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2006年11月号
MEMSが日本の製造業の基幹部品として国際競争力の強化につながる
財団法人 マイクロマシンセンター
専務理事  青柳 桂一 氏
 財団法人マイクロマシンセンターは、マイクロマシンやMEMS(Micro Electromechanical System)の基盤技術の確立を図るため、産学官の力を集結し、さまざまなプロジェクトを推進している。マイクロマシンセンター専務理事の青柳桂一氏に話を聞いた。
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あおやぎ けいいち氏
1971年東京大学工学部計数工学科卒業。同年、通商産業省入省。日本貿易振興会ニューヨークセンター調査員、沖縄開発庁、新情報処理開発機構専務理事、マルチメディアコンテンツ振興協会専務理事、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)理事を経て、2004年マイクロマシンセンター専務理事に就任。
マイクロマシンセンター
www.mmc.or.jp
Semiconductor International 日本版(以下、SIJ):MEMSに対する期待は大きい。
青柳桂一:MEMSは、さまざまな分野で使用されており、これからも情報通信、バイオ、自動車などアプリケーションが広がりつつある。日本の製造業の基幹部品として国際競争力の強化につながればと考えている。半導体は産業の「米」であったがMEMSは産業の「豆」だと言われている。
SIJ:経済産業省においては技術戦略マップの作成を行っている。
青柳:半導体のロードマップは単純で、だからこそ、そこに重点的に設備を導入することで市場を確保できた。しかし、MEMSの場合は多様なところがあるため、一本道ではいかないだろう。そのため、この技術戦略マップも多岐にわたると考えられる。
SIJ:MEMS市場への期待は大きい。
青柳:将来的には大きな市場になる。マイクロマシンセンター2003年調べでは、2002年のMEMS日本市場は約4300億円。これが2010年には約1兆3500億円に達すると見ている。
SIJ:国ごとにMEMSへの取り組み方は異なる。
青柳:米国はベンチャーが登場する力がある。日本のMEMS市場はバルクマイクロマシンによる単機能のデバイスを中心に進展してきた。日本においては、今後環境づくりが大切だろう。これからの第2世代MEMSの先鞭を付けるため、国家プロジェクト「ファインMEMSプロジェクト」が始まっている。MEMSとナノテク機能や半導体の複合、一体形成技術を開発し、多機能デバイスを創出する。成果が実用化するのは5〜10年先だ。さらに、その先を見据えた「MEMSフロンティア未来デバイスプロジェクト」の準備を始めている。ここでは20年後の社会に役立つ、環境・エネルギー、健康・医療、快適生活空間などを新たなライフスタイルを創出できるMEMSを考えていく。現時点では夢のようなデバイスがターゲットになる。
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SIJ:高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクトがスタートした。
青柳:8企業、8研究機関でMEMS/ナノテク機能の複合技術、半導体との一体形成技術、MEMSを縦方向に積み上げる新しい試みなどが始まっている。これらの成果を知識データベースで整備する。このデータベースは、既に材料のデータベース化が進んでいる「MEMS-ONE(Open Network Engineering System of Design Tools)」と融合し、それを安価なソフトウェアとしてリリースする。
SIJ:ファンドリサービスも始まった。
青柳:ファンドリサービスも非常に忙しくなってきている。試作を低価格で実現することが必要だ。今後はサービス品目を標準化し、レディメイドのプロセスを用意し、さらなる低価格化を図る。ファンドリネットワークを構築し、中小企業のニーズに応えられるようにしたい。
SIJ:MEMSの標準化は難しいとされる。
青柳:プロセスの共通化は難しいのでMEMS-ONEのようなソフトウェアの共通化が有効だ。
  (聞き手:高橋 潤)