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2006年12月号
新たな材料利用や低温化へと向かう
熱処理プロセス
Alexander E. Braun
 新規材料の登場や微細化への要求によって、熱処理プロセスはサーマルバジェットの低減といった技術の進化が求められている。
* * * *
 確実に成長しているデバイス製造に使われている全ての熱酸化プロセスのうち、これら全てにおいて最も重要なものは疑いなくゲート酸化膜形成であり、プロセスノードが進むにつれてその厚さはますます薄くなってきている。長年にわたってゲート酸化膜は、1980年代後半の膜厚(〜250Å)から、アプリケーションによっては10Å以下の原子層レベルへと変化していった。
 この進化は今後も弱まる見込みもなく、装置サプライヤ同様デバイスメーカーによるかなりのR&D費用が引き続き必要になるとみられる。

至る所にて変化が

 熱処理プロセスには様々なトレンドがある。熱アニールの分野では、第一面に載るようなニュースではないが、バッチ熱アニールから枚葉高速熱プロセス(RTP:Rapid Thermal Processing)への段階的な移行が続いている。ロジック分野では、RTPが最初のアプリケーションであったシリサイドに加えて接合アニールに使用され始めた12年前に始まった。
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 米Applied Materials社(AMAT)のFEOL製品グループの最高技術責任者であるGary Miner氏は「ロジックはもともとRTP開発の入り口であり、DRAMがそれの1ノードまたは2ノード後に続いた」と述べている。「今ではフラッシュメモリーにも適用されている。NAND型フラッシュの微細化によってサーマルバジェットが低減するにつれて、メモリーマーケットのRTPアプリケーションは拡大している」という。
 もうひとつの傾向としてRTPに対する温度域要求の拡張がある。高温域と低温域で温度領域が出現している。低温域は主にNiシリサイドへの移行に起因して生み出された。次のテクノロジーノードへと進み、サーマルバジェットが低減していくにつれ、300℃以下のRTPで処理することは特殊なことではなくなっている。5年前ではこの領域で測定や制御を行う性能はほとんどなかった。
 高温域では別の開発が行われている。アニール基板である。一般的に、ロジックではエピを使用し、メモリーメーカーは高品質な基板のみを使用してきた。ロジックでは表面エピ層の高い品質が要求される。フラッシュデバイスはウェーハ表面の欠陥に非常に敏感であるが、コストに対しても同じである。高温アニール(1200℃)では、エピと比較して低コストにて表面層を修復し、リフレッシュすることが可能である。この温度域のアニールでは、スリップ欠陥や非均一を防ぐために厳密な均一性制御が要求される。
 蒸着の視点からいうと、原子層蒸着(ALD:Atomic Layer Deposition)にたどり着いた。ALDが最初に適用されたのはDRAMキャパシタであり、材料はAl2O3が使用された。これらの膜は今では変化しており、HfやAl化合物などの別の材料が導入されている。配線のバリアシード層など他のステップがALDへと移行するという予想もあったが、ほとんどの場合ではPVD(Physical Vapor Deposition)が今のところ有力である。
 明白な解決策がないままでも、その必要性から新規材料が導入されているようである。確かにゲートスタックの分野において、エンジニアは、作業機能、トランジスタへの適切なターンオン電圧、標準のプロセスフローへの適合を可能にする妥当な絶縁特性と金属特性をもつ材料の追求を継続している。これは予測していたよりもずっと困難であり、いまだに見通しが明らかではない。しかし、蒸着方法に関しては事態が安定してきた。明らかにALDの性能と機能性は電極でのPVD性能の延長であるため、この性能と機能性は重要である。Miner氏が述べたように、材料そのもの自体は異なるが、精密な熱制御と薄膜制御は要求に対応可能になってきている。
 65nmでは、熱処理プロセスにおいて大きな障害や性能ギャップはない。PVDで蒸着されたNiシリサイドの広範囲での使用など、いくつかの材料では熱アニールの変化が必要とされている。Miner氏は「ゲートの視点から見ると、ゲート酸化物スケーリングはロジックとDRAMにおいては達成され、採用されている。酸化物形成、プラズマ窒化物形成による窒素付加、アニール後処理、ポリシリコン皮膜の全てをひとつのツールで行っている」と述べている。

High-kの展望

 一般的な考えでは45nmは革命的ではなく革新的な開発を通して実現するといわれている。これらの技術がゲート絶縁体を含むノードに達成するために性能拡大が画策されている。ゲート向けのHigh-kは90nm、そして65nm、現在では45nmと長年の間検討されていた。実際の生産でわかることだが、次第に企業はHigh-kを45nmのロードマップから取り下げている。仮に使用されたとしても、ある特定のアプリケーションへの適用に限られるとみられる。代わりにゲート酸化膜の継続した微細化と改善は、高度プロセスによって達成される。安定し、実証された酸化窒化物は改善され続ける。
 最大の難問は32nmである。ゲート酸化の熱処理が拡散炉からRTPへと移行する最初のステップであった。特にロジックとフラッシュメモリーにおいては他のクリティカルな酸化膜にも動きがあった。後者は、プラズマではない純粋な熱構造を使って酸素ラジカルを形成するラジカル酸化によるものである。これらのラジカルは、STIのライナーコーナーラウンディングを改善し、側面酸化の制御ゲートを丸くし、トンネルと絶縁酸化膜内の信頼性を高める。
図1 高温側面システムは45nm以細での放射率依存を回避する可能性がある。ここでは、放射率効果を最小限にする導電加熱を使用したガス軸受けに浮いているウェーハを元にした新しいアニール技術コンセプトをしめす。秒単位以下のスパイクアニールは300度未満の伝導過熱メカニズムにて達成可能である。これらのシステムがフラッシュアニール可能かどうかは分かっていない

役割を果たす拡散炉

 開発に関わらず、拡散炉終焉の予測は実現されていない。蘭ASM International社の垂直拡散炉プロダクトマネージャであるTanja Claasen氏によると、拡散炉の低CoOが原動力となり、同技術への投資は継続していくという。新しい材料は拡散炉にとって課題があるのは確かだが、Hf、Zr、Ruなどの新しい材料は拡散炉内にて処理が行われている。同氏は、「問題はどれを選択するのかと、必要だがコストのかかる特性化と開発をどうやって行うかということである」と述べた。「例えば、十種ものプリカーサが開発されたとしても、最終的に製造プロセスにおいて採用されるのは一つにすぎない」。
 65nmにおいて、熱拡散炉は深刻な問題はない。しかし、45nmでは材料の問題に加えて熱においても障害が発生する。そのうちの一つは、微小パーティクルを一桁台に抑える必要がある欠陥制御の問題である。ASM Europe社の統括マネージャであるAlbert Hasper氏は拡散炉には有利な点があると考えている。同氏は「サイクルタイムを低減したALD枚葉プロセスには問題がある」という。拡散炉は等温反応によって温度が不均一にならないという利点がある。また、ALDは枚葉ではなくバッチで処理することによって、オン・オフメカニズムが単純化されつつある。拡散炉は、シンプルなデザインとチャンバ環境によって信頼性が向上し、45nmノードでのコンタミおよびプロセス制御要求への対応が容易である」と語る。
 米Aviza Technology社のThermal Business Unit統括マネージャであるMay Su氏は、CoOと生産性がバッチ環境の成功への道であると考えている。彼女は、「DRAMが長い間このプロセスを続けているのはこれらの理由のためだ」と語る。「例えば低温シリコン窒化物分野などにおいて既存の性能は延長されているのである」という。
 注目されているもう一つのアプリケーションとは、デバイスメーカーが低リークを要求するSTIライナーやゲート向けのラジカル酸化物である。これでは非結晶反応酸化物が上手く作用している。メーカーが鋭い結合を追求するため、低サーマルバジェットを得るための取り組みが継続している。新しい材料はさておき、45nm以細では応力と歪み技術にほとんど焦点が当てられるだろう。

アニールに注目

 ロジックにおいて、問題はエクステンションの注入における極浅接合である。ほとんどのアニール注入条件はこれによって発生している。デバイスメーカーが行っているこの積極的な接合スケーリングは、寸法の観点からみたトランジスタスケーリングの停止と、優れたHigh-k材料の不足の結果である。
 米Axcelis Technologies社の技術部長であるIvan Berry氏は、「これらの極浅接合を生成するためには注入エネルギーを低減しなければならず、整合アニールはスパイクアニールからフラッシュアニールへ、そしてまた別のものへと移行している」と述べる。これによっていくつかの問題が発生する。一つは、65nmノードにおいて、p型結合のホウ酸注入は5nmの投影領域があり、ほとんどのドーパントが表面の10nm内にある。45nmや32nmスケールでは、注入が少数の最上原子に存在する場合に条件が満たされる。
 リワークも問題の一つである。例えばリソグラフィ処理がひどい場合、ウェーハはリワークされなければならない。リワークが変数となった場合、一定した抵抗とアニール後のドーパントプロフィールを得ることが可能かどうかという不安が生じる。一般的なリワークにおいて、ウェーハはシリコンとドーパントを除去するAPM洗浄を通過する。これらは注入RTPと洗浄における問題である。マルチ側面もそうである。いくつかのメーカーでは接合プロファイルを調整するために、2、3個異なるスペーサを用いる。これによって側面材料のB、As、P拡散に対する整合性において懸念が発生した。
 出現し始めた事実として、関連した局所温度不均一からパターン欠陥を引き起こすウェーハ全体への放射率がある。問題は回避方法があるかどうか、または、パターン欠陥を回避するために異なるアニール技術が必要なのかどうか、ということである。放射率に依存しないアニール技術が理想的であるが、あいにくそれはまだ存在しない。高熱側面アニール装置は、ランプ加熱アニール装置と比べると放射率に対して敏感ではなく、パターン欠陥低減の見込みがある。しかし、問題は高温側面方法が短時間のスパイクアニールやフラッシュアニールの要求に対応できるかどうかである。
 フラッシュアニールにはウェーハ全体の均一性問題がある。レーザースティッチング、放射率のどちらをもってしてもこの問題は起こる。固相エピタキシが解決策であると考えられているが、このようなアプローチにはリーク電流を増加する領域終焉の損傷効果がある傾向がある。Berry氏によると、クラスタイオン注入は、損傷なく固相エピタキシ再成長を起こす見込みがある。もしそれが可能な場合、フラッシュアニールは不要になるかもしれない。「特にホウ素においては見込みがあるように見えるが、処理が必要である」と彼はいう。「現在のデバイステクノロジノードでは、高温側面RTPアプローチを用いてパターン欠陥を最小化することが可能である」と述べる。32nmまで続くかどうかは確定していない。どれほど高速な上昇が必要とされるか次第である。高温側面リアクタは、レーザーのようにフラッシュアニールを行うことができない。レーザーと既存のスパイクアニールを組み合わせることは、活性化、拡散、ダメージ除去の最適化において有効かもしれない。
図2 ADLは自己帰還反応を通して化学量膜形成を引き起こす
(提供:TEL America)

継続する歪み

 極浅接合と応力技術によって少なくとも45nmまでは現在のポリシリコンゲートにおいても進歩は続いている。しかし、応力技術には問題がある。特に、圧縮応力層と引っ張り応力層の両方を処理する場合において、残留応力と応力層に影響を与えるにはプロセス条件をどのように変えるかということである。レイヤー応力の弛緩は避けなければならない。アニールは、UV光やイオン放射と同様に重要な役割を果たすことになる。
 最大の問題は、明らかに45nmのエクステンション接合の連続稼動やロット間の一貫性である。エンジニアは、拡散と接合形成に依存する最初の5つの原子層に残るドーパントの表面効果を把握するのに苦労している。圧縮応力、引っ張り応力に関わらず、応力は拡散へと代わる。アニールを行おうとすると表面化学反応問題が起こる。表面に水素や酸素がある場合、活性化や拡散は影響を受ける。表面ラフネスが発生し、シリコンと側面スペーサの間の接合部分が重要になる。スペーサに接合する前にどのように表面を終焉処理するかが最終的な結果を左右する可能性がある。
 32nmでは200eVのホウ酸注入まで低下すると予測する人もいる。その場合、全てが表面効果になり、これらの活性化プロセスにおける表面に発生する化学反応や、ラジカルの役割(酸素、水素、窒素、その他)はまだよく理解されていない。シリコン結晶の化学結合は注入金属によって破壊され、洗浄時にすぐに酸化するホウ素などの反応性の材料が残る。従来のAPM洗浄では、ホウ素注入は大規模に反応性を増加させる。
 米Mattson Technology社のRTP製品グループ技術ディレクターであるPaul Times氏は、トランジスタ形成の視点から、65nm以下の全体のCMOSスケーリングは従来のゲート絶縁膜厚スケーリング方法が現在行き詰まっていることを示しているという事実に同意している。同社サーマル製品部門の部長であり統括マネージャであるAndrea Toennis氏は、「シリコン酸化窒化物のソリューションが存続しているので、微細化の余裕はほとんどなく、High-k金属ゲートの導入の遅れも状況を悪くしている」と語る。したがって、随分先のことになるが、新しい結晶方位や新しいチャネル材料追求を通してチャンネル移動性を改善する進行中の取り組みがあるが、スケーリング分野での大きなヒットは現在普及している歪み技術である。
 制限されたゲート絶縁スケーリングでは、特にショートチャネル効果の制御などの代替案にかなり焦点を置いている。重要性が増している考えとして、ゲート絶縁膜でのポリシリコン空乏を低減するために出来ることは考えられる限り実行するということである。これはスケーリングに貢献する。
 浅接合形成は重要性が増すRTPのもう一つの要因である。ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductor)において、最先端のイオン注入と制御拡散を導入する必要性をもたらすとしても、接合部のスケーリングに対する積極的な提案がある。これによって、ゲート電極内での活性化によるポリシリコン空乏制御の分野で役割を果たすミリ秒アニールなどのRTPの新しい技術が開かれる。チャネル移動性とトランジスタの駆動電流を改善するにおいてたくさんの案があるが、コンタクト領域の寄生抵抗と接合が極めて厳しくパフォーマンスを制限してしまう。よって、ドーピングプロファイルの電気活性化に焦点が当てられ、現在不可欠な浅接合、新コンタクト、ニッケルケイ化物、などのトピックへと舞い戻ってしまう。
 45nm、では別のオプションも検討されており、32nmではさらに多く検討されている。SOI(Silicon on Insulator)構造が導入され、歪み技術が継続されている場合においても、最も有望な方法はバルクシリコンを推し進めることである。この全てがプロセス・温度制御の向上に繋がる。
 東京エレクトロン米国法人の熱処理システムグループの製品マネージャであるAnthony Dip氏によると、一定のアスペクト比において、メモリメーカーはHigh-k材料に目をつけ、これらの膜に対して専用でALDを進めると思われる。
 フロントエンドのサーマルバジェットは特に存在していない。熱処理装置サプライヤは技術を拡大するようなプロセスを提供しなければならない。ここでは化学反応が大きな実現因子となり、低温にて熱処理を可能にする先駆者となるであろう。(オプションとしてプラズマがある)。圧力も200℃のサーマルバジェット低下とゲート後注入を可能にするソリューションである。これは化学反応に強く依存する。Dip氏は、「装置メーカーとして、装置環境に対して延長可能な変わった化学物質に対応すると同時に、これらの化学物質が使用できるハードウェアを開発するのは困難になっている。10年前は窒化膜を形成する装置を設計していた。化学反応はよく知られており、膜ターゲットは明らかで理解されていた。プロセスは容易ではなかったが、可能であった。しかし今では、今後2年間は知られることのない化学物質のためにプラットフォームを設計しなければならない。金属においては、金属CVDに目を向けているが、金属システムが5年間何になるかは誰にも分からない。このための開発での使用はほとんどない。多くは構想の段階ではよくても、一世代のみのソリューションではユーザーは購入に至らない。だれも一台のテクノロジーノードのために装置をそろえ、ハードウェアを処理したりなどはしないであろう」と語った。
 業界が直面する主要な問題は、材料の問題がすぐ後ろに控えたトランジスタ製造プロセスの終わりに向けたサーマルバジェットに対応することである。これらは異なった形で出現する。一つは応力工学である。ユーザーは、プログラムで制御可能であり、応力技術適用可能な膜を求めている。それは化学反応が基本になっているものでもあれば、蒸着技術でもある。
 全ては熱と化学反応に行きつく。
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マイクロ波 熱ウェーハを均一に

 マイクロ波技術は、電流と新アニール、キュア、薄膜アプリケーションに対応する次世代のウェーハ熱処理技術に対する答えである。5.8GHzのマイクロ波エネルギーを用いて、50から550℃の熱処理範囲内のバッチ全体にて±1℃以内の温度制御を達成しつつ複数のウェーハを多容量で加熱する。
 マイクロ波加熱は多くの利点がある。とりわけ、分子レベルでウェーハ全体を加熱する容積加熱もそうである。加熱マイクロ波エネルギーは、熱流量による従来の加熱とは電磁によってウェーハに伝わる。膜内での熱分布は熱拡散率や表面温度によって制限されないので、従来では表面内部から加熱するのが難しかった高アスペクト比のトレンチ内でも材料は効率的にアニールされる。キュアアプリケーションでは、マイクロ波加熱はプロセス温度を下げ、プロセス時間を短縮し、同等もしくはそれ以上の膜をもたらす()。
 マイクロ波加熱ではクォーツチャンバ側面がマイクロ波を通すため、ウェーハのみが加熱される。5℃/secを超える素早い上昇・低下速度によって、低温の側面チャンバはサイクルタイムを低減し、ガス分解と不溶なCVDプロセスのクォーツ表面の蒸着を防ぐ。通常の垂直ファーネスと比較すると電気消費量が90%削減されるとともに、この特性によって大幅にCoOをも抑えることが出来る。
 これらの性能によって、オゾンガスは低温チャンバ側面では分解せず高温ウェーハ表面上でのみ反応するため、バッチシステムでのオゾン酸化などの新しいプロセスが可能になる。ALDバッチアプリケーションもメリットをもたらす。