IMECの新しい変化のキーワードとなっているのが、“More than Moore(MTM)”だ。MTMといっても、これにより32nm以降の微細化に向けた先端プロセス技術開発の手がゆるむわけではない。IMECは、今までのデジタルコンテンツやソフトウェアを搭載するSoC技術、それがつくられる先端CMOSベースラインプロセスやメモリー技術、RF技術などを“More Moore”と位置づけ、さらにノンデジタルコンテンツを搭載し、さまざまな異種技術を統合する、ユーザーや環境と密接にかかわるデバイス技術をMTMと定義している。More Moore技術では300mm研究棟で32nm以降の先端CMOSプロセス開発を行い、既存の200mmウェーハ対応の130/90nm CMOSプラットフォームをMTMの研究開発に活用する。IMEC内にRF、ナノバイオ、光デバイス、無線デバイスなどアプリケーションを念頭においた開発プロジェクトチームで構成していく。昨今、MEMS製造プロセスを使用した新市場の創出やDFM(Design for Manufacturability)を活用した設計から製造までの壁を取り払う動きと同様に、先端技術の研究開発においても未来のアプリケーションを念頭においた技術開発が進んでいくことになる。
具体的な組織変更としては、2007年1月より、科学部門を一つの大きな部門として統合する。COOには、Luc Van den hove氏が就任する予定だ(写真)
一方、32nm CMOSプロセスの開発も進んでいる。EUVL技術の開発では、IMECと米ニューヨーク州立大学(SUNY)のCollege of Nanoscale Science and Engineering(CNSE)に設立されたAlbany NanoTechが積極的に推進しており、各所に2台の蘭ASML社のフルフィールドEUV(波長13.5nm)リソグラフィ露光装置のα機(ADT、Alpha-Demo Tool)が納入された(写真2、左)。
ArF液浸リソグラフィ技術の開発では、IMECはASMLのArF液浸露光装置「XT:1700i」を300mm研究棟に設置した(写真2、右)。XT:1700iの光学系開口数(NA)は1.2。同装置とダブルパターニング技術を使用することで32nmハーフピッチの解像に成功したことを発表している。IMECはダブルパターニング技術により45nm以降まで純水によるArF液浸リソグラフィ技術の延命にめどを付けた。