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2006年12月号
エンジニアはダサイ、
科学者は怖い、
ではまずい!
日本版 編集長
高橋 潤
* * * *
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 最近プロセス技術者やプロセスの研究開発に携わる方々から、最終製品やアプリケーションを念頭に置いて開発を進めることも必要で、ニーズが明確であることが重要との指摘があった。先端プロセス開発を推進するベルギーIMECも、既存200mmの設備を活用し、アプリケーションを念頭に置いたプロジェクトをスタートすべく組織改編に動いている(弊誌P.13参照)。MEMSの開発においては、マイクロマシンセンターが20年後を考える「MEMSフロンティア未来デバイスプロジェクト」の構想を固めつつある。このプロジェクトには「実現した時に年を取りすぎていないよう、若い科学者やエンジニアを集める」(マイクロマシンセンター 青柳桂一氏)。ここにきて情報をいかに共有するか、人材をいかに流動させるかが先端技術開発の現場において重要度を増している。
 ところでここで気になるのが、技術者、エンジニアおよび科学者の不足が甚だしい状況だ。そしてこれらの問題に学生の理系離れが進んでいる現状をも含めると、今後さらに深刻な状況に陥る可能性が高い。
科学者やエンジニアの
パブリックイメージが
著しく悪い
 IMECやSEMIは、この状況を打開すべく動き始めている。IMECはRoger Van Overstraeten Society(www.rvo-society.be)と組み、子供たちに科学技術を知ってもらうべく教育プログラム(www.imecexpo.org)を開始している。SEMIは、2001年に教育プログラム「ハイテク・ユニバーシティ」をスタートした。米国を中心に46回開催されており、高校生を対象に、実習を交えて楽しく半導体やエレクトロニクス産業について学ぶ場となっている。日本では、2007年3月に第1回目が熊本で開催される。SEMIは、この「ハイテク・ユニバーシティ」を通じて、科学技術の面白さと重要性を伝え、理系への進学や半導体産業への就業への関心を喚起したいという。
ご意見を
聞かせてください
Semiconductor International日本版編集部では日本の読者の皆様からのご意見や反論をお待ちしております。下記メールアドレスまでご連絡ください。採用分には薄謝を差し上げます。
editor-si@reedbusiness.jp
     
 Roger Van Overstraeten SocietyのディレクタJo Decuyper氏は、「問題はいろいろとあるが、ITインフラがそれほど教育の現場で活用されておらず、18才以下の学生はコンピュータサイエンスを含めても科学技術に対する興味を急激に失っている。子供たちは、科学者は動物実験を行い、爆弾を開発する人ととらえている。先進国のほとんどで、科学者やエンジニアのパブリックイメージが著しく悪い」と述べている。
弊誌編集顧問の津田建二はブログで日本の大学生の知識低下を嘆いている(www.reedjp-form.com/blog)が、学生のせいにもしてはおけない。これらの原因の一端には我々がつくりだしたネガティブなイメージと、そして実際に魅力的に見えない職場があるのであろう。今こそ近い未来を見据えて、子供たちに魅力のある業界へと変わるための方策を考える必要がある。
■DFM裏事情:設計と製造の格差社会がDFM誕生の源

 貴誌SI は議論志向であり結果として日本の半導体業界に活気が出て繁栄する方向に向かうのを歓迎します。
 さて、Semiconductor International日本版2006年9月号Editorial「DFMはもともと日本のお家芸?」と言う発言には興味があります。日本のIDMにおいて設計と製造が極めて近いところにあり無意識にDFMが育っていたというのは、そうかも知れません。ただ、日本のIDMから欧米より先にDFMの理論も言葉も聞いた事がありません。海外IDMでも米Intel社や米Texas Instruments社などは設計と製造が日本のIDMと同様に極めて近いところにあります。
 そこで私の経験から話をしましょう。海外では、歩留まりとプロセス担当のエンジニアとデザイン担当では同期でも給料が2割程違います。もちろんデザインエンジニアが優遇されています。
 DFMがなかった時代(DFM以前)を考えてみましょう。デザイン担当は設計を終えて最初の数ロットの試作品が流れその歩留まりが仮に低くとも(例えば10%程度であれば)デザイン完了として打上げを済ませ涼しい顔で次の設計に入ります。なぜならデザインにバグがあれば決して10%歩留まりは出ないとの理論があるからです。デザインエンジニアは実績を出し評価されました。
 そこでたまらないのは歩留まり&プロセス担当のエンジニアです。トップから叱責とプレッシャーがかかり、さらに早く歩留まりを上げろとの矢の催促が来ます。彼らの悲しみはデザインエンジニアに向きます。「あいつらは給料が高いし楽な設計業だ。俺達は泥にまみれて歩留まり10%を85%に上げろと言われる。でも容易に上がらない。大体、歩留まりが低いのは仮に設計にキラー欠陥が無くても危ないレイアウトをしたデザイン側にあるのだ。だから歩留まりが10%に低迷し85%まで行くはずがない。悪いのは俺達歩留まり担当では無い。危ない設計をした彼らだ。しかもおれたちより給料が高いのはケシカラン」と、給料に差があるとこの様な感情が生まれます。そして彼らが発明した「仕掛け」がDFM理論です。低歩留まりの原因は実は甘い設計にある事のキャンペーンを始めた事に真のDFM誕生の源があるのです。
 同期なら誰でも給料が変らない日本ではDFMが産まれて育つ余地が海外ほど強くはなかった、といえるのではないでしょうか。以上が海外で始まったDFMキャンペーンの裏事情であると考えます。
(エイデム、大和田 敦之)