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CMPのアウトソーシングで
プロセス開発と材料評価を効率化

[2007年01月号]

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 CMPの能力をアウトソーシングすることによって、米Freescale Semiconductor社は、技術評価を加速させ、社内の資源(リソース)を必要とされる他の生産プロセスに集中してきた。

Otto L. Luedke, Laura Ledenbach,
米Freescale Semiconductor 社
www.freescale.com

Chandler, Ariz, Robert L. Rhoades,
米Entrepix 社
www.entrepix.com


 最近の半導体業界の活況に伴い、ファブの稼動率は上昇し、ファブのリソースを最大限有効に使う必要性に迫られている。そして、生産性やコストの問題に対応するためには、追加プロジェクトが必要となる。これらのプロジェクトで主に取り組まれているのは、プロセスの歩留まり向上、ボトルネックとなるサイクルタイムの削減、消耗品の消費削減、性能向上あるいはコスト削減のための新材料評価である。しかし、残念ながら、ファブのリソースは好況のときに制限を受けやすい。なぜなら装置での生産時間が長くなるからだ。重要な技術的プロジェクトを、それが最大の効果をもたらすかもしれない時期にのみ実行することに制限が加えられてしまう。

 生産量を増やす方法の一つとして、まかないきれない分のウェーハ処理をファウンドリ企業にアウトソーシングすることが挙げられる。これは一般に「ファブライト(fab-lite)」あるいは「アセットライト(asset-lite)」モデルと呼ばれるもので、需要が高まっている時期は社内の生産能力を超えたウェーハ処理を可能とし、需要が落ち込んでいる時期には厳しい状況で資金をつぎ込むリスクを負わない。この選択肢は、ファブ全体の能力を追加したい企業に最適かもしれない。一方で、特定のプロセスモジュールにおける制約に対応するには、より柔軟で力強い選択肢が望まれる。

 CMP(Chemical Mechanical Planarization)は、最新のファブで最も新しく最も急速に成長しているプロセスの一つであり、CMPモジュールは生産能力の制約を受けやすいプロセスの一つだ。また、コスト削減と生産性向上のどちらか、あるいは両方の対象となることも多い。これらの問題に対応し製造業生産への影響を最小にするため、米Freescale Semiconductor社は、CMP材料評価とプロセス向上のための技術プロジェクトを、CMP専門ファウンドリの米Entrepix社に外部委託した。これによりFreescaleは、外部のリソースを使ってタイムリーに技術向上プロジェクトを実行しながら、一方で、社内のリソースを直近の生産に関する関心事につぎ込むことができた。

 本稿ではこれらの取り組みにおける初期の結果を考察し、Freescaleが専門的なCMPアウトソースサービスをEntrepixに依頼することで達成できた相乗効果について述べる。

斬新なアプローチ

 なぜCMPプロセス開発作業のアウトソーシングがあらゆるファブにとって望ましいのか?シンプルな答えはレバレッジである。アウトソーシング企業のリソースやCMPに関する専門知識をうまく活用することで、ファブは社内のCMPリソースをよりしっかりと生産要求に投入し続けることができ、それでも並行して技術プロジェクトを実行することができる。

 アウトソーシング企業は、技術スタッフ、プロセス装置の稼働時間、ファブで入手可能な生産リソースと競合することになりかねない技術プロジェクトの少なくとも一部を実行するためのデータ収集に必要な測定器を提供する。2つの異なる方法(社内ファブリソースのみ使用された場合と、同じ実験をアウトソーシング企業が行ってファブ側が管理した場合)の下で、研磨日数3日を要する、典型的なCMP実験を行なう場合の概算リソース時間比較を表に示す。

 ファブ側がどの程度の管理をしたいかによって、他の要因が、表に示した作業のいくつかに関して、ファブとファウンドリ間で分割した作業時間に影響を与え得る。例えば、変数を選択し、実験案を作る作業は、ファブスタッフが簡単な最終チェックを行いさえすれば、アウトソーシング企業のスタッフでも効果的に行うことができる。しかし、実験の全体に渡って、ファブ側が詳細な計画を立てていたり、アウトソーシング企業のスタッフは単に検討したり実行したりするだけならば、その効果はほとんどなくなってしまう可能性もある。標準的な装置構成を変えたり元に戻したりする時間もまたかなりの変数だが、実験の種類、必要となる汚染除去やハードウェア交換の程度次第では、ファブ内での作業時間全体への影響は劇的なものとなるだろう。はっきりした数字がどうであれ、この方法が強力なレバレッジとなる理由の一つは、どの作業を社内でし続け、どれをアウトソースするかを意識して決定できることである。

プロセス開発

図1 計画から生産増加までの評価サイクル

 ファブ内のCMPモジュールを維持し進化させるためには、多くの種類のプロセス開発プロジェクトが必要となる。これらプロジェクトのいくつかはアウトソーシングで実行可能だ。CMP評価で一般的に使用される主な評価基準は、除去率、ウェーハ面内均一性、平坦性、表面荒れ性、欠陥率、残渣による表面汚染、プロセス再現性、デバイス歩留まりの組み合わせである。初期段階のスクリーニングテストでは、これら重要な変数のうち、ほんのいくつかしか注目されないことがよくある。一方、後の段階では、これら評価基準のすべて(そしてより多くの基準)に、確立した目標値をもつ傾向にある。各ファブはそれぞれの技術に基づいて特定の要件を課すが、いかなる新プロセスの評価においても、一般的な手順は図1に示した図式で表すことができる。

 どれくらい複雑な変更なのか、どれくらい早く利益をもたらせるのかによって、この評価と生産増加のサイクルは、一般的に6週間から1年以上と幅がある。現在CMPをフル稼動していないファブにとって、装置の購入、技術者の雇用や訓練、施設内の再配置、その他新しいプロセスに必要な作業のすべてをこなすとなると、より長い時間がかかる。しかし、特に初期段階でアウトソースを利用することで、全体的な実行スピードを大幅に加速することができる。そのような時間の節約によって、ファブの収入増加(あるいはコスト削減)の時期が早まるだろう。予想されたように、ファブはどの作業をアウトソースするかという決定と、成功裏に次フェーズへ移行するための条件をきちんと管理する。
 アウトソースの取り組みに携わった技術者は、CMP開発のアウトソースを成功させるカギは、計画作成に十分な時間をかけることだと学んだ。ウェーハレベルの評価基準とウェーハ測定に使用されるであろう装置を含むデータ要件は、関係者全員が理解しておかなければならない。装置セットにおける完璧な一致があれば実行は簡単になるが、ほとんどの場合その必要はない。少なくとも、プラットフォーム間ですべての関連データの変換がしっかり行われ、いかなる制約もはっきりと理解されなければならない。プロジェクト計画が、積層の詳細、測定箇所、測定ウェーハ数、作成予定の表やグラフなど、期待される成果物を生み出すために必要な情報をすべて明確に含んでいることが重要である。

材料評価

図2 開発研磨パッドにおける酸化膜CMP除去率と均一性

 半導体デバイス製作の複合的な世界では、最終デバイスの一部あるいはプロセス中にウェーハに接触する材料は、生産に使用される前に品質検査が不可欠である。CMPでは、供給される膜の組成、パッド、スラリー、コンディショニングディスク、CMP後の洗浄に使用される薬液、研磨や装置洗浄のクリティカルな部分を作る材料などが含まれる。代替物になる可能性のある材料を評価するときは、簡単な技術的試みであっても製造分野にとっては大きな混乱になりうる。例えば、現在生産されていないスラリーを含む実験には、単にウェーハを研磨するに留まらない一連の活動が必要となる。単にスラリーを現場で受け取るにも、安全見直しの義務や承認手続きがある。実験を許可するには複数の管理見直しが必要となる場合がよくある。製造グループは、作業を実行するために、適切な装置稼動時間と労働力を割り当てなければならない。仮に、テストでスラリー供給ループから廃液を取り出し、流し、装填する必要があれば影響はさらに広がり、実験期間中は複数の研磨装置をオフラインにしておかなくてはならないかもしれない。そして、一度実験が終了すると、すべての装置は汚染除去され、生産可能な状態に戻され、標準プロセスに関して再評価されなければならない。CMPアウトソーシング企業を利用すれば、このファブ内の混乱はすべて避けられ、生産リソースは収入を上げる分野に使用でき、二次汚染の危険をなくすことができる。

 Freescale にとって特に関心のある分野は、コスト削減あるいはプロセス性能向上のための新しいCMP消耗品の評価だ。通常、これらの評価はファブあるいはアウトソーシング企業のプロセスライブラリからもたらされるベースラインプロセスの定義付けから始まる。それから、標準的な消耗品と新しい消耗品の性能比較が行われる。評価を成功に導くような基準を設けようとすると、新しい消耗品に対するプロセス目標値は従来のそれと実際は異なるかもしれないという点は注目に値する。新しい消耗品で好ましい性能が達成されると仮定して、長期間に及ぶプロセス安定性実証テストが行われる。

 最近のあるプロジェクトでは、ファブ、アウトソース企業、パッドメーカーという3者の協力体制の下で、新しい開発研磨パッドの評価が行われた。同プロジェクトの第1フェーズでは、開発パッド形成のスクリーニングと最適化に焦点が当てられた。本稿ではほんの一部のデータしか報告していないが、数回のパッド形成後における測定結果において、ベースラインプロセスに期待されているものでは、すべての関連する測定基準で望ましい性能が得られた。図2に除去率と均一性の比較、図3に平坦化曲線を示す。



図3 テストウェーハのステップ高さと除去量を比較した平坦化曲線

 事実上いかなるCMP消耗品でも、ある地点で単に時間内に、あるいはスクリーニングテストにいかにもありそうな短期間だけ、一連のプロセス性能評価基準を達成しても、十分ではない。長時間の検収期間中ずっと、安定的な性能が示されなければならない。開発パッドのテストでは、ウェーハ1000枚の長時間テストで性能が確かめられた。そして、テスト全体を通して、データ測定ポイントとなるモニターウェーハがウェーハ100枚あるいは200枚ごとに組み込まれた酸化膜フィラーウェーハが、ほとんどの場合組み合わされていた。図4に同テストの除去率と均一性の結果を示す。

 図2~4 のデータにより、新たな開発研磨パッドが、除去率、均一性、平坦性、プロセス安定性について、妥当な期待値内の性能を有することが分かる。図1に戻って考察すると、この特定プロジェクトの状態はプロセス最適化の段階のどこかにあり、デバイス統合テストの準備はできている、と言えるかもしれない。ファブ内で最適化しようとすれば追加的なデータが必要だが、そのデータがすべてファブの外部で作られたという事実は注目すべきだろう。

アウトソース支援

図4 開発研磨パッドに関する酸化膜CMP長期データ

 量産体制においてCMPを稼動させているファブは、本稿の内容以外でも多くのプロセス支援を必要とする場合がよくある。ベンチャー企業、新デバイス開発チーム、CMPを自社プロセスフローに採用したばかりのファブなどは、より多様なニーズを持つ。どの状況でも、外部のアウトソーシング企業の確立された能力や経験を適切に活用することで、一般的に、プロジェクト実行の時間軸を加速させ、ある種の間違いを避けることが可能だ。

 ほとんどのファブが知っているように、CMPのためのリソース要求は時間と共に変動する。アウトソーシング企業は、CMP技術領域でユーザーを支援するため、柔軟な組み合わせのリソースを必要なときだけ提供する。これらのサービスは遠隔地からでも現場でも提供される。CMPアウトソーシングは、ファブリソースの追加を最小限にとどめながら技術的作業を素早く行う、コスト効果の高い選択肢を提供しているのだ。

Otto L. Luedke氏は米Freescale Semiconductor社の主任スタッフ・エンジニア。STIとILDのCMPに関して技術的指示を出す。前職は、米Motorola社のSector Materials Operationで工場拡張担当技術チームの責任者。その他、フロントエンド洗浄、薬液管理、シリコンサプライヤ品質管理に関わるエンジニアスタッフとしての経験あり。

Laura Ledenbach氏は米Freescale Semiconductor社のダイ製造施設でシニア・プロセスエンジニア。タングステン成膜後CMP洗浄プロセスとメタル成膜後・酸化膜成膜後の洗浄装置に関する責任者。現在はすべての新CMP消耗品テストを担当。Thomas West社とSpeedFam-IPEC社で、フィールドアプリケーション/プロセスエンジニアとして勤務経験あり。アリゾナ州立大学で化学の修士号取得。

Robert Rhoades氏は米Entrepix社のCTO(最高技術責任者)。12年以上に渡ってCMP(化学機械研磨)分野で業界のリーダー。イリノイ大学で電気工学の博士号取得。10数個の特許を取得あるいは出願していることでも知られている。

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