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2006年11月号
Wafer Processing
超臨界の適用で広がる新しい半導体プロセスの世界
Jun Takahashi
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 半導体製造プロセスには、30年ぶりといわれるほどに新材料が適用されつつある。これは微細化により、かえって性能が落ちてしまうような時代に突入するという。特に洗浄プロセスでは、既存の洗浄技術は微細化により使えない。例えばメガソニック洗浄技術は、ウェーハに与えるダメージにより使用できない。一部のデバイスでは、乾燥時に水の表面張力でパターンが倒壊するという現象も起きているとされる。エスペックとつくばセミテクノロジー、丸紅、東洋高圧は、300mmウェーハ対応の超臨界CO2(SCCO2)半導体洗浄装置のデモ機を共同開発した。両社は、新たに共同開設した超臨界研究開発施設「ESPEC - TST R&Dセンター」にデモ機を設置し、8月より稼働させている。今後2年間はユーザーとともに新しいアプリケーションを求めて、研究開発を推進するとしている。

今後の課題はインフラの整備

 超臨界流体は、液体のように物質を容易に溶解するとともに、気体のように大きな拡散速度を示す性質を持つ。特にCO2の超臨界流体であるSCCO2は、常温(31℃)、低圧(7.3MPa)で超臨界状態に達するため、半導体の製造プロセスでの利用に適しているという。表面張力がまったくなく、微細部分に容易に浸透し、アスペクト比の高いパターンの倒壊を防ぐ。MEMS製造においてはすでに乾燥技術として適用されている。エスペックでは、「超臨界技術を応用した次世代半導体製造装置は、微細化、薄膜化する半導体デバイスの洗浄、乾燥、レジスト剥離での利用に期待されている」と述べている。
 両社の開発したデモ機は先端サイズである300mmウェーハを搭載可能で、こうした超臨界半導体製造装置は「ほとんど例がない」(エスペック)という。処理速度は8チャンバを搭載することで300mmウェーハ最大120枚/時を実現できる。超臨界圧力は常用3000psi(20MPa)まで加圧可能。超臨界温度は常温から120℃まで可変が可能となっている。高圧の雰囲気は、今まで半導体製造行程では使用されていなかった。しかし、エスペックは今まで環境試験装置で実績を持ち、材料評価向けに高圧装置技術を持ち、また、試験機の冷却にはコンプレッサを搭載していた。圧力と温度の制御という意味では、類似のシステムを有していたといえる。
 デモ機を設置したESPEC - TST R&Dセンターでは、顧客などとの共同研究を通じ、半導体関連の洗浄、乾燥、レジスト剥離のほか、薄膜の修復、成膜など、超臨界技術の新用途の開発を目指す。
 超臨界流体洗浄技術では、材料から装置までのコラボレーションが必要だ。今後の課題としては、CO2を回収精製して使用できるよう、ガスメーカーの協力が必要となる。一方で薬液の使用は従来の3%以下になる見込みだという。
エスペックが300mmウェーハ対応
超臨界CO2半導体洗浄装置のデモ機を開発
全く新しい除去技術の開発も進む

 全く新しいパーティクル除去技術も登場しつつある。「MEMSピンセットによりウェーハ上のゴミを箸でつまむように除去する」(幣誌2006年1月号Movers & Shakersソニー 半導体事業グループSemiconductor Honorable Distinguished Engineer服部 毅氏)技術もでてきた。この方法は、CCDイメージセンサーのゴミ除去に適用できるとしている。