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2006年12月号
実ウェーハ上の検証による
歩留まり問題解決法
Youval Nehmadi
Gale Lane
米Applied Materials社
www.appliedmaterials.com
 露光波長以下のパターンを形成するディープサブ波長リソグラフィへの移行に伴い、半導体製造プロセスには技術的、経済的に新しい障壁が立ちはだかっている。従来のプロセス技術では、製造と設計は独立しており、コンタミネーションの削減と、プロセス制御による各プロセスモジュール(リソグラフィ、成膜、エッチング)の効率化におおかたの焦点が当てられてきた。今、それらに加えてプロセスと設計を平行して最適化する努力が必要となっている。
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 2つの潮流が設計からウェーハへの転写可能性を予測する能力に制限を与えてしまい、製造のための設計DFM(Design-for-Manufacturing)ソリューションの採用が必要になっていきている。
・SoC(System-on-a-Chip)によって、さまざまなタイプのエレメント(制御、メモリー、アナログなど)を統合することが可能になるが、これらの多くの設計エレメントによって機能的な複雑さが増す
・ディープサブ波長リソグラフィでは、光近接補正(OPC:Optical Proximity Correction)がますます複雑になるため、転写された設計内容を予測しにくくなる。さらにプロセスウィンドウを介して複雑さは増大し、新たなレベルに突入する
 ある意味では、130nmプロセスでCu配線が導入された時と似ている。しかし、この技術移行間には歩留まりは機能デバイスの数によって規定され、歩留まりの低さの主要因は製造プロセスのインテグレーションに関係する問題だった。特に、CMP(Chemical Mechanical Planarization)プロセス特有のばらつきによって従来の統計的プロセス制御(SPC:Statistical Process Control)手法による制御が難しくなってきた。プロセス制御が単純な個々のプロセスのモニタリングから真空蒸着とCMPプロセス間でのウェーハレベルの総合的なフィードフォワード/フィードバック・メカニズムに広がりを見せた時に大きな進歩があった。それと同時に、より微細な新しいタイプの欠陥の認識が重要になり、より高感度の検査とSEM(Scanning Electron Microscope)による欠陥検査の必要性が加速的に増した。米Gartner GroupのDataquest社によれば、全製造装置に対するプロセス制御への投資の比率は、2000年の11.2%から2001年には15%以上へと急激に増加し(図1)、それ以降、高いレベルを保っている。これは製造プロセスに関連した歩留まり限界の問題を解決するためのプロセス制御ツールの急増を反映したものである。
図1 プロセス制御関連の売上げは、全ウェーハ製造装置に対する比率で2001年から2002年の間に急激に増加した
(出典:米Gartner Group Dataquest社、2006年6月)
図2 製品ライフサイクルにおける投資曲線モデル 青線は製造ユニット数、赤線は投資回収率ROI(Return-on-Investment)を示す
 65nmノードでは、プロセスの堅牢性への同様の要求はあるが、一方で設計要求がより一層厳しくなり製造ラインでプロセスウィンドウが縮小すると、歩留まりはプロセスのインテグレーションだけでなく設計そのものに依存するようになった。性能によってお払い箱になる場合でもデバイスはまだ機能しているものもある。これらのデバイスは、プロセスのばらつきのために性能が予想以上に広範にちらばってしまっている。このばらつきはロットごとやウェーハごとに、さらにはウェーハ内でも起こる可能性があり、全体の収益見込みに非常に大きな影響を与える。ゲートの線幅のばらつきLWR(Line Width Roughness)で分かるように、ばらつきと加工寸法の関係は一定ではない。従来の世代では、LWRはデバイス性能に対して無視できる程度の影響しかなかったが、65nmデバイスでは重要なパラメータになってきている。

最初のウェーハで
歩留まりを改善


 設計開始から製品の終焉までの典型的な製品ライフサイクルを図2に示す。設計、テープアウト、最初のウェーハ出荷を含む試作段階は、製品設計とインテグレーションに莫大な投資を要する。その後、プロセスが初期の歩留まり目標に達するまでに調整され、出荷の時点から、収入が投資の回収に回り始める。通常、赤線で示した投資回収率(ROI:Return On Investment)は量産後までプラスになることはない。この損益分岐点までの期間は、歩留まりをより早く立ち上げることで短縮でき、また、全製品ライフサイクル間での全体的な製造効率を上げることで、全体のROIを向上することができる。
 しかし、コンシューマ機器業界ではさらに別の検討すべき事項がある。この業界はペースが速く、価格に敏感であり、新規の高性能な設計への初期投資が2000万ドルを超えることもある。さらに製品はあっという間に陳腐化する。このような状況では市場に早く出してしまうことに大きなメリットがあることは明らかだ。供給が少ないときには新製品は割高な価格を見込めるので、より高い収益につながる。しかし市場に競合他社が参入すると、たちまち価格破壊が起こる。そのため投資回収を実現できる期間は短くなり、歩留まりの立ち上がりの加速がさらに重要になる。
 歩留まりの立ち上がりを早める従来の戦略は製造のインテグレーションに焦点を当てていた。しかし、製品投入の遅れにかかる莫大なコストを考えると、最初のウェーハ以前での重要なてこ入れの必要性が浮上する。1回の設計リスピンに対して、マスクセットごとに100万ドル以上、何ヶ月もの開発サイクルを節約できる可能性がある。DFMへの期待は、最初のウェーハでの歩留まりを改善し、歩留まりの立ち上がりを加速することにある。
 もちろん、DFMの概念を受け入れることの方が実際の導入よりも簡単で、DFMソリューション自体はまだ進化し続けている。異なる領域間の新しい規格の創出が1つの障害になっている。もう1つは単純で、設計モデルはプロセスより前に構築され、そのため、継続的な検証が必要という点である。OPCチェックは、いくつかの問題点や考えられる方向性を説明する手助けとなるDFMソリューションの成功例だと言えよう(図3)。90nmノード以降、モデルベースのOPC設計が急増し、より複雑になってきている。精度確保にCD-SEMが必要になるが、設計スペース全体に必要な測定レシピをすべて手作業で作成するのは非現実的である。設計情報から直接CD-SEMのレシピを生成できるようにすることで、OPCチェックはCD測定サイクルタイムを週単位から時間単位に削減でき、転写された設計の徹底的な描写が実現できるようになる。
図3 OPCチェックはOPC設計の転写可能性の検証に重要な役割を果たしている
 現在の問題点は、マスクパターンへのOPCの適用方法の最適化である。書かれる必要のあるOPCのそれぞれがコストが増すので、デバイスへの影響を考慮して賢く適用するとよい。例えば、ダミー構造では最も積極的なOPCは必要ない。プロセスウィンドウを通したOPC転写可能性が考慮すべきもう1つの点である。OPCチェックを使用して、CD-SEMはホットスポット分析を実施するシミュレーションツールに接続できる。プロセスウィンドウを制限する特定のパターンが識別され、設計およびプロセスの制限を判明することができる。1)

リソグラフィ生産工程における重大な欠陥

 前に説明したように、LWRのようなリソグラフィプロセスのばらつきと加工寸法には一定の関係はない。しかし、加工寸法が小さくなると、重大な欠陥の大きさは比例して小さくなる。現像後のゲートのような最も重要なレイヤーでは、歩留まりに影響するパターンに関連したばらつきは、システマティックな欠陥に分類される。これらの欠陥が浅く、微細になるとDUV(Deep Ultraviolet)帯のレーザー3次元明視野手法が光学式の検査の感度限界を向上する方法として浮上した。図4は、マスク現像後検査(ADI:After Development Inspection)での典型的な欠陥の例を示している。大規模なブリッジと、周囲の線幅のばらつきとほとんど同じ大きさの突起状の欠陥がある。この高密度のライン構造では、DUV帯の明視野イメージングでないとブリッジを検出できない。しかし、十分な解像度がなく、線間のより微細な欠陥の多くを検出できない場合もある。一方でレーザー3次元明視野検査によって、アレイ構造により起こるパターンのノイズが効果的に抑制でき、光学的検査の感度を画像解像度の限界以上にすることができる。明視野イメージングと3次元散乱光検出により、ウェーハ全体の多くの種類の欠陥を検出することが可能だ。検査ツールにより自動的に分析を行なうことによって、チップの同じ位置に頻発する欠陥を識別できる。繰り返される欠陥は一般的に特定の構造と関連しており、修正作業はプロセス条件や設計そのものを巻き込む可能性がある。
図4 レーザー三次元明視野検査装置「SEMVision」で検出した典型的なゲートADI繰り返し欠陥の画像。左図:大きなブリッジ欠陥、右図:30nmの突起状の欠陥
 繰り返し欠陥のような位置などの特徴的な形跡から欠陥を分類することがSEM欠陥レビュー検査に求められている。SEMレビューは、欠陥の根本的な原因を決定するために画像と分析を提供することによりウェーハ検査プロセスのループをクローズする。そのため、SEM/集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)検査についての堅牢性、自動化およびスループットが、迅速な検査フィードバックに必要不可欠だ。SEMは、広範囲に及ぶ材料やパターン上の欠陥を迅速に再検出し分析できるようにする必要がある。表面下の欠陥の場合、インラインのFIB断面解析装置を使うことで、表層では同じように見える欠陥が、まったく異なるメカニズムで生じる可能性があることが分かっている。
 将来的には、プロセスのばらつき特性を特定できる信頼性の高い検査装置が登場するだろう。それには、欠陥情報の効率化と組織化とともに最高の検出感度が、必要になる。欠陥の大きさや位置などの属性は普通、欠陥の潜在的な影響を評価するために使われる。しかし、ダミー構造上の大きな欠陥は害がない場合もある(図5)。ある欠陥が歩留まりに与える本当の影響を理解するためには、設計面からの分析も行わなければならない。
図5 ダミー構造上の大きな異物

結論

 65nmノード世代では、市場投入の迅速化と低コストが商業的成功には必然であるにもかかわらず、「容易」で安価な革新的なソリューションはほとんどない。90nmから65nmへの移行でより高性能、より機能的なインテグレーションが期待されるが、コストをかけただけの恩恵を実現するには、歩留まりの立ち上がりを早めることが可能なDFMなどの新しい手法に依存する。
 設計とプロセスのばらつきにおける歩留まりの相互依存性の増大によって、ウェーハ上の正確な検査・解析の必要性が増している。新しい測定手法の要求を解決するためには、設計、テスト、およびプロセス制御間の情報の流れを実現する接続方法が必要である。OPCチェックを介して設計フローと接続されるCD-SEMは、既にOPC設計検証のサイクルタイムの短縮とプロセスウィンドウの最適化において、その価値が立証されている。高感度のレーザー三次元明視野検査と自動化されたSEMレビューを組み合わせることで、より微細な欠陥の検出や迅速な根本的原因究明が可能になる。
 最初のウェーハ、1st Siから歩留まりを向上することの経済性への大きな影響は、DFMソリューションをさらに加速すると思われる。プロセスウィンドウが小さくなると、これらのソリューションの実現は、プロセス依存性やモデル調整、検証を定量的に行うため、実ウェーハ上の正確な測定技術と高感度検査に、さらに依存するようになる。これらは、斬新な測定手法およびデバイスにおける欠陥の影響をさらに追及するための新サンプリング法にまで含まれる可能性もある。
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Gale Laneは、米Applied Materials社(AMAT)Process Diagnostics and Control Business Groupの戦略マーケティングマネージャ。2004年にAMATに入社した。AMAT以前は、製造装置メーカーで技術マーケティング職を歴任している。米California大学Mechanical Engineering学科を卒業。米Santa Clara大学でMBAを取得した。
Youval Nehmadiは、AMAT Process Diagnostics and Control Business Groupのビジネスデベロップメントマネージャであり、DFMに関する戦略と同社のDFMロードマップを定義する役割を担っている。イスラエルTechnion大学物理学科を卒業。イスラエルBen Gurion大学大学院でElectrical and Computer Engineeringを専攻、イスラエルTel Aviv大学および米Northwestern大学でMBAを取得した。
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参考文献
1. Jim Vasek, et al.,“Using design intent to qualify and control lithography manufacturing,” Design and Process Integration for Microelectronic Manufacturing IV, A.Wong, Ed., Vol.6156, pp.61561B1-8.