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2006年12月号
Inspection, Measurement and Test
ピコアンペアレベルの故障部位解析を
AFMの原理を活用し実現
Jun Takahashi
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 65nmプロセス以降、断面SEMやボルテージコントラスト像などによる検査・解析技術では故障解析が難しくなっている。米国Multi Probe社社長Andy Erickson氏によると、既に90nmプロセス以降のCMOS開発でSEMによる解析は限界が近く、業界はTEMによる解析を求めているという。同社によると2006年の顕微鏡検査の50%がSEMからTEMへと移行した。さらに45nm以降では、TEMによる故障解析でしか故障は解析できなくなる可能性があるという。しかし、TEMは生産性に欠けるという大きな問題を抱えている。一方で、90nm以降ではTEMでも発見できない障害が増加している。米IBM社の調査によると微細化により電流も微弱になるため、単一セルの欠陥の場合などは発見するもの難しくなる。
図1 AFPX4ナノプローバ
図2 XシリーズAFPナノプローバシステム
図3 故障欠陥を浮き出させるイメージ強調表示のピコカレントマッピングデータ 図4 光学顕微鏡で観察した4極Wプローブ
図5 ダメージを受けたゲートを示すピコカレントマッピングデータ

ピコレベルの電流を測定

 Multi Probeは、電流イメージングAFM(CI-AFM)による故障解析を提案する(図1)。CI-AFMの基本原理はシンプルなものだ。高性能原子間力顕微鏡(AFM)とナノプローバを組み合わせ、ダメージフリーなプロービングを行う。同社「X」シリーズ AFPナノプローバシステム は、65nmノードの1個のトランジスタに、高速かつ非破壊でプロービングすることが可能だ(図2)。ナノメートルレベルの水平分解能で試料をスキャンし、AFMのプローブにピコレベルの電流センサーを追加することでピコAレベルでの電流測定ができる。ピコカレントマッピング機能により、電気特性取得前にサンプル表面が電気特性試験に適した状態かどうかを確認し、ゲートリーケージ個所、 疑わしい故障欠陥箇所などを高速に検出する(図3)。プローブ針にはWを採用し、バイアス電圧を印加することで電流の流れを画像化することができる。最大5極までのプロービングが可能(図4)で、また、独自のパラメータアナライザ用オペレーションソフトウェア「IVC」で、計測器の設定が短時間ででき、高いスループットを得られる。
 同技術により形状と電流データの同時収集が可能で、このマッピングデータを解析することにより不良コンタクトを迅速に発見する。さらにコンタクトのリークもしくは高抵抗障害を正確に識別することも可能だ。CI-AFMによる故障解析では、ゲート酸化膜破壊(図5)、コンタクトの識別、ゲートポリシリコンのショートやCoSi誘起の接合リーク、高接触抵抗、スタッキング不良などさまざまな解析が行えることがIBMの報告から分かっているという。これはボルテージコントラスト画像のオープン/ショートだけの検査結果からは全く判別できなかったことだ。また、SEMなどの電子ビーム(EB)を用いたものではチャージが問題となっており、収束イオンビーム(FIB)もGaによるダメージが懸念されている。そもそもEBやFIBを使用した方法ではAFPが行っている実動作特性の評価は難しく、微細化に対し限界が近い。また、ナノワイヤにより電気的なコンタクトをとる現在の方法にも問題がある。そのため、ナノプロービングだけが電気特性を実用的に測ることができる唯一のソリューションになる可能性も高い。