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45nm以降で
新たな挑戦に直面する
エッチングプロセス

[2007年04月号]

45nm以降、32nmプロセスでは、従来のエッチングプロセスは、正確なプロファイル、選択比、CD、均一性、欠陥などの制御はさらに困難になり、そして新規材料の導入、新たなデバイスの構造とインテグレーションスキームの導入、さらにはリソグラフィの限界により悪化している。


By Peter Singer
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 半導体のエッチングプロセスは、エッチング形状の制御(形成されるホールもしくはトレンチの形状)、ダメージと残渣の制御、ラインエッジラフネス(LER:Line Edge Roughness)とライン幅ラフネス(LWR:Line Width Roughness)を含むクリティカルな寸法(CD)の制御を測定することによって、出来ばえが評価される。また懸念材料としては、たとえばエッチングレート(全体のスループットを決定づける)のパラメーター、クリーンの間の時間(チャンバ壁に付着したエッチング時の生成物をリモートプラズマクリーンによって定期的に除去しなければならない)、そして消耗品のコストなどのCoO (Cost of Ownership) である。その他の主な懸念材料として、ウェーハ内、ウェーハ間、バッチ間、装置間の均一性と変動特性の制御である。密パターン、疎パターン、もしくは孤立パターンに対してエッチングレートが異なることから引き起こされるマイクロローディングが、不均一性の最大の寄与項目のひとつとしてあげられる。

 新規なものはなく、ただ、さらに困難になってきているのである。業界としてひとつ明らかなことは、45~32nmデバイス世代に向け、さらに微細なパターン寸法を加工することに挑戦しなければならない。これは、薄膜レジストを含む新規のリソグラフィ技術のアプローチが必要であり、それに伴いハードマスクの使用の増加、そして更なる複雑なプロセス、例えば2層レジストなどの使用が推進される。エッチングプロセスは狭い開口部を作るためにマスクのトリミングにも必要とされる。半導体業界は、High-kゲート絶縁膜、仕事関数を最適化した独自仕様のメタルゲートを含む新規材料を広範囲に採用する。これらの新規材料、特にメタルはエッチング時に揮発性生成物を作り、チャンバ内の残渣除去が困難となる。配線工程のエッチングは、デュアルダマシン形成プロセスにおけるはエッチングホールとLow-k絶縁膜のビアの形成に使用され、例えばダメージ、変動、実効誘電率(keff)を考えた上で、異なったタイプのエッチングストップ膜、ハードマスクおよび異なったプロセスフロー(例えば、ビアファースト対トレンチファースト)からくる問題を管理することが課題だ。エッチング技術のエンジニアは、フォトレジスト、ハードマスク、反射防止膜(ARC)キャップ層およびエッチストップ膜などを含む、複雑な多層膜(先端デバイスで8層以上)の課題に直面している。そして、それらの膜の間にあるポーラス(多孔質)なLow-k膜をエッチングしなければならない。

 日立ハイテクノロジーズSemiconductor equipment business group、アプリケーション・テクノロジー・デパートメントのAkio Yamamoto氏は、「45、32nmプロセスのエッチングの主要な課題は、Siに対するHigh-k/メタルゲート、ポーラスLow-k膜、ハードマスク、Alエッチングだ。そしてこれらの材料上のダブルパターニングおよびリソグラフィもまた重要な課題である」と語った。その他で新規かつ特殊なエッチングプロセスの課題は、薄いSiウェーハを完全に貫通したホールを形成する、三次元インテグレーションにより提示されている。これらの深いホールをもつ貫通電極技術(TSV : Through-silicon Via)のエッチングは、特殊なプロセスが必要とされ、新しいコンソーシアム(ECM-3D)の主要な焦点の一つとなっている。

エッチングプロセスの基本
 ウェットとドライエッチングプロセスは、半導体ではアプリケーションごとに使いわけられている。ウェットプロセスの主な利点は、比較的安価であり高選択比(ひとつの材料対他の材料のエッチングレートの比により測定され、通常フォトレジストとエッチングされる材料のエッチングレートの比)を持つことである。しかしながらウェットプロセスは、エッチングに方向性を持たすことが難しく、通常、等方性エッチングのプロファイルをもたらす。もちろん、いくつかの場合は望ましいことであり、他方、材料はウェーハから完全に除去され、これは問題とされない。しかし、アプリケーションによっては、異方性エッチング(例えば、垂直方向の側壁)もしくはスロープを持った形状が必要とされ、ドライプロセスが最適な選択となる(図1)。


図1 異等方性、等方性が要求されるエッチング形状
(出典:独Alcatel社)

 ドライエッチング装置の心臓部はプラズマであり、エネルギーを持ったイオンを形成するためにガスを急速に分離するための高電界と磁界によりつくられる。プラズマの効率もしくは強度は、電子温度(eV)、プラズマ密度(ions/cm3)、イオン電流密度(mA/cm3)、そしてイオンエネルギーのパラメーターを測定することにより評価される。エッチング作用は、エネルギーを持ったイオンを引き出すこと、プラズマからでる反応分子、そしてそれらをウェーハ上で反応させることにより引き起こされる。通常、塩素を基にしたケミストリーがポリシリコン、シリサイド、メタルをエッチングするのに使用され、Fを基にしたケミストリーは酸化膜、窒化膜のエッチングに用いられる。選択比とエッチングレートの改善は、Ar、H、N及びOの追加によって得られる。

 エッチング装置内のいくつかの変動要因には、チャンバの大きさ、形状、プラズマ内にパワー(通常RF)を導入する方法、どのようにプラズマを閉じ込めるか、どのようにウェーハをバイアスするか、そしてウェーハとプラズマ間の距離によって左右される。プラズマ装置を扱うエンジニアは、プラズマをコントロールするための“ノブ(knob)”について語る傾向にある。最重要項目のひとつは、プラズマ内の“ニュートラル(neutral)”とイオンを、分離したコントロールをすることである。ウェーハを保持するチャックの設計も、とくに高温で揮発性を持つメタル系のエッチングにおいてまた重要である。セラミック系の新しいチャックは、高温でのエッチングにおいてよい特性をしめす。

 エッチングの他の重要な項目として、側壁パッシベーションを使用する選択肢がある。ここに、フォトレジストとソースガスからのCが、エッチング反応によって側壁形状のポリマー系のマテリアルを生成する。これはサイドウォールのブロックエッチングを助け、異方性エッチングの効果を高める利点がある。不利な点としては、ストリップ後のエッチング残渣を除くことが難しい。もし、除去されなければ、“ポイゾニング(Poisoning)”もしくはコンタミのもとになってしまう。

 エッチングされる材料によってゴールは違い、エッチングストップを持つ構造ではオーバーエッチングが必要であり、ダメージにたいするセンシビリティが重要となる。プロセスの最適化は通常トレードオフを管理することで達成される。例えば、低圧での高パワーの使用は、高イオン密度のため残渣コントロールには良い結果をもたらすが、高圧プロセスは比較的低いプラズマ密度により、マイクロローディングを管理する上で、より良い高選択比と高エッチングレートをもたらす。「正しいケミストリーとプラズマ密度、DCバイアス、平均自由工程(Mean Free Path)を最適化したプロセスは重要である」と東京エレクトロンKoichi Yamada氏は指摘した。「クリティカルな寸法を小さくしていくと、プロセスウインドウは狭くなってくる。32nmでは要求を満たすため、マルチステップのエッチングの使用が必要とされるであろう」と語った。


薄膜レジスト
 露光装置の進化は薄膜レジスト層を必要とし、結果として、ハードマスクの使用を増加させた。米Applied Materials社Etch Product Group CTO Uday Mitra氏は、「レジスト膜厚の継続的な減少が、LERの問題を引き起こし、ハードマスクの使用が絶対不可欠となった。すべてのクリティカルなエッチングレイヤーに対してハードマスクエッチングが必要」と語った。「古き良き時代は、i線レジスト膜厚は1万Åであり、フォトレジストとエッチングの選択比は4:1を超えていた。DUVリソグラフィの使用により、膜厚は3000~5000Åに落ち、選択比は3:1へと低下した。ArFでは、膜厚は2000Åより薄くなり、レジストに対する選択比は2となった。液浸露光装置でレジスト膜厚は1000Å以下になった。そしてハードマスクは必要不可欠となった」と氏は語った。

 薄いレジストが必要な理由は、過去はアスペクト比からくるものだった。米Freescale Semiconductor社Optical Lithography Group, Distinguish MemberであるWill Conley氏は、「過去は、アスペクト比4:1もしくは3:1であったが、最近は約2.5:1もしくは2:1ぐらいまでなっている」と語った。「このアスペクト比の低減はパターンの倒壊に関連する。これはArFとKrFで問題が顕著になる。」と語った。さらなる要求としてエッチング選択比はレジストタイプとの関連をもち、ArFフォトレジストのエッチング抵抗は現在のKrFレジストより20~40%少ない。「我々の32nmのレジスト膜厚は、ゲートで100nm以下、メタル/活性層で150nm以下になる計画である。これは、我々が直面している問題にいくつかの案を与える。我々は、低い膜厚によるスピンオンハードマスクのインテグレーションをひとまとめにするよう作業している」。

メタルハード・マスク
 デュアルダマシン配線プロセスのハードマスクは絶縁膜を主に使う。「配線プロセスの絶縁膜は、次のメタル埋め込みに対するデュアルダマシン構造のパターンニングを補助し、そしてCMPに対する高選択比のストップレイヤーの役割をする。それに追加して、KrFとArFで用いられるフォトレジストに対して、このレイヤーは従来の酸の触媒作用による有害な相互作用による酸の早い拡散を防止する」とSemiconductor International Technology Roadmap(ITRS)のなかで記述されている。

 さらに最近になって、ポーラスLow-k膜の導入により、通常TiもしくはWベースのメタルハードマスクへの移行に関心がもたれている。メタルハードマスクはレジストポイゾニングに対して、最高の防止膜を提供し、ポーラスLow-k膜に対して非常に効果がある。実際のところ、フォトレジストと下にあるARC膜はメタルのレイヤー上に置かれている。最初のステップは、メタルレイヤー上のトレンチ部のハードマスクをエッチングにより開口し、その後ウェーハはアッシングされ、残りのメタルを露光する。次は、別のARC膜を成膜し、ビアエッチングのためにパターニングされる。ビア部のバリアレイヤーが部分的にエッチング開口される間、部分的にトレンチ部を保護し、その後ウェーハは再度アッシングされる。さらにARC膜が成膜され、最終のトレンチエッチングのためパターニングされる。トレンチエッチングの後ビアの底部に残ったARC膜は、バリアレイヤー(最初のビアエッチングで部分的に開口される)が下部のCuフィルのトレンチに対して完全に開口される前に、アッシング工程内で除かれる。

 メタルハードマスクをエッチングする主な課題として、エッチングの生成物が揮発性を持たないことである。「メタルハードマスクはインテグレーションの観点からすると多くの利点をもたらすが、生産性と剥離工程の観点からすると、多くの問題点を生み出す。これらの問題を管理するうえで、どのようにチャンバをクリーンするか、またチャンバに新規の材料を使用するかの答えを見出さなければならない」とMitra氏は語った。

 米Sematech 社Interconnect Program Director Sitaram Arkalgud氏は、ハードマスクレイヤーの酸化された生成物によるライン間のショートもしくはkeffの増加を避ける必要があり、次のCMP工程でメタルハードマスクを除去する必要があると言及した。「メタルハードマスクは、TiもしくはWを基にしたメタルレイヤーを使用したならば、非常に良好なエッチング選択比が得られ、その次のCMPで完全に研磨することができる。もしそうすることができるなら、歩留まりもしくはkeffへの影響は極めて最小限である」と氏は語った。しかしながら、このことはCMPプロセスにとっては課題であり、低圧CMPの導入をうながした。「Low-k膜を研磨しないようにしなければならない」と氏は語った。

 プラズマによって誘発されるLow-k膜へのダメージは、また重要な懸念事項であり、ダメージを除くことによってCDの変化を低減できる。「エッチングおよびアッシング工程で、メチル其が激減し、表面はポーラスなSi絶縁膜になる」とYasuda氏は語った。「先端プロセスになって、さらにポーラスになりCDの微細化とともにLow-k膜は薄膜化が進められている。この問題を是正するために、エッチングとアッシング・プロセスはLow-k膜へのダメージ低減化への最適化が必要とされる。新規の工程の追加によって、Low-k膜へのダメージを回復することが必要になるかもしれない」と氏は語った。

エッチングストップ
 エッチングの要求に影響をおよぼす、デュアルダマシンプロセスで重要な項目としては、トレンチエッチングのストップレイヤーが挙げられる。トレンチエッチングストップの主な機能は、スムーズでより境界のはっきりしたトレンチ底部を形成するため、トレンチの絶縁膜に対して適切なエッチング選択比を与えることである。トレンチ底部のラフネスは、メタルバリアー膜の被覆率に影響し、それは信頼性に重大な影響をおよぼす。トレンチの深さの変動は、メタルラインの抵抗に顕著な変動をもたらす要因である。「もしトレンチの深さがばらついているならば、また、もしトレンチ底部のラフネスが荒れているならば、ラインの抵抗をコントロールすることが容易ではない」とArkalgud氏は語った。keffを低減するため、トレンチエッチング・ストップレイヤーを除くことは可能である。「案としては、ストップレイヤーのないインテグレーションで、すべてのレイヤーを取り除くことである。ストップレイヤーなしでスムーズなトレンチ底部を形成する」とArkalgud氏は語った。「これは全体のkeff値の管理に手助けになる。なぜならLow-k膜の間にHigh-k膜を挿入する必要がないからである」と氏は語った。


図2 トレンチエッチングストップはkeffを増加させるが、使用しないと変動要因が増えてしまう

 また、トレンチエッチング・ストップレイヤーを除くことは、キャパシタンスの増加とメタルの変動に対して有利である(図2)。先月のIndustry Strategy Symposiumで、米Texas Instruments社CTO Hans Stork氏はこの点の所見を示した。「配線は、全体の性能に影響を与える大きな要因となっている。成膜、平坦化、エッチングそしてその他からくる変動要因は、顕著にkeffに不利となる。このことは、デバイスのマージンを狭め、設計に直接的に影響をあたえる」と氏は語った。

 配線層エッチングの難問の最後の部分は、2つの主な機能を持つビアエッチング・ストップレイヤーである。近接するNon-Landedビアを避けたメタル間絶縁膜(IMD)のエッチングができるよう、ビア絶縁膜に対して適切なエッチング選択比を持たなければならない。それはまた、Cu配線層に対してキャプ膜としての役割を果たす。それはCuのエレクトロマイグレーションの要求を満たすための適切な密着性を持ち、拡散防止層でなければならない。ビアエッチング・ストップレイヤーは全体のkeffに重要な影響を与え、膜厚とk値は両方とも最小化するべきである。



表 キャップの変更によるkeffの影響

 は、このキャッピング・レイヤーとkeffに対する影響といくつかの変更可能点を示す。keff(11%)に対する最大のゲインは、キャップを完全に除くことから得られる。より低いk値のLow-k材料(例えば、スピンオン材料でk=2.8)への移行は、keffの大幅な低減をもたらし、さらにキャップ(8.7対2.7%)を薄くすることができる。

 「我々は、膜厚(k値を減らすことによって)の低減に注目しているが、信頼性を制御するのが難しくなってきている」とArkalgud氏は語った。「その他の選択肢として、層の密度を落とす試みを行っており、それによってk値を下げようとしている。しかし、これもまた、信頼性の問題に出くわす。協力して進めるしかない。片方では良好で強いエッチングストップが見つかるが、また同時に良好なエレクトロマイグレーションの制御の懸念を有す」と氏は語った。



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