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2006年10月号
製造コストで大きく差がついた日台
日本版 編集顧問
津田建二
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 Semiconductor International日本版と新しい市場調査会社のジェイスター社が共同で8月に開催したセミナー「半導体エグゼクティブフォーラム 未来を拓く新ビジネス戦略」で、講演していただいた経済産業省の土本参事官が示したデータの一つに興味深いものがあった。それは、半導体製造における日本と台湾のコストの比較である。に示された製造コストの中で、日本と台湾で大きく異なるものは、ウェーハプロセスコストと減価償却コスト、運転コストの3つである。
 なかでも最大のコストは減価償却費である。減価償却コストは、高価な製造装置を数年間に渡る支払い代金だ。この問題を解決するためには、減価償却期間をもっと短縮しようと経済産業省は考えている。償却期間が短ければ確かに次の投資はしやすい。しかし、これだけでは台湾との差は縮まらない。
 他に方法は2つ考えられる。1つは製造装置を安く買うことを最優先することだ。これまで何度か採り上げてきた、製造装置への支払いの悪さは実はこの問題と密接に関係する。日本の半導体メーカーは装置メーカーが納入する装置をそのまま使うことはまずない。常にカスタマイズすることを要求してきた。そのままではラインに使えないと言いながら。しかし、このカスタマイズにかかる時間は装置価格を押し上げるだけではなく、自らのビジネスチャンスを逃すことにつながる。
 台湾の企業は納入後、価格の80%を即支払う。残りの20%程度は検収後に支払う。中には、最初から複数台即購入するから、割り引いてくれという半導体メーカーがあるという。装置メーカーにとっては資金繰りが楽になるため、支払いを延ばされるよりも現金が手にはいるため多少の割引には応じることになる。
 半導体メーカーにとっても安く多数の装置を早く納入してもらえるため、装置コストが下がるばかりか、ビジネスチャンスを生かせる。日本の半導体メーカーが検収を含めて支払いを延ばすことは、納入を優先してもらえなくなるばかりか、カスタマイズにより装置単価が上がってしまう。しかも、支払い期間が延びれば伸びるほど、減価償却期間も先延ばしされることになる。
 もう1つは、装置のアセットマネジメントだ。価格は高いが、寿命の短い装置に関してはアセットとして持たないことだ。減価償却の対象とはせずにGEグローバルソリューションズのようなアセットマネジメント会社に新規購入した装置を買い取ってもらい、毎月リースで借りるという手だ。これは経費で落ちる上、アセットとして持たないため、キャッシュフローが豊富になる。
 実は、このような手は土地や建物にも当てはめて使っている企業もある。ある外資系企業は本社ビルを購入した後、即不動産業者に買い取らせ毎月リースで家賃を支払っている。固定資産を持たないやり方だ。同じことが製造装置にも当てはまる。だからこそ、アセットマネジメント企業をうまく使えばアセットという重荷を背負わずに現金を手元に残すことができる。素早く投資のタイミングにも対応できる。
 台湾や米国にはアセットマネジメント会社をうまく使い、必要なアセットとリースとをうまく使い分けている半導体企業が多いという。
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