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2006年10月号
Lithography
高屈折率液浸が勝者とは限らない
Aaron Hand
* * * *
 
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 蘭ASML社とニコンは、SEMICON West 2006において水をベースとした液浸リソグラフィの開口数(NA)が実質的に限界に近い露光装置、ニコンがNA 1.3の「NSR-S610C」、ASMLがNA 1.35の「Twinscan XT:1900i」を紹介した。
 NAは現在の液浸露光装置に水を使用し1.44となる。この数字の約90%が実質的なNAの限界と考えられるため、1.33までが水ベース液浸技術の値となる。これを念頭に、ASMLの第5世代目およびニコンの第4世代目の液浸露光装置は、業界がより高い屈折率を持った材料へと移行しない限り、これら2社における最後の液浸露光装置になるであろう。
 多くの人々の懸念は、水ベース液浸に続くものは何であるかということだ。SEMICON Westでのプレゼンにおいて、ニコン米国法人主席エンジニアGene Fuller氏は、次の3点を挙げた。
1)より高い屈折率のレジストおよびレンズによるNAの増大と解像度向上の継続
2)同じ水液浸を維持しながら二重露光やダブルパターニングなどのプロセスで調整
3)EUVリソグラフィ
 彼はまた、「全く新しい何か」の可能性も口にした。ナノインプリントリソグラフィが「何か」であるかわ分からないが、等倍描画技術への賭けは続いているようだ。
 Fuller氏は、屈折率1.65という液浸用液体の登場により、より高い屈折率のレジストやレンズも探求しており、装置メーカーはNA特性をもっと利用するために反射屈折設計を検討しているという。高屈折率液体には進歩が見られているが、屈折率だけが障壁となっているのではない。液体には高い透明性、温度に対する低変動、高いスキャンスピードでの良粘度特性を持っていなければならなく、そしてまた再利用可能でなければならない。
高屈折率液体は1つのステップではあるが、NAを付加的に増加させるだけだ。高屈折率レンズを投入しても、高屈折率レジストは1.5以上のNAである必要がある()。
表 実質的レンズ径に基づき、高屈折率レジスト及びマスクサイズ150mmにおいて、高屈折率液浸(液=1.64, レンズ物質=1.91)はNAを1.5まで、そして超高屈折率液浸(液=1.82, レンズ物質=2.10)はNAを1.7まで上げることが可能である
(出典:ニコン)
レンズ形式
レンズ倍率
ドライ
水液浸
高屈折率液体液浸
超高屈折率液体液浸
屈折光学系
球面レンズ
〜0.65
高屈折レジスト
非球面レンズ
〜0.95
〜1.05
〜1.30
〜1.50
〜1.65
反射光学系
〜1.30
〜1.50
〜1.70
〜1.35
〜1.55
〜1.70
 一般的に露光装置メーカーは、高屈折率レンズ物質または液体に関して多くの候補材料は持っていないとされている。「我々は未だこれを追求してしている。だが、そこには沢山の課題がある」とFuller氏は述べた。
 おそらく最大の課題は、技術面ではなく、経済的なものだ。液体サプライヤは比較的高価な消耗品を市場に提供する機会を持っているが、レンズサプライヤは極めて限られた市場だ。NA 1.65を達成するには、石英ガラス物質の屈折率1.57へのより高いレンズが必要になる。
 高屈折率の材料へ移行することで解像度が4%上がるとASMLマーケティングおよびテクノロジーのエグゼクティブバイスプレジデントMartin van den Brink氏は指摘する。これをi線からDUVリソグラフィへ、またはKrF(248nm)からArF(193nm)リソグラフィへの移行と比べると、両ケースにおいて約3倍の進歩だ。彼は、「今、ドライからウェットへの移行では、3倍ではなく40%となる。40%では、波長は同じままがよい。毎回波長を変更するたびに、より多くの課題に直面する」と述べた。
 1.8までの高屈折率レンズ物質においても、解像度の向上はたった15%までだ。解像度における比較的低い進歩についてどのように業界が感じているかの暗示として、van den Brink氏は、リソグラフィにおける最近の失敗F2リソグラフィ技術を挙げる。「顧客にとって、20%の利益というのは全障壁を切り抜けるには低すぎる」と彼は述べた。
 ArF液浸の高屈折率レンズ物質は、レンズ後玉にのみ使用され世界的に数百kg程度の市場しか作り出さないとvan den Brink氏は指摘した。「材料サプライヤにとってビジネス的な動機は何になるであろうか?」。