた2006 IEEE International Interconnect Technology Conferenceで、共同開発した自己整合CuSiNプロセスに関する研究結果を明らかにした。
 多層配線で実効誘電率を低く保つためには、バリア膜とLow-k膜を組み込む必要がある。前世代でバリア膜はSiN(k〜7.0)からSiCN(k〜4.9)へ移行したが、SiCバリア膜(k=3.5)への更なる移行が、当初、信頼性を損なう結果となった。NEC宇佐美達矢氏の研究チームは米Novellus Systems社(サンノゼ)の研究者らと、SiCバリア膜とのインターフェースに高い信頼性を持たせるため、自己整合CuSiNプロセスを共同開発した。この新プロセスには3つの工程がある。それは、酸化銅を変化させるための還元プラズマ、SiをCu中に拡散させるためのシランガス照射、余分なSiを除去しSi-N結合を作り出すための窒素含有プラズマである。次に、複雑な有機メチルシラン源を使ってプラズマSiCが成膜された。
 CuSiNプロセスは選択的CoWPプロセスよりシンプルだとNECの研究者は言う。後者は洗浄前工程やめっき工程に必要という。また、CoWPの選択性が失われることに関連してリーク電流の懸念もある。使用されたテスト構造は、SiOC層間絶縁膜を持つ90nmノード・シングルダマシン・デュアルレイヤ、酸化膜を用いたハードマスク、SiCNバリア絶縁膜から成る。ベースのSiCN膜に代わって自己整合CuSiNプロセスとLow-kバリア絶縁膜(3.5)が下層に使用された。最小ライン/スペースは0.12〜0.15μmバイアス有で0.12/0.12μmだった。
 研究者らはEM、瞬時絶縁破壊(TZDB)テストに加え、ビア歩留まり、ライン間リーク、キャパシタンス、シート抵抗テストを行った。CuSiNプロセスではSiCNバリアに対してキャパシタンスが4%減少した。また、300℃、2 MA/cm2の条件下で行われたCuSiNプロセスでは、ビアEM寿命が、アンモニア前処理より39倍長かった。絶縁破壊テストではTZDBが1.5倍向上し(150℃)、アンモニア基本プロセスより配線が制御されていた。EM性能はCu表面でCu-O結合が弱まることによって向上されやすく、XPS分析で示されている。また、バリア絶縁膜インターフェースでN:Oの割合が高く、それが破壊強度に貢献していた。
 仏Philips Semiconductors社のLaurent Gosset氏率いる研究チームは、伊仏合弁STMicrolectronics社、米Freescale Semiconductor社、蘭Philips Research社、仏CEA/LETI社(グルノーブル)と共同で、Cuライン上に金属(W、CoWP等)を選択的に成膜させる方法だけでなく、Cuライン表面処理も使用して、自己整合CuSiNプロセスとバリア絶縁膜の組み合わせで比較した。
図 CuSiN/SiNの2層がCuSiNプロセス中に同時に形成されるメカニズムと、添付TEM断面図
(出典:Philips Semiconductors Crolles R&D)
 同研究では、Heベース洗浄、Siベース前駆物質(シラン、トリメチルシラン)を使用したCuのシリカ化、そして、熱応力や電気的応力の元でCuにSi拡散が更に広がるのを防ぐためのNH3プラズマ照射など、3段階のCuSiNプロセスフローを調べた。このプロセス()はCuの拡散や酸化に対する効果的なバリアとなっていることが分かった。このメカニズムは、変化したCu表面より上にある超薄膜SiNがシーケンス中に形成されることによって引き起こされるのかもしれない、と研究者はみている。このプロセスの大きな利点は既存のPECVDプロセスや装置と直接的に互換性を持つことだ。
 また、Gosset氏のグループは、絶縁膜ライナーをWキャップに完全に置き換えるため、WCVDを調査した。HFウェット洗浄を導入し、リーク電流、Cu拡散・酸化に対するバリア絶縁膜の効率という点では、期待の持てる結果が得られたとしている。

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