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2006年10号
ソニーがCu/ULK(k=2.0)配線の実行可能性を実証
Laura Peter
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図 ポリアリレン(k=2.3)がLow-k(2.65)ハードマスクでラインレベルで組み込まれている一方、ビアレベルにおいてUltra Low-k(2.0)が使用されている
 過去数年、日本企業はLow-k層間絶縁膜の導入で最先端を行っている。最近のIITC(International Interconnect Technology Conference)において、ソニー荒川伸一氏らは32nmに対するハイブリッドポリアリレン(PAr)/SiOC構成でのCu配線構造を実証した。プロセスは、Low-kハードマスク(比誘電率、k=2.65)および有機ガスプラズマ処理(OPT:Organic Gas Plasma Treatment)を使用したポア(孔)のシールプロセスを特徴としている。その方法によって、経時絶縁膜破壊(TDDB:Time-dependent Dielectric Breakdown)または電気特性を失うことなく、容量における11%の減少をもたらした。OPTは、ストレスマイグレーション(SM)およびエレクトロマイグレーション(EM)を著しく向上した。
 ソニーは、デュアルダマシン構造をより良く制御するために、従来のトリプルハードマスクプロセス(TEOS/SiN/Low-k)に代わり、新開発の保護ハードマスクプロセスを使用した。従来のプロセスでは、Low-kハードマスクへのSiNハードマスクの選択エッチングでプロファイル制御不良へ陥ってしまっていた。保護マスク/Low-kハードマスク方法によって、アッシングを避けつつ高度の選択性およびより良いプロファイル制御が可能になった。
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Low-kハードマスク(k=2.65)の導入により、従来のハードマスクに比べ、接続容量において11%減少の結果となった。技術者は、75nmビア(300k)の電気特性と75nm幅の36mメタルラインを比較し、異なるハードマスク材で違いがないことを発見した。75nmスペースのTDDB信頼性結果によると、Low-kハードマスク(2.65)構造の寿命は従来およびLow-k(2.9)ハードマスク構造のそれとほとんど同じであり、より低いLow-k膜がうまく取り込まれたことを示している。
 比較することを目的として、ソニーは2.65/PAr/dense SiOC(2.65)積層構造に加えて、2.65/PAr/Ultra Low-k(ULK)積層構造()も作製している。密のSiOC対75nmビア用ULKおよび3Mチェーンのビア抵抗の結果は、良いビアチェーン歩留まりと抵抗とともに同等であった。しかしながら、ビアサイズが小さいことから、ULKのビア抵抗が若干高かった。ULKにおいて、中間容量は18%減少している。
 信頼性調査によると、ポアシーリングプロセスはULKには必要なのが分かる。ビア側壁でのスペーサ使用、または不活性もしくは有機ガスでのプラズマ処理の2つのプロセスが調査された()。スペーサ処理では、SiOC ULKへの選択エッチングは従来のPECVD SiO2 CHxポリマー蒸着後に行われる。しかし、このプロセスは、絶縁保護膜蒸着、エッチング制御性およびトレンチ底のシーリングの難しさから32nm配線への適用は難しい。プラズマ処理は等方性シーリングが可能であることから、32nmには適合するはずである。3μm幅のメタルラインのビアチェーンおよび熱応力(225℃、40時間)での75nmビアにおけるSM結果では、10%の抵抗変化を予期していた。オルガノシランを使用したOPTが最もSM破壊に対して有効であった。
表 ポアシーリングプロセス
ポアシーリングの種類
プロセス詳細
スペーサ構造
従来のPECVD-SiO2蒸着後に
エッチング(SiO2スペーサ)
CHx蒸着後にエッチング
(CHxスペーサ)
プラズマ処理
不活性ガスプラズマ処理
有機ガスプラズマ処理
 325℃および1MA/cm2での26ビアチェーン構造におけるEMテストでは、ポアシーリングなしに対して、OPTでの平均故障時間が3倍であることを表している。信頼性向上のメカニズムを調査するため、デュアルダマシンプロセスと仮定して反応性イオンエッチングおよびウェットプロセス処理されたULKブランケットウェーハにおいて、接触角測定のみならず熱脱離分光法も行われた。OPTが接触レベルの回復をULK全ての値に表していることによって、ULKの損傷した表面膜がOPTによって修復されたことを示している。ポアシーリング(400℃アニール後)の有無でのバリアメタルの酸素量の測定では、ポアシーリング有りで67%の酸素含有量の減少となった。OPTは湿気取り込みを抑圧し、バリアメタル酸化を予防する。
 ソニーのチームは、Low-kハードマスクおよびこのポアシーリング技術は、確実な32nmノード配線の解決策であると結論づけている。OPTは、ULK膜での湿気取り込みおよびバリアメタル酸化を抑圧することによって、SMとEMの信頼性向上の働きをするのである。ハイブリッドPAr/SiOC構造はうまくLow-k(k=2.65)ハードマスクに組み込まれ、中間容量における大幅な削減を実現したのである。