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2006年10月号
Emerging Technologies
磁気が高温超伝導のカギ
Peter Singer
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 米テネシー大学とOak Ridge National Laboratoryと共同で研究を行う商務省のNIST(National Institute of Standards and Technology) NCNR(Center for Neutron Research)の科学者は、磁気変動が電子を一対にし、高温の超電導体内において抵抗のない電流通過帯域を可能にする普遍的なメカニズムのカギとなることを示す強力な証拠を発表した。
 電子打ち込み超電導体Pr 0.88 LaCe 0.12 CuO4(TC=24K)での共鳴現象の発見が7月6日発行のNature誌に発表された。研究者は、「共鳴エネルギー(Er)は、電子やホールドーピングに関わらず全ての高温超電導体でEr5.8kBTcを通過したTcに比例する。我々の結果では共鳴は超電導体銅酸化物の基本的特性であり、超電導のメカニズムには必要不可欠であることを実証している。」と述べる。
 欠けた高温超電導体の重要なパズルのピースとして、この発見によって著しく低温な既存の超電導体には非現実的であると今は思われている様々な実用技術を開発する研究を後押しする。例として、電力量を蓄え分配する損失フリーシステムや、高速コミュニケーション向けの超電導体デジタルルータ、高性能なジェネレータやモーターがある。
 NISTの物理学者であるJeffrey Lynn氏は、「我々の結果は、高温超電導体での磁力の役割に対する理解を統一し、根本的なメカニズムに対する理解をさらに深める手助けとなる」と語る。高温超電導体のメカニズムをよく理解することによって、高温で電気抵抗が消える新しい材料の発見へとつながるかもしれない。
 1986年に発見されて以来、強い科学技術の興味対象であったが、高温超電導体は1911年に最初に発見された非常に低温で超電導となる材料とは異なる方法で魔法のような働きをしている。これらの従来の超電導体では、材料の電子格子の振動が電子のスムーズな流れをもたらす対形成プロセスを行っている。
図 銅酸化膜(格子)のレイヤー交代で電子が対になるときに超電導は発生する。研究者は、高温で超電導が発生する材料で磁気励起(大きなピーク)が電子の対形成において重要な役割を果たすことが分かった。PLCCOとして知られる超電導体材料の巧妙に整列した3つの結晶に対する中性子プローブによってこの明らかな証拠が収集された
 科学者は、高温超電導体化合物で電子仲介となりえる振動やフォノンを除外した。彼らはこの二年間で重要な手がかりをまとめたが、いまだに高温超電導体内での電子対形成メカニズムを把握できない。
 UTの大学院生で主執筆者であるStephen Wilson氏は、「さまざまな実験やセオリーが鋭い磁気励起である共鳴現象が高温超電導体を弁明するのに必要な接着剤であることを示唆しているが、重要な証拠は欠けている」と説明する。
 他の研究者による以前の研究では、磁力は、空孔(もしくは電子が通常存在する偶発空孔)のある高温超電導体の主な2つのクラスのうちの1つの役割を果たしていると結論づけた。しかし、NCNRとORNLの高磁束アイソトープ反応体の研究に至るまで、過剰な電子によってドープされた材料など、他クラスでの根本的な対形成メカニズムは検知を回避してきた。
 研究チームは、磁気に対して極めて敏感な中性子プローブを使用し、巧妙に設計したPLCCOとして知られる化合物で電子ドープした高温超電導体での磁気共鳴の第一観測者となった。さらに重要なことに、共鳴エネルギーは、形状に関わらず高温超電導体に対して確立した関係に対応することが分かった。
 これによって。磁力と超電導フェーズの間の基本的な関連性が実証された。これらの観測と発見によって、高温超電導体の特殊な特性に関する研究の道が開かれるべきである。